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2013年4月18日(木)

『ラストリベリオン』は本当にごめんなさい! 社長が明かす、苦難期から学んだその後への戒めとは?【電撃日本一】

文:電撃オンライン

 この“新川社長インタビュー”は、 日本一ソフトウェアの設立20周年を記念する特設ページ“電撃日本一ソフトウェア”の連載コーナー。社長である新川宗平氏にさまざまな話をお聞きしながら、これまでの長い道のりを振り返っていく。

 第18回目となる今回は、日本一ソフトウェア苦難の時期といわれる2009年をどう乗り切ったのかを、新川社長にお聞きした。

■どんなハードのソフト制作にもトライしたい! 失敗を恐れずに新たな挑戦を

“電撃日本一ソフトウェア”
▲日本一ソフトウェア代表取締役社長の新川宗平さん。

――日本一ソフトウェアは、実にさまざまなハードでソフト制作を行っていますね。モバイル関係もiモードの時代から事業展開されていますし。

新川:新技術、新ハードが登場した時、僕たちの技術力では作れないという状態にはしたくないんです。DSで苦しい思いをしたので、市場の様子や我々のタイトルとマッチングするかを見極めながらにはなりますが、少なくとも「このハードで我々はこんな感じでやりますよ」とユーザーの皆さんにお伝えするという意味でも、どんなハードでも1本はソフトを出していきたいです。

――2009年からは外部制作のソフト発売も数多く手がけられていますね。

新川:まさに、その外部のラインが問題なんですよね。ほとんどのタイトルで赤字を出してしまった状態ですね。2009年以降に発売された外部制作ソフトの中には、かなり前から企画自体が走っちゃっていたものも多いですし……。2009年発売の『ウィッチテイル 見習い魔女と7人の姫』や、2010年発売の『ラストリベリオン』は、企画自体ほぼ2年前からあったものです。

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▲2009年5月28日に発売されたDS用RPG『ウィッチテイル 見習い魔女と7人の姫』。かつて世界を恐怖に陥れた古書の魔女の封印を解いてしまった見習い魔女のリデルが、古書の魔女を再び封印するために奮闘する。

――たった1年で、企画の走り始めから発売まで持っていくのは大変だと思います。

新川:このあたりで「ヤバイ!」と感じて、品質の規格承認システムを整備し直したり、レビューの点数を並べて品質のウォッチをしたりといったことを始めました。外部制作は限られた予算と時間で、どこまで品質や内容を高められるかが勝負だと思うんですが、我々がここまではやらなくちゃならないという品質や内容、サービスのボーダーラインとズレが生じていて、2010年3月の『絶対ヒーロー改造計画』が出るくらいまでの間は、かなり苦難の時期でしたね。このタイミングで一気に日本一ソフトウェアのブランドイメージを悪くしてしまったと私も認識していて、実際に業績も相当ダウンしています。

 2009年からはかなりの赤字を出しているんですが、この赤字は、制作が行われているものの品質や内容が届かないタイトルを開発中止にするといった過程で出たものだったりします。ですから、実際には発売されたソフトのほかにも、世に出なかったものがいくつかあったりするんです。

 今はそうした整理がようやく終わり、大反省したという状態ですね。ピークの時は社外制作のラインが8割で、社内制作のラインが2割といった感じだったんですが、社内のラインの強化に全力を注いで、現在は制作のラインがほぼ逆転しています。

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▲2010年1月28日に発売されたPS3用RPG『ラストリベリオン』。二心同体となった2人の主人公・ナインとアイシャを切り替えてプレイしていくスタイルが話題となったが、ユーザーからはゲームシステムに対して厳しい声も。

――いろいろな会社がかかわる中で、逆に混乱を招いてしまう部分があるんですね。

新川:結果として、社内のラインを増やすことができたので必要な痛みではあったんですが、経験したくはなかったですね。何より、そういったソフトを買ってくださったお客様には感謝の気持ちと共に、申し訳ない気持ちでいっぱいです。

 我々がこれから成していくことは、ひたすらいいものを作って、信頼回復に務めることだと思っています。日本一ソフトウェアの20周年事業は、我々を今一度見直していただくチャンスだと思っています。


【次回のインタビューは5月2日掲載予定】

電撃日本一ソフトウェア

(C)2009 NIPPON ICHI SOFTWARE INC./HITMAKER,INC.
(C)2010 NIPPON ICHI SOFTWARE INC./HITMAKER,INC.

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