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2013年4月27日(土)

『ソンソン』『エグゼドエグゼス』『1942』をレビュー! 30年前の記憶を呼び覚ます『カプコン アーケード キャビネット』複数人レビュー第2弾

文:meganeチョロ松野村一真

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■『ソンソン』といえば、あの軽快なBGM。人は聴覚でも思い出を記憶する

「テテテテテーテ テーテテテー♪ テッテテ テッテテ……」

 30歳以上のオールドゲーマーの皆さん、覚えていませんか? ステージスタート直後に流れる「テテテテテーテ テーテテテー♪」のフレーズと、そのあとに「テッテテ テッテテ……」フレーズからスタートする、ループタイプの軽快なステージBGMを。

『カプコン アーケード キャビネット』

 私が子どものころ、大阪府豊中市・千里中央のショッピングモールには、おもちゃ屋やプラモデル屋があり(もちろんゲーセンも)、その周辺のお店の入口付近にアーケードゲームのアップライト(立ち)筐体が多数ありました。各筐体からは、そのゲームのBGMが大ボリュームで放出され、これら筐体が設置されているショッピングモールの一角には、ゲームのBGMがゲーセンのごとくこだましているという、幸せな空間が広がっていました。そして、この空間を親子や夫婦などの一般客が通行し、買い物もしているという、いわゆる昔は見かけたけど、今ではほとんど見かけなくなったあの光景。

 私がその空間について強烈に記憶しているのは、『バーガータイム』の「テテテテテテテテテッテッテッテッ♪」というビープ音的な独特のフレーズと、上記『ソンソン』のコミカルでリズミカルなBGM。もちろん、ゲーム性のほか、なけなしの小遣いを使ってプレイした記憶、コワイお兄さんにカツアゲされた記憶も残っています。小学生はゲーセンに行っちゃいけない的な学校側の指導もあったな。

 でも、『ソンソン』に関しては、それ以上に耳から入ってきたBGMの記憶が鮮明なのです。人は聴覚によっても思い出を記憶するんだな……そんなことを思ったわけでして。

『カプコン アーケード キャビネット』 『カプコン アーケード キャビネット』

 そんな『ソンソン』は、2人同時プレイが可能な横スクロール型STGで、1984年に稼働を開始したアーケードゲームです。ファミコン版は処理が追いついておらず、スクロールなどがスムーズではなかったと記憶していますが、これは当時、アーケードゲームのほうが圧倒的にスペックが高かったことが関係しているため、ごく普通のことだったと思います。

 さて、『カプコン アーケード キャビネット』第5弾に収録されている『ソンソン』を、30年ぶりにぐらいに実際に遊んでみました。約30年ぶりの最初の感想は「こりゃ、難しい」。いや~、昔のゲームはなんと難しいことか。最終目的地(最終面)である天竺にたどりつくどころか、最初の面で数機がやられてしまうという体たらく。

『カプコン アーケード キャビネット』 『カプコン アーケード キャビネット』

 1人プレイだとマジでキツイ……ということで、編集部の同年代ゲーマー・そみんを召喚し、残機数を7に変更して2人プレイで進めてみたところ、なんとか1周はクリアできました。最終面・天竺のボーナスステージのようなところで仏様の手の上にある巻物(?)をゲットしてエンディングを迎えた時、あっ、そんな最後だったよな、という記憶もよみがえり、その後2周目へと突入。もちろん、昔のゲームは何周も続くゲームデザインが大半だったよな~と思い出しつつ。

 順序は逆になりますが、クリアしたあとにゲーム内マニュアルを見てみたところ、当時は知らなかった敵の名前やシステム的なことが記載されていて、個人的にちょっと驚いたので、ここで一部ピックアップしたいと思います。また、ゲームをプレイしていて「へー」と思ったことも適当に混ぜ込んでみました。

●2人プレイ時、アーケード版のスコアは2人で共通
 1P側、2P側でスコアが分かれているのではなく、共通でスコアが加算されていく仕組み。ちなみに、スコアによって残機数が増えます。

●スモールフーズを6つ取ると、1000点以上のジャンボフーズが出現
 スモールフーズを取ることのメリットがわかっていなかったんだけど、約30年経って初めて理解できました。

●タケノコ、弥七
 いわゆるソル的なものとスペシャルフラッグ的なものだよな~と再認識。

●兵馬俑(ヘイバヨウ)
 最初に出てくる石地蔵みたいな銀色(灰色)の敵の名前。そんな名前だったんだと、新鮮な驚き。

●スピンスカル
 特定の場所に複数で出現し、5発撃ち込まないと破壊できない敵。バキュラ的な壊せる敵だな~と思いました。

●青トンボ、蜂
 後半の面になると、青トンボや蜂が出現し、さらに他の敵もあわせて出現するという状況が発生。複数種類の敵が混在する状況において、青トンボの円を描く動きと蜂の曲線かつ追尾的な動きが相当ツライということを約30年ぶりに思い出しました。

 最後に、2人プレイ時に2P側のトントンでプレイした編集部員・そみんの発言で締めたいと思います。(野村一真)

そみん「子どものころ、友だちの家でファミコン版を結構プレイしていたんですが、一度たりとも1P側のソンソンでプレイさせてもらえなかったんですよ。で、この歳になって、久しぶりに『ソンソン』をプレイしたわけですが、今回は野村さんが1P側のソンソンを使っちゃう。結局僕は、豚でしかプレイさせてもらえないんですね」

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