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2012年11月22日(木)

『旧ファイナルファンタジーXIV』と『新生ファイナルファンタジーXIV』は似ていても何もかもが違う――αテストを経て吉田プロデューサーが語る

文:電撃オンライン

■『新生FFXIV』のストーリーラインは3本!

――“時代の終焉”という形で『旧FFXIV』のストーリーはひとまず幕を閉じました。『新生FFXIV』では物語はどう展開していくのでしょうか?

吉田:かつて第七霊災と呼ばれた悲劇がエオルゼアを襲い、衛星“ダラガブ”から蛮神バハムートが現れ、しかし何かしらのパワーによって、世界は新生された。そんな世界観でゲームが始まると思ってください。

●『ファイナルファンタジーXIV』時代の終焉トレーラー

 例えば『FFI』ならば、かつて光の4戦士が現れたという伝説がありましたよね。ああいう世界観設定が『旧XIV』のストーリーにもあります。ちなみにあのトレーラーには続きがありまして、それが『新生FFXIV』のオープニングになります。今回のトレーラーは、あくまで『旧XIV』プレイヤーへのストーリー完結として用意したものなので、説明は一切ありません。

 逆に『新生』ではあの映像にボイスやテキストが付いて、「かつて世界があって滅び、そして始まる……」という形でしっかり描かれます。よって、新規の方は無理にこの映像を理解しなくても大丈夫です。この世界に残された謎を追っていくのは、すべての新旧のプレイヤーでひとしく同じというわけです。ただし、『旧FFXIV』のプレイヤーさんはその物語を経験しているので、物語に対する理解度や抱く感情は違いますね。ただ、口ではそう言っていますが、はたして「そううまくつながるのかな?」と心配する方もいると思います。そこはこうご期待ということで(笑)。

――α版では第七霊災から5年後と語られますが、本当にこれが5年後なのかと驚きました。

吉田:そうですね。あの惨劇から5年でどうしてここまで復興しているのかなどは、ちゃんと答えがあります。トレーラーではプレイヤーの祈りが届かず、バハムートを再封印できなかったように見えますが、この後ルイゾワとバハムートに何があったのかが『新生FFXIV』でのメインの1つになります。

――メインの1つとなると、『新生FFXIV』ではいくつかのストーリーラインがあるのでしょうか?

吉田:『新生FFXIV』の物語は大きく3つのラインがあります。1つ目は、単純にエオルゼアを侵略しようとするガレマール帝国と、それに対抗しようとする3都市グランドカンパニーの戦い。

 2つ目は蛮神との戦いです。この世界にはいろいろな蛮族がいて、それぞれが崇める蛮神がいます。ただ、蛮神を現世に召喚する際には大量のエーテルを消費してしまうと。これは『FFVII』でいうところのライフストリームのようなものなので、消費すると星がダメージを受けてしまうんです。だから神降ろしは止めなければいけないと。

 実はこの蛮神に対する思惑は、ガレマール帝国とグランドカンパニーは微妙に近いんです。ガレマール帝国側も、蛮神を召喚しつ続けられると星が滅んでしまう。ですから、人間的な利権で戦っている部分を1つ目で描き、ハイデリンを守らなくてはいけないと戦っている部分を2つ目で描こうと思います。このガレマール帝国の思想は「我々は世界秩序のために戦っている!」という主張。ですが、3都市のグランドカンパニーからすると、帝国の力は借りないし、ハイデリンのためとかいいながら、帝国は3都市を支配しようとしているじゃないか!と。

――とてもわかりやすいです。

吉田:そして3つ目の物語が、第七霊災というものはなんだったのかを解き明かしていく形です。ルイゾワはどうなったのか、蛮神バハムートはどうなったのかなどですね。この3つの物語が、最初の拡張ディスクが出るまでのメインストーリーになります。

 ガレマール帝国との戦いと蛮神との戦いは、微妙にリンクしながらレベル50までにエンディングを迎えて、区切りを1回つけます。ただ、蛮神との戦いはエリアがエオルゼアだけでなく周辺まで広がるタイミング、例えばイシュガルドが増えたり、アラミゴの奪還作戦が始まったりすると、新たな蛮神のエピソードが増えると広がっていくというタイプですね。『FF』なのでそこは欠かせませんから。

 最後の第七霊災軸に関しては、『新生FFXIV』を連続小説と見立てた場合、第1話のファイナルエピソードという感じですね。“第七霊災完結編”的なイメージで、例えば 次の拡張ディスクでは“イシュガルドエピソード”が収録されるみたいな。時期が来れば“ガレマール帝国編”が増えたりとかですね。3本のメインストーリーの3つ目は、常に新エピソードが入るという考え方です。

――『旧FFXIV』をプレイしている人からすると、どこまで以前の物語を残すのかが気になります。

吉田:『新生FFXIV』のストーリーは、グランドカンパニーの物語がメインになります。そこに『旧FFXIV』のメインストーリーのキャラが絡んできたりする予定です。できるだけ以前の物語は残そうと思いましたが、結局は全部変えました。エッセンスは微妙に残ってはいますが(笑)。

――逆にそれはそれで、新鮮な気持ちで遊べるのでいいと思います(笑)。ちなみに、3つの物語の見どころはどんな部分になりますか?

吉田:1つ目の帝国との戦いは、ストレートに巨大な敵との戦いと仲間との出会いや別れを描く、いわゆる『FF』らしい王道の物語です。2つ目の蛮神は「世の中から戦争がなくならないのは、こういう理由だよね」という話ですね。ガレマール帝国も実はハイデリンの平和のために戦ってはいるが、欲望や価値観の観点が入ると善悪の境界が曖昧になってしまいます。

 3つ目の第七霊災は、「世界の再生って何?」という、少し複雑で考えさせられるテーマを色濃く描いていきます。先の2つの物語が終わった先に大迷宮バハムートのコンテンツがあり、ここをプレイしていくことで第七霊災の姿が見えてくるという流れです。人工衛星「ダラガブ」とは何だったのか、バハムートがなぜあそこに封印されていたのか、アラグ帝国とは何だったのかなど、気になるキーワードがたくさん出てきますよ。クリスタルタワーもここに絡んでくる予定です。そして、パッチが当たるたびに、新しいエピソードが追加されていきます。

――『旧FFXIV』は物語の軸がわかりにくかったのですが、『新生FFXIV』ではいかがですか?

吉田:そこの導線については、α版のクエストをプレイしていただけるとわかると思います。クエストは1つ終わるごとに次の目的が次々と発生して、目標がわかりやすい形になっていますよね。あれと同じ形で、ストーリーも順々につながっていくイメージです。ですから、迷われることはないと思いますよ。

――しかし、まさかの蛮神バハムートの出現に驚かされましたが、今回公開された「蛮神集結」のアートを描かれたのはどなたですか?

吉田:『旧FFXIV』のイフリートなどの蛮神を描いている長嶺裕幸ですね。彼は『FFXI』でも多くのモンスターを描いているんですよ。バハムートのデザインベースは吉田明彦が描いたものを、長嶺がブラッシュアップするという形で仕上げています。ただ、僕は「今回のバハムートはメカはなしで」という話をして、もっともオリジナルに近い形の生物で、かつ拘束されていたイメージを注文しました。

 どストレートに翼が巨大で、誰がみてもバハムートであり、『FF』でこの形が出たらバハムートだと言えるようにしてくれと。ダラガブから出てきたときに全員が「バハムートかよ!」と言えないとダメだと思いましたから(笑)。

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