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2014年11月12日(水)

11月26日『パズバト』大型バージョンアップで対戦に特化&育成要素を撤廃! 門井Pに直撃インタビュー

文:電撃ARCADE編集部

 アーケードで好評稼働中の『パズドラ バトルトーナメント -ラズール王国とマドロミドラゴン-』。プロデューサーの門井信樹氏に、より対戦に特化したというシステム面や、大型バージョンアップを行う経緯などについてインタビューを実施。

 詳しい内容は、公式ニコ生にて発表するとのことだが、まずは速報として生まれ変わった『パズバト』の概要を聞いてきた。

『パズドラ バトルトーナメント -チャンピオンズ オブ ラズール-』

■育成要素を撤廃し、対戦に特化したゲームバランスに変更

――11月26日(水)のバージョンアップで『パズバト』のゲーム性が一新されるいうことですが、その経緯についてお聞かせください。

門井氏(以下敬称略):『パズバト』のコンセプトとして、稼働当初は『パズル&ドラゴンズ』らしさを前面に意識してゲームを制作しました。「手に入れたモンスターのレベルを上げ、進化」という『パズドラ』本家にある育成やRPGの魅力を、対戦ゲームのなかでどこまで大事にできるかというところを軸に開発していました。

 しかし、稼働してから約半年が経過した現在、ユーザーのプレイを改めて分析をしてみると、対戦ゲームと育成要素がうまくなじまないと思うところが随所にあって、モンスターを育てないと勝てず、育成が終わってからが本当の勝負みたいなところがあったんです。
わかりやすくいうと、モンスターが育っている人と、そこまで育っていない人が対戦するときの、不公平感的なものもあって、対戦のバランスに問題があると判断しました。

 なので、アーケードの対戦ゲームである以上、原点に返って対戦自体をおもしろくするべきだということで「『パズバト』をアーケードゲームとしてのあるべき姿に作り直してみよう」ということになりました。そのためには、大手術というか、すごい断行が必要で、1つ1つ直していくのではなくて、やるときは一気にやるべきだろうと。

 そこで、稼働して約半年という区切りのいいタイミングでユーザーインターフェイスやゲームシステム、ゲームバランスといったすべてを対戦に特化した大規模なバージョンアップを実施しようと決断しました。このようなコンセプトで生まれ変わった『パズバト』を見てもらうため、ロゴやポスターだけでなく筐体周りの装飾などのイメージも変更することにしました。

『パズドラ バトルトーナメント -チャンピオンズ オブ ラズール-』
▲これまでのイメージとは異なり、眠っていたマドロミドラゴンが覚醒状態になっているなど、より戦いをイメージさせる『パズドラバトルトーナメント -チャンピオンズ オブ ラズール-』。対戦ゲームとしての魅力がアップしたゲーム性に注目しよう。

――サブタイトルが『パズドラバトルトーナメント -チャンピオンズ オブ ラズール-』に変更されていますが、ゲームの世界観も変更されたのでしょうか?

門井:これまでは、ストーリー性というか『パズバト』の世界観を出そうとしたイメージだったのですが、今回は対戦に特化するという意味で「対戦感を出しながら頂点を目指そうよ」と、わかりやすいサブタイトルにしました。

かといって、これまでの世界観は変化するわけではないので、おなじみのキャラクターも存在していますし、ストーリーモードも従来どおり遊べるようになっています。

今回のバージョンでは、対戦の方をブラッシュアップしたので、対戦部分について注目して楽しんでいただければと。

――新たなロゴはメインタイトルとサブタイトルの大きさが逆転していますが?

門井:純粋に、今回のメインとなる対戦要素を目立たせたかったので『チャンピオンズ オブ ラズール』というサブタイトルの方が大きくなっています。
また、ロゴのデザインも対戦感を感じさせるデザインに変更しています。

■これまでに入手したモンスターは基本的に全部引き継ぎ、育てた経験値などはストーンに還元

――さらに、今回のバージョンアップで大きな変更点などはありますか?

門井:大きな変更点としては、ユーザーさんからの意見も多かった“モンスターレベル”と“プレイヤーレベル”の撤廃や、助っ人システムの変更といった点。また、新たな要素としてモンスターショップを追加しました。このほかにも、対戦をさらに楽しめるような要素を数多く取り入れています。

――モンスターレベルやプレイヤーレベルの撤廃は、これまで遊んでいたユーザーにとって、かなり大きな変更になりますよね?

門井:最初にも少し触れたのですが、育成要素という部分で対戦ゲームとしてのバランスが少し取れていなかった部分もあったので、モンスターレベルやプレイヤーレベルをなくしました。育成の概念がなくなったぶん、サブやリザーバーを含めたチームの選択肢の幅が広がるので、これまで以上に対戦を楽しんでもらえると思います。

――これまでに手に入れたモンスターについてはどうなってしまうのでしょうか?

門井:手に入れたモンスターについては、全部引き継ぐことができます。

 ただ、レベルの概念がなくなったので、それまでにモンスターを育成してためた経験値や進化・究極進化ポイントは“ストーン”として還元します。

――“ストーン”とは?

門井:今回新たに追加される“モンスターショップ”などでも使用する通貨的なものです。モンスターショップは、モンスターレベルの廃止を考えたときに、出てきたアイデアで、ショップに売り出されているモンスターを購入して手に入れることが可能です。

 このときに、コインでモンスターを買うというのも変なので、ショップ専用の通貨=ストーンを新たに作って、ストーンと交換してモンスターを手に入れる方がゲームの世界観とマッチするのでは、と思いました。それに合わせて、モンスターの進化や究極進化は、すべてストーンで行う仕様に変更しています。進化システムは残っていますが、現在のバージョンとは異なり、簡単に進化できるバランスになっています。

――経験値や進化・究極ポイントがストーンに還元されるということは、今までモンスターを育成していたユーザーほど、多くのストーンを獲得できるということでしょうか?

門井:そうですね。育てているモンスターが多いほど多くのストーンが手に入ります。
たとえば、ショップにモンスターが並んだときにすぐ購入ができ、そこから進化や究極進化もすぐに行える状態になるので、そういった意味では喜んでいただけると思います。

 もちろん、ランクはそのままとなるので、新規でプレイする方が今までプレイした方とマッチングすることはありません。また、これから『パズバト』をプレイされるという方には、神タイプモンスター1体を購入できるぐらいのストーン配布を検討しています。

――モンスターショップではどんなモンスターが手に入るのでしょうか?

門井:ショップに並ぶモンスターは定期的に変わりますが、基本的には神タイプなどの高レアリティーモンスターが購入可能です。ゴッドフェスなどのフェスも引き続き実施していくので、あくまでショップはオマケ的な感じで、ガチャをして手に入らなかったモンスターを補っていくというイメージです。

――通常時、ストーンはどうすれば手に入るのでしょうか?

門井:基本的にはガチャで手に入れたモンスターを売却することで獲得していく形になっています。ガチャは、どうしてもやればやるほど不要なモンスターが増えると思うので、それを売却してストーンに交換することで、ショップで別のモンスターを購入していただければと。このシステムにより、これまでなかなか欲しいモンスターが手に入らなかった、思いどおりのチームを組めなかったという方も楽しめるようになったと思います。

 育成要素が撤廃されたために、レアなモンスターが入手しづらくなるといったことはなく、ストーンによって、むしろ入手が容易になった、対戦のための準備がしやすくなったと考えてもらえればと思います。

『パズドラ バトルトーナメント -チャンピオンズ オブ ラズール-』
▲ショップに並ぶモンスターは定期的に変更。購入するには、モンスターごとに各属性のストーンが必要となる。※画面および、ストーン数は開発中のものです。
『パズドラ バトルトーナメント -チャンピオンズ オブ ラズール-』
▲画面上部にプレイヤーのライフゲージが表示されるなど、対戦時のインターフェイスも一新。より対戦ゲームとしてのイメージが強くなった印象だ。

――対戦時のユーザーインターフェースもかなり変化していますよね

門井:インターフェースについては、8月に開催された大会のときにも感じたのですが、対戦時にプレイしている本人は状況がわかるんですけど、周りで観戦している第三者が「どちらが勝っているかがわかりにくい」印象が少しあったんです。

 そういったところも含めて、対戦ゲージやモンスターのアイコンなど、必要な情報を大きく表示して第三者が見てもこれまで以上に対戦している感じが伝わりやすく、盛り上がるように変更しました。

――対戦形式などに変化はあるのでしょうか?

門井:予選からはじまる16人でのトーナメントはなくなりました。

 本来、プレイヤー同士による1対1での対戦がおもしろいはずなのに、予選で負けてしまうとそこ(決勝トーナメント)にすら行けない。予選で使いやすいチーム編成と、準決勝・決勝といった対人戦に向いたチーム編成がマッチしないといった点もあり、本当の意味でゲームを楽しめないと思ったので、1対1での対戦を最初から遊べるようにしました。

――対人戦のみに特化したということですね

門井:1対1の対人戦だけにテーマをしぼることで、ゲームバランスも取りやすくなり、これまで以上に濃密な対戦を楽しめる仕様になっています。

 プレイ時間が短くなるのでは? と思われる方もいると思いますが、ゲームバランスが調整されたので、モンスターのレベル差ですぐに勝負が決まってしまうことはなくなり、1試合にかんしては今までより断然長く、白熱して遊べると思います。

 また、純粋にゲームを楽しんでもらうために200円で3プレイ遊べるというシステムも導入しています。それを活用していただければ、対人戦を戦っている時間という意味では、さらに充実感があると思います。

――そのほかに変更点などありますか?

門井:助っ人システムなのですが、本当はユーザーにいろいろなお店を回ってもらいたいという狙いがありましたが、仕組みとしてうまく機能していない部分があったので、今回のバージョンアップのタイミングで全国の店舗から助っ人を選べるようにしました。

これによって、どの店舗で遊んでいても全国から助っ人が選べるので、店舗ごとの格差がなくなり、チーム編成にも幅が広がるので遊びやすくなったと思います。

 それにくわえて、自分のモンスターBOXからも助っ人を選べるようにしましたので、さらにチーム編成を考えるのが楽しくなるんじゃないでしょうか。

――最後に『パズバト』ユーザーに向けて一言お願いします。

門井:より多くのプレイヤーに『パズバト』を楽しんでもらえるように、大規模なチューニングを行いました。もちろん、新しいモンスターの追加もしています!! 対戦ゲームとしての原点に帰ったゲーム性となっていますのでご期待ください!

いろいろと言葉で伝えても100%は伝えきれないので、今回説明できなかったさらなる情報については、11月20日(木)に配信される公式ニコ生<パズバトッ!>で詳しく紹介します。もちろん、実機を使っての対戦プレイもお届けしますのでお楽しみに!

『パズドラ バトルトーナメント -チャンピオンズ オブ ラズール-』

 以上、11月26日(水)にゲーム性が一新する『パズドラバトルトーナメント -チャンピオンズ オブ ラズール-』についてのインタビューをお届けしました。

 11月20日(水)に配信される公式ニコ生<パズバトッ!>の情報については、『パズバト』公式サイトをはじめ、電撃オンラインでもお知らせしていきますので、ぜひともチェックしてください!

(C)GungHo Online Entertainment, Inc. / SQUARE ENIX CO., LTD.
記事の内容は2014年11月12日現在のものです。
その後のバージョンアップなどで変更される場合があります。
※画面および、ストーン数は開発中のものです。

データ

▼『パズドラ バトルトーナメント -ラズール王国とマドロミドラゴン-』
■メーカー:スクウェア・エニックス
■対応機種:AC
■ジャンル:PZG
■稼働時期:2014年4月24日
■プレイ人数:1~16人(最大同時接続人数)
▼『パズル&ドラゴンズ』
■メーカー:ガンホー・オンライン・エンターテイメント
■対応機種:iOS/Android
■ジャンル:パズルRPG
■配信日:配信中
■価格:無料(アプリ内課金)
▼『パズドラZ』(ダウンロード版)
■メーカー:ガンホー・オンライン・エンターテイメント
■対応機種:3DS
■ジャンル:PZG
■発売日:2013年12月12日
■希望小売価格:4,000円(税込)

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