【電撃PlayStation】SCEが贈る話題作『rain』の制作キーマンにインタビュー！ 思わず少年を応援したくなる最新プレイ動画も公開

文：電撃PlayStation

――少年や少女にセリフなどは見られませんが、コミュニケーションはどう描かれるのでしょうか。

池田：『rain』では、少年の状況や彼がいる空間の映像から、プレイヤーが素直に感じ取れることだけを展開させていきます。ですから、プレイヤーが驚いたから少年も驚いているんだろうなと、思っていただけたら幸いですね。

――すごく幻想的な世界観ですが、舞台設定などのイメージはあるのでしょうか？

池田：特定の街や時代、少年の名前などは言わないようにしています。ご覧になっていただけると、どこかのヨーロッパの小さな町だろうということまで伝わるかと。制作陣のなかでは、ある程度場所や時代を決めていますが、設定などはプレイヤーに想像していただければと思っています。

▲石造りの建物や街灯からは、ヨーロッパのような街並みをイメージさせる。ビジュアルでは夜の光景がほとんどだが……。

――シーンによって少年がうつむいて歩いていたり、同じ歩く姿も変化しているようです。

池田：少年のモーションはシーンごとに作っていて、さびしい場所を歩くときなどは音楽と合わせたりといった形で作っています。不安でさびしい感情をプレイヤーに抱いてもらうため、一気にカメラを引いて少年を小さく写すなど、カメラワークにも気を使っています。

――映像以外では、雨音はもちろん、音楽も印象的です。見えないぶん、音の要素も重要に感じられます。

池田：そうですね。足音1つとっても、カメラが引いたときと寄ったときでは聞こえる印象がまったく違う。場面ごとに1つ1つ設定していく作業が大変です（笑）。

鈴田：まず、ゲーム的に状況を把握するヒントの1つとして音がありますからね。そして感情を盛り上げるための手段として、音楽は非常に有効なんです。

――デモプレイでは、雨の降っていない場所で姿が見えなくなった少年をスイスイと動かされていました。

池田：テストプレイの段階では操作が困難という話は出ていませんが、動いている場面を見た人がどう思うかは正直ビビッています（笑）。少年の姿が見えない場所では、敵があまり出現しないようバランスを取っています。ゲームを投げ出すほどではありません。

▲雨の届かない、屋根の下やトンネル内では、少年の姿が消えてしまう。そのため足跡や、少年と接触したオブジェクトの動きを見て、位置関係を把握することになりそう。また、少年の姿が消えた状態になると、怪物のほうも彼を見失ってしまうようだ。

――この町ではいつも雨が降っているのですか？

鈴田：雨の町という設定です。屋外は基本的に雨が降っていると。

――正体不明の怪物が登場しますが、少年と少女は彼らに対して抵抗をできるのでしょうか？

池田：剣を振るといったアクションはなく、歩く、走る、ジャンプするといった行動が基本動作になります。ですが、基本動作によって隠れたり、姿をさらして敵を誘導するといったアクションが取れます。また、音を出すギミックを作動させるなどして、困難を打破していけるようにしています。

――これらの怪物は、いったいどんな存在なんでしょうか？

池田：かなり謎の存在ですが、それはゲームを進めていくうえで明らかになってきますよ（笑）。

――池田さんは“PlayStation C.A.M.P！”の頃からこのアイデアをあたためていたのですか？

鈴田：“PlayStation C.A.M.P！”には、いくつかのチームがありまして、そのうちの1つが池田チームでした。その池田チームがひねり出した珠玉のアイディアこそが本作なんです。僕をはじめ、SCEとしても「これはやるしかないゲームだ」と感じて、制作がスタートしました。

池田：すでにデザイナー、プランナー、アクワイアさんなど、制作チームが総力をあげて作っていますよ。

――“PlayStation C.A.M.P！”発のゲームというと『TOKYO JUNGLE』などがありますが、何か通じるものを感じることはありますか？

池田：サバイバルですかね（笑）。『TOKYO JUNGLE』だけでなく『箱！ -OPEN ME-』もそうですが“PlayStation C.A.M.P！”出身だと、新しいものを作ろうという気概が強いと思っています。ですからおたがい刺激になりますし、作っていて楽しいですよ。

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関連サイト

• 『rain』公式サイト