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2013年7月24日(水)

【ほぼ毎日特集#22】『ギャラクシアン3』や『F/A』の裏話も飛び出すインタビュー!? 「教えて!佐宗先生&細江先生!」前編(ミゲル)

文:ミゲル

「教えて!佐宗先生&細江先生!」
▲『ラブプラス』の凜子ちゃんをイメージして髪を切ったら、墓場の鬼太郎になりました。これが現実か。

 最近、ゲーム音楽から興味を持って、レトロゲームを下手ながらに一生懸命プレイしている編集のミゲルです。『ダライアス』は2面の前半でだいたい死にます。

 “ほぼ毎日特集”とは、電撃オンラインのスタッフが自分の情熱の赴くままに好き勝手に紹介や取材をしていく企画。「いろいろな切り口からタイトルに触れることがあっていいはず!」――そんな思いをもって私の“ほぼ毎日特集”「教えて!○○先生!」では、さまざまなゲーム音楽作曲家の方々に突撃インタビューをしていきます。

 今回は、現在のゲーム音楽の基盤を築き上げたと言っても過言ではない、スーパースィープの佐宗綾子さんと細江慎治さんへのインタビューを、2日連続でお届けします。最後には、お2人から読者の皆さんへの超大奮発プレゼントもありますので、お見逃しなく!

「教えて!佐宗先生&細江先生!」

佐宗綾子:音楽学校・東京コンセルヴァトアール尚美(現・尚美ミュージックカレッジ)専門学校卒業後、1989年にナムコ(現・バンダイナムコゲームス)に入社。在籍中、『リッジレーサー』シリーズや『ゼビウス3D/G』などの楽曲を手掛ける。退社後はアリカを経て、現在は細江慎治らとともに設立したスーパースィープの取締役を務める。楽曲のアレンジに高い評価を得ており、PS2版『怒首領蜂大往生』や『エスプガルーダ』にもアレンジ楽曲を提供している。

細江慎治:日本電子専門学校CG科を卒業後、1987年にナムコに入社。在籍中は、『ドラゴンスピリット』や『オーダイン』、『リッジレーサー』シリーズなど、数々のタイトルの楽曲を手掛ける。『テクニク』シリーズや『beatmania IIDX』シリーズ、『ポップンミュージック』シリーズなど、数多くの音楽ゲームにも参加している。

■きっかけはY.M.O.の細野晴臣さん!? 演奏家を目指していた佐宗さんの転機とは。

――佐宗さんは“演奏家”を目指されていたと噂でお聞きしたのですが、“演奏”と“作曲”には、大きな違いがあると思います。どうして“作曲”に至ったのか、その経緯を教えてください。

「教えて!佐宗先生&細江先生!」

佐宗綾子さん(以下、佐宗):当初は、演奏する側になりたくて音楽の学校に入学したんですが、学校にはあまりにも演奏が上手な方がたくさんいて、「これは無理だ」と……。私は別の方向に行ったほうがいいと思ったんです。

――音楽学校というと、クラシック音楽のイメージが強いですが、ゲームミュージックに触れようと思ったきっかけはなんだったのでしょう?

佐宗:ラテン、クラシック、ジャズ、フュージョンなどなど……音楽はいろいろなジャンルを聞いていましたね。

 (ゲームについては)そんなにヘビーユーザーではなかったのですが、元々ゲームっ子でした。この業界に入ろうと思った一番のきっかけは、細野晴臣さんがプロデュースされた『ビデオ・ゲーム・ミュージック』です。以前からナムコゲームは好きだったんですが、このアルバムを聴いて、「いつか“ここ(このゲーム音楽の世界)”に行きたい」と漠然と思ったんです。「いいなぁ……、こういうの」って。

※『ビデオ・ゲーム・ミュージック』とは、ナムコが1980~83年にリリースしたゲームの音楽を収録したCDアルバム。ゲームミュージックのサウンドトラックとしては、日本初となる。プロデュースを務めたのは、Y.M.O.で有名な細野晴臣さん。『パックマン』や『ゼビウス』、『リブルラブル』などの楽曲が収録されている。

――“夢”みたいなものですね。

佐宗:まさか、本当にナムコに入ってしまうとは思いませんでしたけどね(笑)。

――初めて作曲をされたきっかけはなんだったのでしょう?

佐宗:正直に言いますと、作曲を始めたはナムコに入ってからなんです。学校の課題や、参加していたバンドで曲を作ったことはありましたけど、いわば“無理やり”作っていたんです。提出しないと単位がもらえないとか、作曲の授業で出された課題で仕方がなくとか(笑)。

――ええ!! 趣味で作るということもなかったのですか!?

佐宗:私は人の曲をいじるほうが好きで、バンドではコピー曲ばっかりだったんです。同じクラスの子は皆、自分のオリジナル曲をばんばん書いて、しかもそれを自分で演奏していたんですが、自分は「自分の曲はちょっとなぁ……」と思ってしまうほうだったので……。

 それ以外で作曲したのは、ナムコを受ける時に作ったデモテープがほぼ初めてです。

――作曲って、いきなりできるものなのですか……!?

佐宗:コピーが好きだったのでいろいろな楽曲を触っていて、なんとなく「このジャンルはこんな感じでしょ?」というのは頭にあったんです。やれと言われればできたけど、その曲がはたしていいものなのかとなると……うーん、みたいな(笑)。

 ナムコの新人研修でいきなり作曲を任されて、「……え!?」ってなりましたね(笑)。“新人はアーケード音源を家庭用に落とし込んだりする仕事”を任されるだろうと勝手に思い込んでいたんです。だからいきなり「曲を書け」と言われて、びっくりした記憶がありますね。

 しかも、職場リーダーがこの方(細江慎治さん)で!

細江慎治さん(以下、細江):ふふふふ(穏やかにほほ笑む)。

ナムコへアルバイトに行けば単位をもらえた!?
細江さんの学生時代の話も登場!→(2ページ目へ)

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