2009年10月22日（木）

感動できるMMORPGを目指した『TARTAROS』開発者インタビュー

■仲間と遊ぶミッションモードとキャラクターの組み合わせで遊べるシナリオモード

　さらに『TARTAROS』には2つの遊び方がある。1つはプレイヤーがルームを作成し、仲間を募集して最大4名のパーティーで狩りやクエストを楽しむという、ミッション/対戦モードだ。参加人数に応じて敵の数や強さといったレベル調整が自動的に行われるほか、インスタンスルーム内で獲得したレアアイテムは別枠で一時保管し、あみだくじで分配を決めるミッションインベントリーなど、初めて会う知らないプレイヤー同士でも気兼ねなく遊べるシステムを備えている。

　もう1つがシナリオモードと呼ばれるもので、こちらはメインシナリオと密接に関連したクエストが与えられる。その名の通りプレイヤー1人で挑戦するモードなのだが、MCC（Multi Charactor Control)システムを採用しているのが最大の特徴だ。

　プレイヤーはまず4人のキャラクターから直接操作するリーダーを1名選択。さらにもう2名のキャラクターをサポートとして連れて行ける。サポートの2名は直接指示を与えられないが、HPが一定値以下になると回復アクションを取る、積極的に敵を攻撃して標的になるタンク役など、AIによる行動でプレイヤーと共闘してくれるのだ。シングルモードは特定のクエストにはあるキャラクターを必ず同行させる必要があり、実際にクエストを進めると、なぜ彼/彼女が必要だったのか、あるいは各キャラクターの過去や秘密が少しずつ明かされるなどストーリー性も非常に強い。また、クエストを無事遂行するとストーリーに絡んできた新たなキャラクターが、5人目、6人目の仲間として加わっていくのだ。現時点では最大8名（韓国では9人）が、プレイ可能なキャラクターとして用意されているとのこと。シナリオは9個のチャプターがあり、1チャプターにつき7～9本のシナリオクエストが設定されている。

　オンラインゲームには一定の割合で「できればずっと1人で遊んでいたい……」というプレイヤーが存在するのだが、シングルモードはレベルなどの前提条件もあるので、インスタンスルームのクエストに参加してレベルを上げてき、ときどきシングルモードで気分転換というのが基本的な『TARTAROS』の遊び方になりそうだ。

　操作はNPCとの会話以外、すべてキーボードのみという非常にシンプルなインタフェース。韓国バージョンでは戦闘時、ZXCVキーに攻撃＆スキル設定ができ、Z＋Cキー、X＋Z＋Cキーといった組み合わせにより多用なスキル攻撃を出せるのがポイントだ。しかし、シーアンドシーメディアの槙原氏は「日本ではより多くのプレイヤーがなじんでいる、移動はWASDキー、攻撃やスキルは数字やファンクションキーに割り当て、というインタフェースに変更する予定」と語った。

　その他アイテムの精錬、昇級、強化、封印、解除ができるアイテム運用システム、洋服だけでなく帽子や髪型、リュック、羽といったアバターアイテムもあるので、そのあたりにこだわりたいプレイヤーも満足できるだろう。

　今後の展開について槙原氏は「INTIV SOFT、Wemade Entertainmentに積極的な開発の協力をいただいています。『TARTAROS』を中心にどうすれば日本のプレイヤーが楽しんでくれるのか、快適な環境を提供できるのかといった話し合いも進めています。具体的にはインタフェースなどのユーザビリティの変更などです。どの程度の完成度で日本でのクローズドベータテストを実施するかはまだ検討中ですが、近いうちにお知らせできると思います」とのことである。最後にLee Ju Won氏、からのメッセージをいただいたのでお伝えしよう。「開発陣の中には子供の頃に日本のコンシューマゲームで遊び、大変感動し影響を受けたスタッフも多くいます。今度は反対に我々の作ったゲームを日本でサービスし、日本のプレイヤーに感動を与えたいと思っています」

■実力は未知数だが期待させてくれるMMORPG『TARTAROS』

　これまで既存の韓国産MMORPGは、レベルやアイテムのレア度、対人戦といったキャラクターの強さを重要視するコンテンツが中心となり、プレイ傾向や嗜好が異なる日本市場では、ストーリー性の弱さがたびたび指摘されてきた。『TARTAROS』は日本のアニメ/漫画に詳しい開発スタッフがいるというだけあって、スクリーンショットから判断する限り、キャラクターはイメージイラストを裏切らないデザインでかなり可愛らしい（イラスト詐欺と言われたタイトルは過去多数あっただけに……）。戦闘シーンのモーションやエフェクトも華やかだが派手すぎず、資料だけ見ても興味をそそるクオリティだ。

　ゲームは遊んでナンボというのが事実であり、ゲームバランスやコンテンツが分からない現時点で、『TARTAROS』の実力はまったくの未知数ではあるが、今後のサービススケジュールやより詳しいゲームシステムの公開が待ち遠しい、久しぶりに期待させてくれるA・RPGだと言える。（麻生ちはや）

※日本版ではゲーム内の名称等が変更される場合があります。

▼『TARTAROS-タルタロス-』: ■メーカー：シーアンドシーメディア; ■対応機種：PC（対応OS：WindowsXP/Vista）; ■ジャンル：RPG（オンライン専用）; ■正式サービス開始日：未定; ■プレイ料金：無料（アイテム課金）