開発段階ではオートマッピングなしの“ヒドゥンモード”もあった――PSP/3DS『ロストヒーローズ』開発スタッフインタビュー

文：ごえモン

■かわいいよりもカッコよく！　ヒーローの頭身は3と3.5の間に

――“絶望襲来”というキャッチコピーは当初から決まっていたものなのでしょうか。

大河原：企画をいただいた時に、イメージボードを描かせていただきました。そのイメージボードの段階で「絶望感が欲しい」と伺っていたので、わかりやすく絶望感が出るように“絶望襲来”というストレートなフレーズを念頭に置いて、イメージボードを描きました。そのイメージボードを提出した時に、横に“絶望襲来”と書いて提出したのですが、それがじょじょに浸透していった感じですね。

星野：開発中には、ことあるごとに「絶望襲来！」って言っていましたよ（笑）。

小菅：我々含め、開発中はよく絶望が襲来しました（笑）。

――個人的には、ライドダンジョンが通常のバトルよりも難しく軽く絶望を覚えたのですが、そこは意図的にデザインされたものなのでしょうか。

星野：そうですね。通常のバトルとはまた違う、よりロジカルなものになるように設計しています。

――中盤以降のライドダンジョンのボスはかなり強いですよね。もしよければ、攻略アドバイスやコツなどを教えていただけますでしょうか。

星野：攻略としては、固体ごとに弱点が設定されているので、足止めをうまくしながら進んでいくのがセオリーになると思います。

――巨大な戦艦に乗ってダンジョンを進むというのは、わりと珍しい要素だと思うのですが、早い段階からライドダンジョンの構想はあったのでしょうか？

星野：新しいダンジョンを入れてみたい試みと、通常のバトルとは違ったダイナミックな3Dバトルも入れていきたい、という考えもありましたので、企画書の段階からありました。“ヒーローたちが集結した乗り物を作ろう”というところから始まって、その乗り物を強化しながらガーディアンに立ち向かうものになっていきましたね。

――3Dバトルと言えば、本作の通常戦闘では2Dの敵に対して3Dのヒーローが攻撃する特殊な見せ方をしています。この演出は、早い段階から「行ける」と考えて作っていったのでしょうか？

藤井：企画段階では、ヒーローは3Dではなかったんです。ですが、キャラを3Dにすれば、必殺技など、より見せやすく演出も派手にしやすいのではないかと考え、現在の形になりました。ただ、2Dと3Dを1つの画面に表示させた時にどう見えるのかが不安で、試行錯誤を重ねましたね。

――ランカースさんの中ではかなり特殊ですよね。

星野：チャレンジでしたね。一時は「2Dに戻さないか」と言われたこともありました。でも、『ロストヒーローズ』は絶対に3Dでやるべきタイトルだと、自信があったんです。3Dでやらないと新しい作品になりませんし、絶対にカッコいい見せ方ができます。そこを突き詰めるべく取り組んできたので、今は非常に満足しています。

――キャラクターゲームということで、ビジュアル面はどうしても期待してしまうところではありますよね。実際にプレイしてみると、ヒーローたちがものすごく動いていて、期待以上でした。

星野：動きますよね。一切妥協せずやってよかったなと思います。3Dのよさは出せたのではないかと。

――“大人向け”で、かつ“コンパチヒーロー”という題材なため、イラスト面では苦労されたことと思います。

大河原：等身を小さくしすぎると、可愛らしくなりすぎてしまいます。かといって大きくしすぎると、コンパチヒーローっぽくなくなってしまう。いいバランスはないかと手足の長さのバランスの微妙な調整なども行った結果、現在のイラストが一番幅広い層に受け入れてもらえるだろうと落ち着きました。

――SDキャラの場合は2頭身くらいになりますが、本作では3頭身ぐらいの絶妙なイラストになっていますね。

大河原：3と3.5のちょうど間くらいにしています。3.5だとちょっと高すぎるんですよ。

藤井：3Dで動かすことや2Dの絵としてもカッコよくなること、さらに2Dと3Dが合わさった時に違和感が出ないことを考慮して作っていました。

――最初のすり合わせが一番大変だったんですね。

星野：“カッコよく”という部分をすごく意識していましたね。「かわいいね」ではなく、「カッコいいね」と第一印象で思ってもらえるようにしたかったんです。

→ガヴァドンは『ウルトラマン倶楽部』の影響？（3ページ目へ）

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※画面は3DS版の開発中のもの。

データ

関連サイト

• 『ロストヒーローズ』公式サイト
• 電撃オンライン内『ロストヒーローズ』特集ページ