PS Vita『神咒神威神楽 曙之光』をレビュー！ 追加シナリオの感想やオールクリア後の評価を掲載【春のレビュー祭り】

文：ごえモン

■もう1つの主人公チームと言えるほど敵キャラクターに魅力あり

　これも『Dies irae』と同じことが言えますが、敵キャラクターが本当に魅力的！　前作が好きであればあるほど魅力的に映りますし、そうではなくてもどんどん敵側に感情移入させられます。そのため、彼らを倒してしまっていいものか、プレイヤーは葛藤するでしょう。そして倒した後は、どこか切なさを覚えると思います。

　その切なさを加速させるのが、敵が使う主人公たち＆プレイヤーには理解できない言語です。敵は普段こそプレイヤーの理解できる言語を使ってくるのですが、大事な場面では音声にエフェクトがかかって何を言っているのかわからなくなります。PC版は2周目でこのエフェクトが外れるようになっていて、2周目では涙腺崩壊必至のやり取りが描かれるんです。

▲『ニーア ゲシュタルト』の影響もあったという“敵が何を言っているのかわからない描写”。『Dies irae』も含めて物語をひと通り知った状態で聞くと……泣きます。

　ちなみに、今回のPS Vita版では、最初に選ぶ選択肢によって、この音声エフェクトを1周目から取り除くことができます。ただ、前述した通り隠された部分には重要な発言が非常に多いので、本作で初めて“座”シリーズに触れるという人には、エフェクトをONにした状態でのプレイを強く推奨したいです。

▲本作の裏の主人公とも言える夜刀様のボイスと生き様に酔いしれましょう！		▲ちなみに、主人公側だと個人的には宗次郎と紫織が好き。“殺し愛神楽”と紫織のおっぱいは最高です！

■PSP版『Dies irae』の悪かった部分を改修！　ほぼストレスなしのシステムへ

　システム部分に間してはほぼ問題ありませんでした！　PSP版『Dies irae』にあったセーブ＆ロード時の重さやロード時間の問題はほぼ改修され、ストレスなく物語を楽しむことができます。また、ハードがPS Vitaとなったことで、タッチ操作が使えるようになったのが非常にうれしかったです。バックログ時のテキストをドラッグで遡ったり、音声や音楽などの音量をドラッグで変えたりと、PCに近い感覚でラクに操作できました。

▲地味ですが、十字ボタンの右と下で文章を送ることができるのもうれしかったです。片手でプレイできるって大事。

　また、本作にとって非常に重要な要素が、縦書きで表示される文章の読みやすさでしょう。こちらもまったく問題なし！　PS Vitaならではの画面のキレイさや解像度の高さのおかげで、読みづらいと感じることは一度もありませんでした。ただ、テキストが多い時は4行で表示されるので、ちょっと情報量が多い気がしました。まあ、これは原作通りの仕様ではありますが。

　その他、4つの通常ルートのうち1つでもクリアすれば、“場面飛ばし機能（シーンスキップ）”が使えるようになります。本作は4つのルートをクリアしなければグランドエンディングに辿りつけないため、どうしても周回プレイが必要になりますが、この機能のおかげで非常にラクにルートを回収することができました。

▲“場面飛ばし機能”のおかげで、すんなり違うルートや未読シーンに入れるのがうれしい。ただ、オートスキップ機能に関しては、PCのゲームになれていると少しゆっくり目だと感じました。

→『神咒神威神楽』ファンに向けて追加シナリオ5章の感想と画像をお届け

(C)2013 light

データ

関連サイト

• 『神咒神威神楽 曙之光』公式サイト
• 電撃オンライン内『神咒神威神楽 曙之光』特集ページ
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