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2012年9月20日(木)

ガチャは必ずしも悪ではない――ソーシャルゲーム業界に新規参入するWeMade Onlineの社長をTGS2012会場で直撃!

文:電撃オンライン

 東京ゲームショウ2012会場で、PCオンラインゲーム業界からソーシャルゲーム業界へ新規参入するWeMade Onlineの代表取締役社長へインタビューを行った。

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▲インタビューに快く答えてくれたWeMade Online代表取締役社長のチェ・ジョング氏。日本語に堪能で、とても気さくな方であった。

――PC用オンラインゲーム主体だった御社が、ソーシャルゲームのサービスに踏み切られた理由をお教えください。

チェ:親会社のWeMade Entertainmentが3年前から手掛けてきたモバイルゲームが市場に出せる状況になったためです。ただ突然というわけではなく、私どももこの1年それに合わせて準備をしてきました。その間に培ってきたものを、TGS2012にあわせて日本でお披露目することになっただけなんです。

 実を言うと、この時期にTGSがなかったら、もう少し前に発表していたかもしれません。せっかくの機会ですのでこのTGS2012をきっかけにしたいと思い、出展に踏み切りました。

――準備はすでに済んでいたのですね。では、数あるプラットフォームの中から『LINE』を選ばれたのはなぜでしょうか?

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▲チェ社長も遊んでいる『ロリポップ★あいらんど』。友だちとの絆をテーマにした作品で、コミュニケーションのおもしろさは群を抜いている。

チェ:昨日の記者会見でお見せした6つのタイトルは、『ARK SPHERE』を除くとすべてコミュニティー性が高いタイトルなんです。私自身、本国で『ロリポップ★あいらんど』で、自分からフォローしたのが約140人、フォローされたのが約300人にものぼっています。そうしたコミュニティー面での親和性の高さが1つ。

 もう1つ、スマートフォンに特化した開発を行っている点で、スマートフォンユーザーに向けたサービスをするには最適だと思っています。まさに最高のパートナーにであると確信しています。

――『LINE』の機能を生かしたサービスとしては、どういったものをお考えでしょうか?

チェ:『LINE』のユーザーにあわせたゲームの調整を行うつもりです。とはいえ、私どもが運営するパターンと『LINE』さんで運営するパターンなどで手法も変わってくると思いますし、今後よりよい形を探っていきたいと思います。

――昨日の記者会見でご自身が仰っていた通り「現在のソーシャルゲームはカードゲームが主流」である中、別ジャンルのゲームを制作される理由を教えてください。

チェ:今カードゲームが主流になっているのは、作った会社が儲かるという方程式が成り立ったことと、短期間で開発できるためだと思います。しかし、ゲーム本来の楽しさを考えると、さまざまなジャンルがあるはずなんです。

 WeMade Onlineは今までPC用オンラインゲームで培った経験を生かし、先を読んでタイトル制作していますし、他のソーシャルゲームのように「これが売れるから」といって数カ月で作っているわけではありません。またマーケットとしても、スマートフォンの利用率などから、これからは10代~30代くらいの女性の時代が来ると思われます。そういった方々に向けたゲームを作っているというのも大きな理由ですね。

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――会見では「重課金はさせない」ということも語っていらっしゃいましたが、適切な金額感はおいくらくらいだとお考えでしょうか?

チェ:そもそも私どもには、すべてのユーザーさんに課金してもらおうという考え方がありません。従来のソーシャルゲームは「課金しないことには全然遊べない」ものが多いです。しかし、私どもはPC用オンラインゲームのような「課金しなくても十分に遊べて、より楽しんだり時間を短縮する」という考え方でサービスする予定です。

 経営の観点からする「マネタイズできていないじゃないか」と言われそうですが、でも多くのユーザーさんの楽しんでもらうには、こちらの方が正しいと思っています。

――そういえば日本でサービスされる作品には“ガチャ”も導入されないんでしたね。

チェ:そうですね、料金システムとしては基本無料のアイテム課金となっていて、現在はガチャは一切入っていません。ガチャを入れるべきかどうかは私どもが勝手に決めるのではなく、ユーザーさんに提案してみるべきかと思います。

 そもそも、現在“ガチャ”という言葉に悪いイメージが付いてしまっていますが、私はそうは思っておらず、素晴らしい商品だと考えています。私どもがサービスしている作品でもそうですが、PC用オンラインゲームでは特に親しまれている文化ですし。

 なぜならガチャは、多くのユーザーさんの欲求を満たすことができると思うんです。おもしろい形を実現できそうであればユーザーさんに提案して、反響がよければ実装することもありえますね。

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――会見で小野恵令奈さんとベイビーレイズさんを起用された決め手はなんだったのでしょうか?

チェ:TGS2012のブースをご覧の通り、現実でのプロモーションもできるだけゲームの世界観に近づけたいと思っています。小野恵令奈さんもゲーム好きで、普段の衣装もコスチューム(コスプレ)みたいで、ぴったりだと思いました。

――彼女たちが今後、御社の作品にかかわることは……?

チェ:随時、私どものFacebookで公開させていただきます。あ、そういえば今、弊社ブースでベイビーレイズが出演しているはず。もうすぐ終わっちゃうので早く行きましょう!

――わかりました。では最後に、ファンに向けてひと言お願いいたします。

チェ:ジャンルも遊び方も斬新なソーシャルゲームを作り、末永く皆様とお付き合いできるようなサービスを提供できればと思います。どの作品も無料でたっぷり楽しめますので、まずはメディア様やFacebookで公開する前情報を見ながら、サービス時にはぜひ一度遊んでみてください。また、不満がありましたらどんどん送ってください。それを受け止めて修正していくPC用オンラインゲームのサポートを、モバイルでも行っていければと思っています。

■東京ゲームショウ2012 開催概要
【開催期間】
 ビジネスデイ……2012年9月20日~21日 各日10:00~17:00
 一般公開日……2012年9月22日~23日 各日10:00~17:00
【会場】幕張メッセ
【入場料】一般(中学生以上)1,200円(税込)/前売1,000円(税込)
※小学生以下は無料

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