2009年8月10日(月)
植村 2人で一緒に録音したのはトークの部分だけなんですけど、長谷川さんは伊織さん、それから釘宮さんと一緒にやってみていかがでしたか?
長谷川 すごく楽しかったです! ドラマパートの演出などをいただいた時に、同じ14歳で、しかも伊織ちゃんのことだけを愛称で「デコちゃん」って呼んでいて。とにかく美希は伊織のことが大好きなんだから、もっと怒っていいし、表情を豊かにしていいと指示をいただいて、「そうだな」と改めて思いました。美希ののほほんとした世間知らずなところに、伊織が的確に鋭くツッこんでくるのがすごく楽しくて(笑)。あと、一緒に「にひひっ♪」って言えてうれしかったです。釘宮さん自身については……もう尊敬のひと言で、ご一緒できて本当にうれしかった。あと収録の時、アメがいっぱい入ったボックスがあって、釘宮さんから「これあげる」ってアメをもらったんです。包装を開けたら何だかすごい色で……。
釘宮 あー(笑)。
長谷川 周りが灰色で、中がオレンジ色で「これ何味!?」って!(笑) よりによって釘宮さんコレをチョイス!? と思って食べたら……意外においしい。なぜかその出来事がやたらと記憶に残っています。
植村 釘宮さんは長谷川さんについて、いかがですか?
釘宮 普段『アイドルマスター』の収録って、歌でもゲームでも1人でやることが多いので、一緒に録れるということがうれしかったです。それに、ドラマは盛り上がって収録できました。できあがったものを聴いたんですけど、このアルバムを通して常に2人のどちらかの声が聞こえていて、なんかもう美希、伊織、ドーーーン! みたいな(一同笑)。
長谷川 そんな感じですよね!
釘宮 2人だとドーーーン! ってくるよね。こういう雰囲気が好きな人にはオススメできます。あと……(長谷川さんを見て)かわいかったです。
長谷川 え、ほんとに!? ちょっと付け足した感が!(一同笑)
釘宮 そんなことないよー! かわいい、かわいい、大好きだよ! 『アイドルマスター』の(声優の)人たちは、本当にみんないい子ばっかりで。いつも優しくしてくれて、ありがとうございます。
長谷川 今回は2人ともかわいらしい感じなんですけれども、セリフも劇中劇みたいなものが結構あって。
釘宮 今回のドラマは、ちょっとがっつき気味だよね!(笑)
長谷川 攻めてましたね。
釘宮 いかに虜(とりこ)にするか、みたいな。
長谷川 しかもこだわりがあったようで、結構リテイクしてましたし。「もっと、もっとです!」みたいな。
釘宮 ね。内容も、とにかく魅力を高めようといったものでしたし、同世代ぐらいの女の子が考えていそうなことなのかな。あと、(伊織が)美希と同じ14歳っていうのは軽くショックでした。
長谷川 えーなんでなんで!?
釘宮 「なのー」とか言っていたから、(美希は)ちっちゃい子だと思っていたんですよ、私。
長谷川 あ、年下だと思ってたんですか!
釘宮 そう。ずっと年下だと思っていて、同い年というのにも驚いたし、(ジャケットを指して)こうやって並んでみると伊織の方が明らかに子どもだよね。
長谷川 あー(笑)。
植村 ちなみにジャケットの美希さん伊織さんはどうですか?
釘宮 かわいい。
長谷川 かわいい!
釘宮 (ジャケットを指して)これ、劇中で着ていたドレスなのかな?
植村 うん、想定上は、ですね。
長谷川 ってことは、背中ががっつり開いている。そして超ミニなはず。
釘宮 背中が気になるよね!
植村 美希さんのところにハチがいますよね。
長谷川 これは“ハニー”です。
釘宮 (絶句した後)……あーーー! そうかーーー!
長谷川 またここでリアクションきましたー!(一同笑)
釘宮 伊織はうさぎがいつも居るからセットなんだと思っていたし、美希のハチにも何か意味があるんだろうなとは思っていたんだけど……。あれ? でもハニーってプロデューサーのことでしょ!? (ハチを指して)こいつプロデューサーなの!?
長谷川 そうそう。
釘宮 あー、付き従えているのかな。やっぱり肉食系は違う!(笑)
長谷川 でもこの位置で羽ばたかれたら耳がこわいですね。ブーンって。
植村 美希さんの靴は脱げているのかな、これ。
釘宮 あ、本当だ靴がある。
長谷川 足を上げているのかな? これケンカして、引っ張り合っているところをパシャッと撮られたっていう設定なんですよね。伊織ちゃんの手袋を(美希が)持っていて。
釘宮 じゃあとっさの判断でいい顔を作ってみたけど……ってところなのかな。
長谷川 そうなんです。さすがアイドル。
釘宮 さすがだねえー!
長谷川 うさちゃんが服を着ているのも不思議な感じです。
釘宮 こいつ、意外とオシャレな子かも。ウエディングドレスとおそろいなんだよ。ハチも着て……ないね(笑)。
長谷川 すいませーん、ハチはちょっとオシャレ心がなくって!
植村 そもそも釘宮さんは、『アイドルマスター』とここまで長い付き合いになると考えていらっしゃいましたか?
釘宮 いや、思わなかったですね。今となっては逆に別れがたいというか、続くのであればどういう形であってもずっと出たいです。この作品にいろいろと捧げてくださって、一緒に時間を過ごしてきている大勢の方がいることを考えると、何かの形ではこれからも皆さんとつながっていたいです。
植村 『アイドルマスター』という作品、水瀬伊織というキャラクターは、他の作品とは違いますか?
釘宮 かかわっている時間が長いだけに、そのときどきの私も若干反映しつつ、キャラクターからも影響を受けつつ……という付き合い方に、どうしてもなってしまいますね。普段私は、TVの画面を通してファンの方と接するんですが、直にお会いできるライブの活動は『アイドルマスター』だけでしかしていないので、そういう貴重な場をずっと体験させていただけて。本当に大切な作品です。
植村 長谷川さんは稼働開始の1年後から参加していますが、ここまでの3年間はいかがでしたか。
長谷川 厳密に言うとちょっと違うのですが、ある意味デビュー作ですからね。当初、アーケード版が稼働していて、ファンの方もいらして、出演者の方も皆さんそれぞれにキャラクターを持っていて……と、できあがっている世界に入っていくことのは、美希としても私としても不安がありました。でも、あたたかく迎えていただき、美希も愛してくださるプロデューサーさんたちのおかげで、ここまで育ってきたような気がします。美希と一緒に私も、最初のころよりは成長できていると思っています。美希は、妹のような恋人のような、いつもこのへんにいるような気がしている存在です。今後、14歳から歳を取るかどうかはわかりませんが、アイドルとしても女の子としてもすばらしい経験をしている美希は、きっと素敵な女性に成長するでしょうね。私も、そうなれるように頑張ります!
植村 伊織さんはどうなんですか。今回ウエディングドレスを着ていますが、落ち着くんですかね?
釘宮 どうなんですかね(笑)。こういう時代だし……。
長谷川 時代?(笑)
釘宮 こういう時代だから、美希みたいなキャラクターは(相手を)元気づけられていいよね。
長谷川 ???
釘宮 私が仮に男子だとして、美希みたいに肉食系で「オラオラ」ってこられたら、「お願いします!」、「おまかせします!」みたいな感じで、僕のこと引っ張ってください、みたいな気分になれると思う。
長谷川 でも伊織ちゃんはグイグイ行くタイプじゃ?
釘宮 伊織は、叩いて、けなして、ついてきなさい、みたいなタイプだから(笑)。わりとこの時代には厳しい立場じゃないかなと。
長谷川 えー、そうですか!?
釘宮 世の中が豊かな時期だったら「僕のことをけなしてくれるなんて!」って……これは私の分析の結果なんだけど(一同笑)。
長谷川 釘宮さん、日々そんなことを考えていたんだ……。
植村 でも伊織さんは、その対面上にある弱さというか、女らしさがいいんですよね。
釘宮 ありがとうございます!
植村 美希さんは移籍騒動などいろいろありましたが、今後はどうなってほしいですか?
長谷川 お騒がせしてすみません(笑)。『SP』の美希はずっと1人で頑張っていて。一番大きく違ったのはプロデューサーさんという、見守っていてくれて、拠り所みたいな人がいなかったということですね。で、14歳で仕事をすること自体が、人生の中でものすごく大きな経験だと思うんです。自分1人の力で見つけたものは生涯の宝物になると思うので、それを大切にしつつ、今後は765プロのみんなと、ファンの方と、プロデューサーさんと、いろいろなお話やお仕事をして、もっといろんな経験をして、アイドルとしても女性としても愛される子になってほしいです。
長谷川 曲にバラエティがあって、かわいらしかったり、コミカルだったり、激しかったり、しっとりしていたりと、女の子としてのいろいろな面を見ていただけると思います。そこを余すところなく、秘密のボーナストラックの最後まで聴いていただけたら、聴き終わった後に虜になりますよ、ということで。ぜひ聴いてくださいね。美希の今後は……。
植村 また移籍しますか?(笑)
長谷川 えー! それはちょっと……。今後は765プロで頑張っていきたいです!
植村 新しい事務所(876プロ)もできましたよ?
長谷川 あー、あー……(一瞬悩んで)いやいやいやいや! えーと、こんなに美希と伊織ちゃんがお話ししているのって初めてですよね。ですからまた、ファンとアイドルの関係だけではなく、アイドル同士のコミュニケーションも皆さんに見せていけたら楽しいのかなと思っています。新しく録った新曲たちも、ライブで皆さんの前で歌えたらいいですね。
釘宮 1枚まるまる美希と伊織がギッシリで、どこから聴いても美希か伊織か、という世界が広がっています。この2人が特に好きな人には楽しんでいただけると思いますし、アイドル全員が好きだという人にも楽しんでいただけたらいいなと思っています。こういう雰囲気のアルバムを作っているスタッフさんたちも、今やエキスパートと化していまして、1枚を通して聴いた時のバランスもすばらしいですし、作品の世界観もちゃんと踏襲されていて、まさに『アイドルマスター』という感じがします。自分で楽しむだけでなく、お友だちとかにも広めていただいて、さらにお友だちの輪を広げるツールになるといいなと。どっぷり浸ってください、1日中延々と聞き続けていただいても楽しいかなと思います!(笑)
(C)窪岡俊之 (C)NBGI
■『THE IDOLM@STER MASTER SPECIAL 06』トラック