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2013年3月7日(木)

新たな試みが形になった『ソウルクレイドル』! 移植や外部制作にもチャレンジした2005~2007年をプレイバック【電撃日本一】

文:電撃オンライン

 この“新川社長インタビュー”は、日本一ソフトウェアの設立20周年を記念する特設ページ“電撃日本一ソフトウェア”の連載コーナー。2013年の7月までの長期間にわたって、社長である新川宗平氏にさまざまな話をお聞きしていく。

 第15回目となる今回は、2005~2007年の思い出話を新川社長にお聞きした。この時期はちょうど、日本一ソフトウェアのPCゲームからの移植事業や外部スタジオでの制作事業が開始された時期となっている。

■日本一ソフトウェア移植事業の裏話とは?

“電撃日本一ソフトウェア”
▲日本一ソフトウェア代表取締役社長の新川宗平さん。

――2005年から2007年のタイトルの思い出話を教えてください。

新川:PCのゲームをコンシューマに移植して販売するというプロジェクトを開始した時期ですね。これも2ライン目の模索ということで始まった試みで、PS2用の『永遠のアセリア ~この大地の果てで~』『蒼い海のトリスティア ~ナノカ・フランカ発明工房記~』『羅刹 -Alternative-』といったタイトルがそれに当たります。

 これらは販売本数的に悪くないものもあったんですが、日本一ソフトウェアはゲームを販売するより、ゼロから制作するのが得意な会社だなと感じましたね。我々は好き放題作る傾向があるんですが、もともとの権利者がいるタイトルは自由にいじれないですからね(苦笑)。

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▲パブリッシャーとしての第1弾タイトル『永遠のアセリア ~この大地の果てで~』。北角前社長とザウスの社長とのトップ会談によって制作が実現したという。

――この時期は『流行り神 警視庁怪異事件ファイル』の移植もされていましたよね。

新川:そうですね。『流行り神』は貴重な2ライン目だと思っていますし、私を含めて制作スタッフの思い入れも強いタイトルなので、もう少し広めたくて『流行り神 Revenge 警視庁怪異事件ファイル』や『流行り神 PORTABLE 警視庁怪異事件ファイル』といった移植版を発売しました。

――その後PS2用の『魔界戦記ディスガイア2』を経て、『ファントム・ブレイブ 2周目はじめました。 PlayStation the Best』や『魔界戦記ディスガイア PORTABLE』といった移植版、廉価版が販売されました。

新川:この時期はPSPやDSといった携帯ゲーム機の販売が伸びてきたんです。日本一ソフトウェアではお客様のニーズに合わせていくことを意識しているので、ハードの変化には常に目を光らせています。時代に合わせてライフスタイルは変化していきますからね。2006年当時から現在までだと、自宅でじっくり据え置き機というよりも電車での通勤・通学の合間にプレイというのが好まれていますね。そういう経緯で、実績のあるタイトルを投入しようという話になり、PSP用の『魔界戦記ディスガイア』で勝負に出ました。

――日本一ソフトウェアのやり込みゲームとPSPの相性のよさは抜群でした。

新川:据え置き機との違いとして、途中で中断できることが大きかったです。我々としても、実際にプレイしてあまりの遊びやすさにビックリしたほどです。「これはいける!」とすぐに直感しましたね。

――次に販売されたのが『SOUL CRADLE (ソウルクレイドル) 世界を喰らう者』ですね。

新川:このタイトルは、私が主力からほぼ離れた状態で制作が行われた初のタイトルです。これまでグラフィックのトップとして『ディスガイア』シリーズにかかわってきた池田真一がディレクター、『魔界戦記ディスガイア2』でメインプログラマーを務めた山本雅博がゲームデザイン兼メインプログラマーという組み合わせで制作が行われました。

 かなり苦労しましたが、これまでのタイトルとはテイストが違うものが生み出せたと思っています。このタイトルが一番好きだと言ってくださるお客様も多いですし、ある程度メインで活躍しているスタッフには、日本一ソフトウェアのカラーがしっかり根づいているんだと実感しました。

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▲日本一ソフトウェアならではのS・RPG要素を取り入れつつ、独自のシステム、ストーリーが光る『SOUL CRADLE (ソウルクレイドル) 世界を喰らう者』。日本一ソフトウェアのカラーを社員一同が理解していることが見て取れるタイトルだと新川社長が語る。

――『SOUL CRADLE (ソウルクレイドル) 世界を喰らう者』の後は外部制作が続きますね。

新川:『雨格子の館』『グリムグリモア』『ドラグナーズアリア 竜が眠るまで』『トリノホシ ~Aerial Planet~』ですね。これまでずっと2ライン目を模索して社内制作でやってきたんですが、結局2ライン目といえるタイトルは『流行り神』くらいなんです。これは社内制作だけでは難しいのかなという考えに至り、ならば社外の力を借りようということで、外部制作プロジェクトがスタートしました。このプロジェクトは、企画を外部から持ち込んでもらって、よさそうなものを制作してもらい、我々が販売していくという方式です。

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▲コンシューマ向けの持ち込み企画第1弾『雨格子の館』。企画を考案したフォグと、日本一ソフトウェアの子会社であるシステムプリズマの2社合同で制作がスタートしたタイトル。

 評価はタイトルによってさまざまですが、上で挙げた外部制作のラインナップの中では『雨格子の館』が人気で、多くのお客様に喜んでいただけました。『グリムグリモア』も、ヴァニラウェアさんの企画・開発ということもあって、ある程度評価をしていただけました。『ドラグナーズアリア 竜が眠るまで』は、雰囲気やパッケージのイラスト、ビジュアルなどから期待させるものがあったんですが、その期待に応えられるだけのパワーが残念ながらなくて、販売本数のわりにお客様からお叱りを受けることも多いタイトルでしたね。『トリノホシ ~Aerial Planet~』は評価は高かったんですが、売れた本数が厳しかったという結果でしょうか。

 このように良し悪しはあったわけですが、次につながる形にできたという状態です。これが外部制作で一番よかった時代ですね(苦笑)。


【次回のインタビューは3月21日掲載予定】

電撃日本一ソフトウェア

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