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2012年12月13日(木)

『クライシス 3』は『1』と『2』のいいとこ取り! プロデューサーにビデオ通話で聞いてみた

文:megane

 現在、オーストラリア・シドニーで行われているエレクトロニック・アーツのプライベートイベント“EA Showcase Asia”から、『クライシス3』のインタビューをお届けする。

 本作は、ゲームエンジン“CryENGINE”で描かれたハイクオリティなビジュアルが特徴のFPS『クライシス』シリーズの最新作。今回の主人公になるのは、『クライシス2』で同作の主人公・アルカトラズに“ナノスーツ”を託して死亡したプロフェット。ナノスーツに取り込まれた兵器として復活したプロフェットが、クライネットとセフに対して復讐を繰り広げる。

 今回のインタビューは、日本のエレクトロニック・アーツのオフィスと、シドニーの会場を繋ぐビデオ通話にて行われた。インタビューには開発を担当したドイツ・クライテックのプロデューサー、Michael Elliot Readさんが出席した。

『クライシス 3』
▲プロデューサーのMichael Elliot Readさん。2012年4月より本作のプロデューサーを務める。FPSのチーム対戦マルチプレイおよびアクションRTSの熱狂的なファン。

――今作ではじめて『クライシス』シリーズに触れるプレイヤーに向けて、シリーズのコンセプトを教えてください。

Michaelさん(以下敬称略):基本コンセプトは、『クライシス1』と『クライシス2』のいいところを取り込んで作るということです。単なる世界設定としての継承だけではなく、ゲームプレイに至るまでいいと思う部分は取り込む。そうして新たな『クライシス』として継承していきます。

 2007年に最初の『クライシス』を発売した時から、『クライシス』シリーズはトリロジー(3部作)として作られていました。ですので、今作は『1』と『2』から続いているストーリーの完結編ということになります。

『クライシス 3』 『クライシス 3』

――近未来という舞台で、現実なものと非現実なものを融合されるには、何が重要だったかを教えてください。

Michael:一番大変だったのは、ゲーム内の世界の環境を作り上げることですね。今作では、『クライシス1』で再現していたジャングルと、『クライシス2』で再現していたニューヨークという2つの要素を1つに昇華したかったんです。もう1つ、今作では7 Wonders(セブンワンダーズ)というコンセプトのもとに、他のゲームでは見られないような7種類の環境を作っています。

『クライシス 3』

 この2つを実現するためにどうしたらいいか、というところに非常に注力しました。

――アルバート・ヒューズ監督のもと、セブンワンダーズの動画を作られていますが、その手ごたえはいかがでしょうか?

Michael:非常に興奮しているし、すごくうれしいです。続編というものはストーリ-が変わりますが、アートワークの部分でもいろいろと変化していきます。そういった部分をどうやって見せていくかとずっと考えていました。今回、ゲームとは違う媒体で、僕たちが見せたいものを伝えるということが実現できてうれしいですね。

『クライシス 3』 『クライシス 3』 『クライシス 3』

――動画の見どころを教えていただけますか?

Michael:そんなに長いビデオではないので、全部と言うのが率直なところですね(笑)。この動画は、『クライシス3』における環境デザインや世界設定といったものの全体を見るのに非常に適した動画だと思います。ですので、そこに注目して見て欲しいですね。

■クライシス3:The 7 Wonders EP 1 "堕ちた街" (海外版)

――今作のニューヨークは、地球外生命体である“ceph(セフ)”によって壊滅したとのことですが、前作からどのように変わっているのですか?

Michael:今作の設定は、前作でセフを倒した後の話となっています。そこから軍事組織の“C.E.L.L(セル)”が侵攻してきて、セフから守るという名目でニューヨークにドームを建てました。しかし、このドームを建てたのにはもう1つの理由があります。ドームのあたりに世界を席巻できるほどのエネルギーソースがありまして、それを独占しようとしているのがセルです。

『クライシス 3』 『クライシス 3』

 人物では、本作の主人公であるプロフェットとシリーズに登場したサイクス(通称サイコ)という2人のキャラクターがいます。今作では、サイコはセルを倒すべく活動している反乱軍に属していて、サイコが監禁状態にあったプロフェットを救い出したという状況です。

 世界の環境が変わっているのは、今作を遊んでもらえればすぐにわかると思います。ニューヨークという舞台に対して、どのように変わるかを想像力を駆使して「植物はどう変化しているのか」、「ここには川が出現しているはず」といったように、自然を表現しています。

――答えられたらでよいのですが、ちなみに今作のプロフェットは、前と同じプロフェットなのでしょうか?

Michael:答えはイエスですね。ただし、プロフェットというのが1人という意味ではイエスです。ストーリーをバラさないように言うのであれば、1人の人物について何をもって定義するのか、という部分になります。魂が同じであれば同じ人になるのか、身体が同じであれば同じ人なのか……。

 『2』のストーリーを振り返ってもらうと、いろいろなところにヒントが隠されています。今作は、『2』から20年経っていることを考えると見えてくるものがあるかもしれません。

――今作のマルチプレイについて教えてください。現在公開されている“Crash Site”と“Hunter”以外にはどのようなものがありますか?

Michael:“Crash Site“と“Hunter”以外のマルチプレイモードについては、もちろん用意しています。ゲームモードにはスタンダードなモードとして、チームデスマッチとデスマッチがあります。その他については続報をお待ちください。

『クライシス 3』

 また、マップについては、シングルプレイからマルチ用に取り出したマップと、新しく作ったマップで12マップを用意しています。

『クライシス 3』 『クライシス 3』

――それでは最後に読者へのメッセージをお願いいたします。

Michael:『クライシス』シリーズを今作から始める人に対しては、これまでのゲームと比べて、シングルもマルチプレイも、とても遊びやすい作りになっています。自由に動き回れるゲームですので、どちらも「こういうふうにしなければいけない」というのがないのです。これまでシリーズをプレイしていなかった人にもぜひプレイしていただければと思います。

 シリーズを遊んできた人に対しても、損はさせないと自負しています。『1』と『2』のいいところを取り込んだ上で、皆さんの意見も取り込んで作っています。グラフィックの進化だけではなく、ストーリーやゲームプレイについても、非常にユニークな進化を遂げています。

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データ

▼『クライシス3』
■メーカー:エレクトロニック・アーツ
■対応機種:PC
■ジャンル:ACT
■発売日:2013年3月7日
■希望小売価格:7,665円(税込)

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