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2012年11月12日(月)

日本人にもよくわかる“インディペンデンス・デイ”の始まり──『アサシン クリードIII』の舞台となるアメリカ独立戦争の開幕と戦いの推移

文:イトヤン

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『アサシン クリードIII』は、CERO Z(18歳以上のみ対象)のソフトです。
※18歳未満の方は購入できません。
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 ユービーアイソフトから、11月15日にPS3/Xbox 360で、そして12月8日にWii Uで発売される『アサシン クリードIII』。イギリス人とインディアンの血を引いたアサシン“コナー”の生き様を描いた今作は、独立戦争期の北アメリカ大陸が舞台となっています。

『アサシン クリードIII』

 世界史的な視点においては、非常に興味深い出来事であるアメリカ独立戦争ですが、日本人にとってはあまりなじみのない話でしょう。そこで、その時代背景を知ることで、『アサシン クリードIII』の世界をよりいっそう楽しんでもらおうというのが、特集企画『アサシン クリードIII』ワールドガイダンスの趣旨となります。

 前回の記事では、北アメリカ大陸の植民地でイギリスから独立しようとする気運がどのようにして高まったのかを紹介しました。それに続いて今回の記事では、開戦から終戦にいたった経緯についてお話ししましょう。

■“かつら”がきっかけで、ボストン市民の怒りが爆発!? ~ボストン虐殺事件~

 北アメリカ大陸にあるイギリスの植民地では、さまざまな名目で高額な税金を徴収しようとするイギリス本国に対する不満が大いに高まっていました。これに対してイギリス本国は、植民地に兵力を増強することで対抗します。ですがそれは、メラメラと燃え上がりつつあった独立の炎にわざわざ油を注いだようなものでした。

 1770年3月5日、北アメリカの植民地でも1、2を争う大都市、ボストンで事件が起こります。その原因は、些細なものでした。植民地の職人とイギリス軍の士官の間で、“かつら”の代金を巡って口論が起こったのです。

 この当時は、正装としてかつらを身につけることが広く流行していました。ヨーロッパの王侯貴族からクラシック音楽の作曲家まで、この当時の人物の肖像画では皆、同じような白い巻き毛の髪型をしていますが、あれは地毛ではなくかつらなのです。余談ですが、イギリスの法廷では今でも裁判官と弁護士はこのようなかつらを身につけることが義務づけられています。

 イギリス本国への反発が高まっている時期ですから、兵士相手の口論には、すぐさま街の人々が加勢してきました。人数がどんどんと増え、やがて雪玉や石を投げつけ始めた人々に対して、イギリス軍の兵士たちはついに発砲してしまいます。この事件によって、5人のボストン市民が死亡しました。

『アサシン クリードIII』
▲イギリス兵のもとに押し寄せて、爆発した感情をぶつけるボストン市民。史実ではこのあと発砲が起きてしまうのですが、この場に立ち会ったコナーはどう対処する?

 アメリカの独立を主張する人々は、この事件を“ボストン虐殺事件”と名付けて声高に宣伝しました。規模的にはどうあれ、植民地の市民をイギリス本国の兵士が攻撃したことは、植民地の人々の感情を独立に向けて大きく動かすきっかけとなりました。

 ところで、この当時のイギリス軍兵士は、真っ赤な軍服を着ていました。今でもロンドンのバッキンガム宮殿を警備する近衛兵が着ているので、それを思い浮かべてもらえばよいでしょう。『アサシン クリードIII』でも、真っ赤な軍服で隊列を組んで行進しているので、ひときわ目を引く存在です。その目立つ色から、イギリス軍を嫌う人々からは“赤服=レッドコート”や、“エビ=ロブスター”などと呼ばれており、こうした悪口はゲーム中でも実際に聞くことができます。

『アサシン クリードIII』

→ボストン港がティーポットに! “ボストン茶会事件”(2ページ目)

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