News

2013年6月12日(水)

『グランツーリスモ6』山内一典さんインタビュー! 再構築した『GT6』のポテンシャルの高さを生かす調整をこれからしていく【E3 2013】

文:電撃オンライン

前へ 1 2 3

■山内さんから見た、新ハードであるPS4の印象

『グランツーリスモ6』

――PS4の価格などが発表されましたが、PS4での開発も視野に入れていますか?

 このタイミングで「PS4のことはまったく考えていません」と言うのも変な話じゃないですか(笑)。まずは本作を待ってくださっているユーザーさんが多いPS3でリリースするんですけど、それがリリースされて、オンラインでのアップデートを重ねて、タイトルを成長させていき、プレイヤーが「そろそろ全部遊び尽くしたかな」と思うようなころに、PS4バージョンも自然と現れるんじゃないかなと思っています。ですから、待たせすぎることもないし、早すぎることもないと思います。

――PS4というハードに対する印象は?

 以前にPS4の紹介映像に出演した際にも話したんですけど、基本的にはニュートラルでよいマシンだと思っています。よくも悪くもバランスが取れていて、クセがないハードという印象です。だから、あとはソフト側次第でしょうね。

『グランツーリスモ6』 『グランツーリスモ6』

――先日、SCEワールドワイドスタジオのプレジデントの吉田修平さんにお話を伺った際、DUALSHOCK4の使用感は開発者にヒアリングして調整を行い、特にコントローラ上部のL2やR2ボタンを押し込む感覚や指触りは、『グランツーリスモ』チームのこだわりを参考にしたと聞きました。

 ああ、間違って押さないようにということですね。コントローラに対するこだわりには理由が2つありまして、1つはDUALSHOCK4を机などに置いた時に、トリガーが間違って入力されてしまうことを避けるためです。それが第一なんですけど、もう1つの理由として、ストロークした際に正確な値を出してほしいと思ったんです。

 そんなに特別な意見ではないと思いますが、我々ポリフォニーのチームにはコントローラオタクが多いので(笑)、気になった部分をお伝えしただけの話です。

――高性能の新ハードが発表されることで、やりたいことや目指す部分が変わることはありますか?

 それはつねにあります。やっぱりハードウェアというのはセクシーなんですよね、僕らにとっては。この新性能を使って何ができるかというのは、パッとイメージできるわけですから。

 以前に比べると、性能が一気に100倍近くも上がるといったステップ幅は小さくなりましたが、だからこそ、僕らはそうじゃない方向で新しい魅力を考えないといけません。いい意味で僕は、ビデオゲームは成熟してきたと思っています。

■『グランツーリスモ』、そして山内さんの目指すリアルとバーチャルの関係

――山内さんは車に関するゲームを作り続けている印象がありますが、そのモチベーションはどこにあるのでしょうか。

 それは不思議なんですけど、飽きたことはないですね。それに、仕事をしていてつらいと思ったことも、あまりありません。『グランツーリスモ1』の開発を始めた時点までさかのぼると、もう20年近く同じチームで仕事をしています。人は増えていますけど、ほとんど同じメンバーでファミリーとして作り続けています。広いゲーム業界の中でも、なかなか珍しい例だと思います。

 こういう家族的な結束力というのも、迷いなく前に進める1つの理由かもしれませんね。

――1本のゲームを作り終えると達成感があると思いますが、そこですぐに“次”を考えられるものでしょうか?

 ある意味、「ここが足りない。あそこが足りない」という思いがありつつ、リリースがされていきます。リリースした後も、「こうしてあげたい」という気持ちが出てきて、これは尽きることがないですよね。

 僕自身は、高い理想を持ってそこに向かっているというよりは、目の前に現れたさまざまな人、それはユーザーさんや会社さんなどさまざまですが、そういった方々を幸せにしたいんですよね。それをひたすら続けているという印象ですね。これは意外と最近気づいたことなんですけど(笑)。

 例えば今回、E3の会場で遊ぶ際、トップスクリーンからレースが始まるまでの間はどこも画面が止まらず、完全にシームレスな形でレースが始まります。これはロード時間を短縮して、うまく隠す形で対応しているんですけど、これは『グランツーリスモ5』を遊んだ方からの声を意識しました。ロード時間が長いという声は、たくさんいただいたので。だからこういう部分をコツコツ改良していくだけでも、どんどん人生が過ぎていくといいますか(笑)。

 これは別に僕だけの努力ではなく、チームメンバー全員の努力による結果だと思います。

『グランツーリスモ6』 『グランツーリスモ6』

――『グランツーリスモ』シリーズは、リアルとバーチャルの融合を目指している部分があるかと思いますが、今の時点で目標としていること、やりたいことはなんですか?

 なかなか難しい質問ですね。『グランツーリスモ6』のテーマとして、僕らは“リアルとバーチャルのエッジエフェクト・アクティビティ(境界線で起こる出来事や反応のこと)”と呼んでいるんですけど、バーチャルなものをリアルに近付けていくだけじゃなくて、僕らが逆にリアルに影響を与えてリアルのほうを変えていくようなことも、やりたいとは思っています。

 先月はアナウンスイベントをやり、今月はE3に出展しました。今後も東京ゲームショウなど、ローンチするまでに何度か皆さんとお話をする機会があると思うんですけど、リアルとバーチャルの境界で起きるちょっとおもしろい活動というのを、徐々にお見せできるかなと思っています。

 ええと、もうちょっと待っていてください(笑)。そうすると、もっといろいろなお話ができると思います。

 なんにせよ、リアルを追いかけるということではないんですよ。僕らはリアルなところから刺激を受けて、それをそのまま表現できると同時に、僕らのほうから“リアルな概念”を差し出すこともできると思っています。これが重なり合ってきた時に、どんなおもしろいことが起きるのかと考えています。

『グランツーリスモ6』

【E3 2013緊急アンケート】

 電撃オンラインでは、“E3 2013”に関する緊急アンケートを実施しています。アンケートにお答えいただいた方の中から抽選で、電撃オンライン×電撃PlayStation ゲーム詰め合わせ福袋を3名にプレゼント! 投稿の締め切りは6月16日(日)の23:59です。奮ってご参加ください。

【アンケートはこちら】

(C)2013 Sony Computer Entertainment Inc. Manufacturers, cars, names, brands and associated imagery
feature in this game in some cases include trademarks and/or copyrighted materials of their respective owners.
All rights reserved. Any depiction or recreation of real world locations, entities, businesses, or organizations
is not intended to be or imply any sponsorship or endorsement of this game by such party or parties.

Produced under license of Ferrari Spa.
FERRARI, the PRANCING HORSE device, all associated logos and distinctive
designs are trademarks of Ferrari Spa.
The body designs of the Ferrari cars are protected as Ferrari property
under design, trademark and trade dress regulations.

データ

関連サイト

前へ 1 2 3