2013年7月8日(月)
まずは神話レアから《テューンの大天使》。
5マナでパワー3と一見地味ですが、ライフを得るたびに自軍のクリーチャーすべてを強化する能力を持っています。《未練ある魂》のような、複数のクリーチャー・トークンを生み出すカードと相性がいいでしょう。このカード自身が“絆魂”を持つため、攻撃やブロックを行うだけでどんどん自軍を強化できます。一度強化してしまえば、このクリーチャーが戦場を離れても強化が残り続けるのもうれしいところですね。
もちろん、他のライフを獲得できる手段と組み合わせるのも有効です。特に《熾天使の聖域》は《テューンの大天使》を出した瞬間にライフを得て全体強化がおこなえるので、ベスト・パートナーと言えそうです。《テューンの大天使》自身もその効果でタフネスが5に上がるので《ミジウムの迫撃砲》のようなカードに除去されなくなるのもポイントです。もし2枚以上《熾天使の聖域》をセットしておければ、複数回能力が誘発するので、たとえすぐ《テューンの大天使》を除去されてしまっても、強化されたクリーチャーで相手を圧倒できるのではないでしょうか。
▲強化の能力を活用するためにも、クリーチャーが横に並ぶデッキで運用するのがいいでしょう。《熾天使の聖域》は土地なので、天使を出すまでの展開を阻害しないのがいいですね。 |
続いて、レアのクリーチャーを3枚紹介しましょう。まずは《アジャニに選ばれし者》です。
4マナで3/3と平均的なサイズを持ち、エンチャント呪文を唱えるたびに2/2の猫・クリーチャー・トークンを生み出すことができます。先に紹介したように『M14』はエンチャント推しのセットのようですが、これもその1枚ね。
軽いエンチャント呪文と言えば相方は《怨恨》で決まりでしょう。《アジャニに選ばれし者》は出したトークンにオーラを移すことができるので《怨恨》を唱えてトークンを出し、それに《怨恨》を移せば4/2“トランプル”クリーチャーの完成です。トークンが破壊されても《怨恨》は手札に戻るので、また唱えればトークンが出ます。ちょっとお手軽すぎるんじゃないの? なんて言いたくなるわよね。
他にも《無形の美徳》なら3/3“警戒”トークン、《兵士の育成》ならトークンを出しつつそれを“居住”でコピーして戦力をさらに増強と、さまざまなカードとのコンボが考えられる、とても楽しそうなカードね。
▲エンチャントとならばなんでもプチ・コンボになるので、これを機にエンチャントを一度見直してみるのもよさそうです。大量のオーラを使う“呪禁バント”デッキなどにも採用できるかもしれません。 |
さてさて、次に紹介するのは《鬼斬の聖騎士》よ。
3マナ2/2のボディに“先制攻撃”“絆魂”と便利な能力が2つつき、さらに対戦相手の赤と黒の呪文の対象にならないという、盛りだくさんなクリーチャーです。赤と黒への“プロテクション”を持つわけではないので、戦闘ではそこまで強いわけではありませんが《灼熱の槍》や、今回再録された《破滅の刃》のような除去呪文に耐性を持つのはやはり強力でしょう。また、自分の赤・黒の呪文なら対象に取れることも、覚えておくとどこかで役に立つかもしれませんね。
▲呪文に対してはめっぽう強いです。パワーはそこまで高くないので装備品やオーラなどで強化してあげるのもいいかもしれませんね。 |
まだまだしょうかいするわよ! 次は白のレア・クリーチャー、《威圧する君主》です。
2マナ2/1と及第点のサイズに加えて、対戦相手のクリーチャーがタップ状態で戦場に出るようになるという能力を持っています。速攻デッキでは《ボロスの反攻者》や《ロクソドンの強打者》のような“戦闘で強いクリーチャーをいかに突破するか”がカギになっていますが、《威圧する君主》があれば相手のブロッカー登場が1ターン遅くなるようなものなので、より攻めやすくなるでしょう。
同じようにブロッカーを排除する目的で投入される《火拳の打撃者》と比べると、戦場にいるだけで効果があるという点が大きいですね。一応、複数並べても意味があるという部分では《火拳の打撃者》の方が勝っていますが、これからの赤白系速攻デッキにおいて、有力な選択肢となってくれるのではないでしょうか。
白のカードレビュー、最後の1枚はアンコモンから《天使の協定》です。
各ターンの終了時、そのターンにライフを4点以上得ていたら、飛行を持つ4/4の天使・クリーチャー・トークンを得られるエンチャントです。このカードの価値は4点のライフを得るというのが、どれくらい難しいのかにかかっていますが《戦導者のらせん》1発で条件を満たせるので、そこまで難しいものではないように思えます。
また《セレズニアの声、トロスターニ》との相性はきわめてよく、タフネス4以上のクリーチャーを出せば《天使の協定》の条件を満たすことができるわ。さらに1度トークンを生み出すことができれば、それを“居住”しているだけでトークンが出る→ライフを得る→トークンが出る……というサイクルを作り出し、4/4飛行のトークンがどんどん増えていきます。その他にも手札1枚で4点のライフを得られる《交易所》と組み合わせるのもよさそうね。
▲ライフを増やしているだけでは、負けずとも勝てないという状況になりがちですが、そこに4/4飛行クリーチャーがオマケでついてくるとなれば話は別でしょう。《天使の協定》は新しいコントロールデッキの中核となるかもしれませんね。 |
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記事内イラスト:うさ城まに
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