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2012年11月9日(金)

世はまさに“植民時代”──歴史を知れば『アサシン クリードIII』がより楽しめる! 18世紀の北アメリカ大陸ってどんなトコ?

文:イトヤン

“フレンチ・インディアン戦争”で英仏の植民地が直接対決! 

 先にもお話しした通り、フランスは北米大陸のほぼ中央を流れるミシシッピ川流域すべてを、フランスの植民地だと主張していました。これはつまり、東海岸にあるイギリスの植民地が、人口の増加につれてどんどん内陸へと領土を広げていこうとしても、フランスの植民地が立ちはだかることを意味しています。

『アサシン クリードIII』
▲ジョージ・ワシントン

 1754年、五大湖の南にあるオハイオ川の流域の支配を巡って、イギリスとフランスは対立します。オハイオ川流域からのフランス軍の立ち退きを求めて、ヴァージニア植民地から派遣された市民軍は、現地でフランス軍と小競り合いを起こし、逆襲にあって逃げ帰ります。この戦いがきっかけとなって、イギリスとフランスが新大陸で本格的な戦争を繰り広げることになるのです。ちなみにこの時、ヴァージニア市民軍を率いていた指揮官の名前は、ジョージ・ワシントン。そう、やがてアメリカ独立戦争で大陸軍の総司令官として活躍し、アメリカ合衆国の初代大統領となる人物です。

 フランスとイギリスが繰り広げたこの戦争では、それぞれの植民地と協力関係にあるインディアンの部族が多数、戦闘に参加しました。そのため後世の歴史では、イギリス側の視点から見てこの戦争のことを、“フレンチ・インディアン戦争”と呼んでいます。

 翌1755年、エドワード・ブラドック将軍が率いるイギリス軍の正規部隊が、オハイオへ向けて進軍を開始します。この遠征には、昨年の遠征を率いたジョージ・ワシントンに加えて、イギリスの軍人トマス・ゲイジも参加していました。トマス・ゲイジは独立戦争の開戦時に、イギリス軍の総司令官となります。つまり、20年後に敵味方に分かれて戦う総司令官同士が、同じ部隊にいたわけです。

『アサシン クリードIII』

 ブラドック将軍の遠征部隊は、オハイオでフランスとネイティブアメリカンの連合軍による攻撃を受けて、壊滅状態となります。ブラドック将軍は戦死し、撤退する部隊を本来はイギリスの軍人ではないワシントンが指揮しました。この大敗北によって、新大陸での戦争はフランスの勝利が濃厚になっていました。ところが時代の流れは、意外な方向に向かうのです。

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