2012年12月3日(月)
ネクソンが12月中に正式サービス開始を予定しているPC用オンラインS・RPG『聖剣ONLINE』。開発陣へのインタビューをお届けする。
『聖剣ONLINE』は、世界中の英雄たちが登場するオリジナルの世界で、人間と神族、そして魔族の対立を描いた、壮大なストーリーのMMORPG。マス目を移動して敵と戦うタクティカルバトルや、絵本を彷彿とさせる美麗なグラフィックなどが特徴だ。
電撃オンラインでは、正式サービス開始に先駆けて、開発会社Chinese Gamer International Corp.プロジェクトマネージャーの劉 哲魁氏と、同技術開発部エンジニアの黄 健庭氏にインタビューを実施。ゲームの開発秘話や正式サービスの内容をじっくり伺ってきた。
▲インタビューに応じてくれた劉氏(左)と黄氏(右)。※インタビュー中は敬称略。 |
※このインタビューはオープンベータテスト開始前に行ったものです。
※画面は開発中のため、実際の内容と異なる可能性があります。
■国際的な展開を視野に入れて有名な“英雄”を起用■
――最初に、『聖剣ONLINE』を制作することになった経緯から教えてください。
劉:弊社はこれまで、武侠や三国志を題材にしたゲームを製作してきました。ただ、武侠や三国志は国によっては受け入れられにくいと考え、国際市場へ出すのにふさわしい世界観のゲームを作りたいと思い、さまざまな英雄が登場する作品の制作に踏み切りました。
本作の登場人物は、歴史や神話、そして童話のキャラクターから選んでいますので、皆さんがよくご存じだと思います。登場させる英雄を選ぶ時は、知名度と背景設定の深さを重視しています。というのも、物語があるとクエストやイベントを作りやすくなるんですよ。
――ナイチンゲールなどの姿も見られますが、実在する人物を登場させようと思った理由はなんでしょうか?
劉:知名度で選んでいるのと、ナイチンゲールの場合は職業がナースなので、ヒーラーとして世界観にマッチすると思い、登場させることにしました。知名度があればどの英雄でもいいかというわけではなく、彼女のように世界観を壊さないかどうかも重要です。
ですので、世界観がそぐわない三国志の英雄たちは登場させていませんし、あまりに近代の人物を英雄として登場させることもありません。そういった理由から織田信長など日本の武将も候補から外れますが、日本神話のキャラクターであれば世界観に合うかもしれません。
――現時点で、英雄はどれくらい登場するのでしょうか?
黄:日本版では、100人くらい登場しますよ。台湾版では、すでに200人くらい登場していますので、日本版にもアップデートで追加していく予定です。
――英雄のデザインするにあたり、気をつけた点、こだわった点を教えてください。
劉:英雄を担当するイラストレーターは1人だけでしたので、デザイン面は彼のスキルやセンスに任せていましたね。完成した作品は、彼の力によるところが大きいです。ただ、キャラクター、モンスター、マップごとに、別々のイラストレーターを起用していたので、1つの世界観でまとまるよう統一感を出すことに気を使いました。
▲台湾で発売されている本作の画集。ひと目見ただけでは、別のイラストレーターが手がけているとは思えないほど雰囲気が統一されている。 |
――以前取材した時、キャラクターデザインを日本向けに変更したというお話をお聞きしました。具体的にどのような箇所を変更したか教えてください。
劉:イラストは、ネクソンからの提案を受け入れて修正しています。元のイラストは全体的に色味が暗かったんですが、それを明るくしたり、目の輝きを増しています。台湾にはそういった要望がなかったので、完全に日本人の好みにあわせて修正していますね。
――先ほどマップの話が少し出ましたが、本作は世界観のビジュアルも非常に美しいと思います。最初から、こういった方向性にしようと決めていたのでしょうか?
▲劉氏が太鼓判を押す獅子王のマップ。 |
劉:そうですね。世界観をうまく表現するために、チーム全体で話し合って方向性を決めました。それから美術チームに伝えて、あとは彼らに任せています。完成品を見ると、どれも想像以上の出来だったので、正しい判断だったと思いますね。
どのマップにも力を入れていますが、特にインスタンスダンジョン内の獅子王のマップは、『不思議の国のアリス』の世界をイメージしているので、ぜひ見てほしいです。あと、世界観のデザインは、童話の他に映画『ロード・オブ・ザ・リング』や、ゲームの『タクティクスオウガ』、『ファイナルファンタジータクティクス』なども少し参考にしています。
――それでは、ストーリーはどういった作品を参考にされたのでしょうか?
劉:いちばん参考にしたのは、『ロード・オブ・ザ・リング』ですね。もともと、人間と神族が争い、そこに魔族が共通の敵として出現する作品を作りたかったんですよ。精霊と人間が戦っていて、最後に魔王が出てくるという『ロード・オブ・ザ・リング』はとても参考になりました。
また、『ロード・オブ・ザ・リング』では指輪が物語のカギになるように、本作では“聖剣”を見つけ出そうとする冒険の様子が、メインストーリーに描かれます。
――タクティカルバトルに関して、このシステムを採用した理由を教えてください。
劉:そもそも私たちが、タクティカルバトルの開発に慣れていたという理由が大きかったです。(西洋ファンタジーという)作品テーマとも合いますし、これまでのノウハウを生かすというのが大前提にありました。
戦闘のセールスポイントは、ほぼすべてのモンスターを捕まえて仲間にできることです。モンスターを捕まえて、仲間にし、育成できるのは、本作の大きな魅力だと思います。
もちろん、タクティカルバトルは既存のオンラインゲーム(アクション系MMORPG)に慣れている人にはとっつきにくいかもしれません。そこで、そういったユーザーのために、本作ではAIシステムを導入します。事前にAIを設定しておけばオートで戦ってくれるので、この手のゲームに慣れていない人でも手軽にプレイできます。
▲やり応えは十分だが、逆に言えばかなり忙しい本作のタクティカルバトル。AIが導入されればさらに楽しく遊べそうだ。 |
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