2009年4月8日(水)
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フロム・ソフトウェア本社で、6月11日に発売するPSP用ソフト『己の信ずる道を征け(おのれのしんずるみちをゆけ/以下、オレイケ)』のクリエイター先行体験イベントが、4月4日に開催された。その模様を、電撃オンライン編集部のキャナ☆メンがお届けする。
『オレイケ』は、過去の自分のリプレイを“分身”をとして出現させ、それを利用してステージ中のギミックを攻略していくパズルアクションゲーム。開発にあたっては、Web上のFlashゲーム『Cursor*10(カーソル10)』のゲーム性が採り入れられおり、『オレイケ』発売を記念した『Cursor*10 2nd session』も現在公開中だ。
イベントには、Flashゲームを制作するクリエイターをはじめとしたWebクリエイターたちが集い、『オレイケ』プロデューサー・竹内将典さん、ゲーム開発担当の渡邊耕一さん(シリコンスタジオ)、『Cursor*10(カーソル10)』開発者・石井克雄さんの3者によるトークも行われたので、その模様をお届けしていく。また、イベント時に上映されていた真奈姫と疾風丸によるゲーム説明PVも到着しているので、気になる人はこちらもご覧いただきたい。
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開発を担当する渡邊さんをして、「『Cursor*10』がなければ、『オレイケ』を企画せず、フロムさんに持ち込むこともなかった」と言わしめるほど、一風変わった経緯を持つ本作。当時ハイエンドの作品をいくつも作っていた竹内さんは、本作の話がもちかけられ際に「しっかりしていてハマれるけれど、PSPで遊べるような軽いゲームを作りたい」と感じ、『Cursor*10』のおもしろさもあって会社の企画会議へ出すことを決めたという。
しかし竹内さんは、「『Cursor*10』をおもしろいと思うが、このままでは商品として難しい」とも話す。『Cursor*10』自体は無料のWebゲームであり、遊べばおもしろさがわかる。しかし、プレイするにはお金を払わねばならないコンシューマゲームは、やる前からおもしろいと感じてもらわねばならいからだ。また最近のユーザーは、例えば10年前と比べてゲームの情報を積極的に知ろうとしない人が多く、ゲーム媒体を通じてもおもしろさをアピールするのは難しくなってきているとも語っていた。そもそも「実際に動かせる『Cursor*10』がなければ、(開発前に行う)パイロット版の制作許可が降りなかった可能性がある」と、『オレイケ』の出発は前途多難だったようだ。
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そのような理由で、結果的に『オレイケ』誕生のきっかけとなる『Cursor*10』を制作した石井さん。「自分で『Cursor*10』はおもしろいと思いますか?」と質問されても、「まあまあ」と答えは謙虚だ。竹内さんがここで気にしていたのが、「マウスオペレーションである『Cursor*10』と、アナログスティックで操作する『オレイケ』では、そもそもプレイ感が違うのでは?」ということ。これについては、実際にプレイした参加者の口から「マウスとアナログスティックは、触った感覚が似ているので、同じように楽しめた」という言葉もあった。ただプレイの感想では、「チュートリアルで、いきなり1ステージをまるまるプレイするのはつらい」、「チュートリアルに時間制限があるのは厳しい」など、チュートリアルであっても難しいと感じた人の声も。反して「ちょうどよい難しさ」と感じた人の声もあり、この辺りは、ゲーム性やプレイ感を重視する同社のソフトならではの意見対立かもしれなかった。
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気になる開発状況だが、竹内さんによれば「だいたい終了」とのこと。6月11日の発売日に関しては大丈夫、とも語っていた。先日のイベント記事にも書いた通り、デバッグ期間中にある本作。渡邊さんいわく「ゲームがハングするようなバグは今のところない」とのことで、主に自分のリプレイを表示する分身がらみのバグが多いようだ。
昨年10月の東京ゲームショウで発表され、今を迎える本作の感想を、「スクリーンショットを見ていた段階では、グラフィックが複雑でコンセプトが隠れているように見えたが、遊ぶとおもしろい」と話す人もいた。これを受けて竹内さんと渡邊さんが語ったのは、「同じものは作れない」というクリエイターとしてのこだわり。特にグラフィックについては、SCEから発売中の『無限回廊』が線画のPZGであることを意識して、変えざるを得ない部分もあったようだ。
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ちなみに公式サイトのアクセスを鑑(かんが)みての世間での評判だが、竹内さんによると「他のフロムの作品とは、アクセスのされ方が違う」のだという。同社の作品は通常、ある一定の時期になるとだいたい同じ人がアクセスするようになるとのことだが、『オレイケ』に限っては新規にアクセスする人もまだまだ多いのだとか。これについては、「『Cursor*10』から入ってきたのかもしれないし、okamaさんの絵から入ってきたのかもしれない」と話している。
ソフマップの限定予約特典なども、ちょっとした話題になっているokamaさん描く真奈姫。実は、プロモーションの側から「女の子を入れてほしい」という強い要望があって入れたキャラクターだという。ちなみに、予約特典テレカに描かれていたイラストは、本来ならばゲーム中のごほうびとして入っていたそうだが、入れるとCEROが上がってしまうため、それを避けて今の形になったそうだ。
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| ▲こちらがソフマップ限定予約特典テレカのイラスト。SAMPLEの文字が邪魔に思えるほど大胆な格好の真奈姫が描かれているだけに、確かにCEROも厳しくなろうというものだ。 |
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クリエイターとしては、(ゲームを売るために)女の子をとにかく入れろと言われるのは好きではない、と話す竹内さん。実際に開発をする渡邊さんもやはり嫌なのだろうか? という質問が出ると、「『オレイケ』のような作品が売れるという実績がほしいので、そのためにいろいろ作ることは嫌ではなかった」と至ってストイックな答えが。渡邊さんは、「『Cursor*10』に限らず、いろいろなWebクリエイターの方が、おもしろいモノを作っています。ただ、そういったゲームがもうける仕組みも必要です。僕は、おもしろいモノが、それだけなくもうけられないといけないと考えるので」とも語っており、おもしろいゲームが世の中に広く受け入れられることに対して強い考えを示していた。これは筆者の考えになるが、真奈姫こそが“作品”と“商品”を分ける最大の差なのかもしれない。
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『Cursor*10』に続く『Cursor*10 2nd session(以下、2nd session)』が公開中であることは、初めにも書いた。渡邊さんは、『2nd session』を最初に遊んでみた時に「あ、裏切られた」と感じたそう。「コンシューマっぽくなりましたね。死ぬようになったんで」というのが理由だ。「でも裏切りは重要ですよ」と、石井さんはすかさず言葉を返す。「(新しいのを)やってみて、前と同じではつまらないので」と話す理由は、クリエイティブへのこだわりをうかがわせる言葉だった。
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ここで、「今後もWebゲームとコラボレーションしたコンシューマゲームは出るか?」という質問が出る。5月、6月のPSPラインナップを見ても、Webゲームをベースにしたソフトが『オレイケ』だけではないからだ。プロデューサーである竹内さんは、「正確な表現ではないかもしれないが、マンガやアニメを原作としてゲームを出すような流れになるには、まだまだ時間がかかる」と答える。しかし、続く「今のコンシューマゲームは、さわってもらえるまでにお金がかかる。なのでWebゲームとのコラボは、そういった意味ではいいかもしれない」という言葉からは、Webゲームのコンシューマ化に対する可能性がうかがえた。とはいえ、Webゲームをそのまま商品化するのは難しいようだ。
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『Cursor*10』は、海外からの評価が高い。リスペクトやコラボレーション……言い方は多々あるとして、そこに端を発する『オレイケ』も、公式サイトへのアクセスを見るにやはり海外から注目されているという。そこで「海外版を出すつもりはありますか?」という質問に対した竹内さんの答えは、「海外版は出したい」。プロモーションに関しては、日本と同じで受け入れられるのか検討の必要があるとしながら、『Cursor*10』を前面に出した日本でのプロモーションと同様でおそらく大丈夫なのではないかと話している。
最後に竹内さんは、「ゲームに携わっている人間として、おもしろいものを作っていきたい」という言葉をもってWebクリエイターの人たちにエールを送る。石井さんも、「『Cursor*10』はまぐれ」と淡々と語りながら、後には「みんなにやってもらって、作ってよかったと思いました」と相好をくずすようにほおを緩めていた。ちなみに、このイベントで参加者がプレイしていた『オレイケ』の体験版は、4月中旬より配信予定。チュートリアルステージと体験版オリジナルステージがプレイできるので、気になる人は遊んでみてはいかがだろうか。
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| ▲左から、渡邊さん、竹内さん、石井さん、司会を務めた星野健一さん。 |
※画面は開発中のものです。
(C)2009 FromSoftware, Inc.
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