2009年11月20日(金)
――ここからはシナリオについてお聞きします。シナリオ執筆時に苦労したところはありますか?
林:フォーントリガー部分でたくさんメールが送られてくるんです。その中の語句を選択することで分岐していくのですが、それに対して相手が返信のメールを送ってくることもあって……それを作るのに死にそうになりました(笑)。
――あれはものすごいパターンがありますからね。1つのメール内で、大体3つくらい選択できる語句がありましたし。
林:パターンの多さももちろん大変なんですが、あのメールって“○月○日の○時○分に着信した”って表示されるじゃないですか。そこの整合性をとるのに死にそうになりました。受信したメールに対して返信しないといけないですから、そこでもタイムスタンプが押されるわけです。さらに“Dメール”という過去にメールを送るシステムが絡むので、“○日前の○月○日に届く”というのも考えなくてはいけないんですよ。
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――さらにそこに、タイムリープが絡むわけですね(笑)。
林:そうなんです。主人公が時間を行ったり来たりするんです。で、主人公が過去に戻った場合は、その戻った時間分のメールは消失していないとおかしいですよね。……もう、頭がごっちゃごちゃになりながら、そして泣きながら膨大なメールのタイムスタンプを書いていました。
――またまたそこに“世界線”が絡んで……。
林:世界線が変動されると過去が再構成されるので、これまでにやりとりしていたメールが存在しなくなるかもしれませんよね。その作業を1人で延々とやっていると、自分が何を考えているのかわからなくなってきて……。「助けてー!」と何度叫んだことか。
――もし、本作の続編が作られるとして、もう一度フォーントリガーシステムをやることになったらどうします?
林:やらない!(きっぱり) やりたくないです! (メールの部分を)書いている時は、「このシステム考えたの誰だよ!」と文句を言っていました。
――フォーントリガーシステムはどなたが考えたのですか?
松原:システムの構造は僕が考えました(笑)。
林:「もう勘弁してください」とプロデューサーに泣きついた覚えがありますよ。
――そんな林さんの苦労もあって、『シュタインズ・ゲート』という名作が誕生したわけですね。システムといえば、『カオスヘッド』にも特徴的なシステム(妄想トリガー)が搭載されていました。
松原:やっぱり、ただ読んでいくだけのゲームにはしたくなかったんです。“ゲームじゃないと表現できないものを作りたい”という構想もありましたし、選択肢が出てきてしまうとそこで現実に戻ってしまう、というか冷めてしまうんですね。だから、“あからさまな選択肢を出さない”ということを考えて“妄想トリガー”を思いつきました。そしてさらに“妄想トリガー”を突き詰めた結果、一切選択肢が登場しない“フォーントリガーシステム”が誕生したんです。
林:そのおかげで死ぬかと思いましたけどね(笑)。
松原:考え付いた時に、このシステムは「言うのはカンタンだけど、作るのは大変だろうな」と思ってはいました。
林:最初はもっとカンタンだと思っていたんですよ。で「じゃあ、やりましょう!」って気楽に言ってしまったのがすべての間違いで……全然そんなことはありませんでした。
――もし、次回作があるとしたら、もっとすごいシステムになるんでしょうね。
林:すごいけど、作るのはカンタンなシステムがいいなぁ。
松原:そうはいかないです(笑)。ちなみに実は、一番最初の企画ではフォーントリガーシステムには、プレイヤーが持っている実際のケータイを使おうとしていたんですよ。でも、これをやると個人情報保護法やサーバなど、ものすごく大変なことになるので、志倉にはっきり「ムリです」と伝えました。ただ、“プレイヤーと主人公を一体化させる”という考え方からいくと、実現できるとおもしろいシステムですね。
――フォーントリガーの他に、システム部分で苦労した点や注意した点はありますか?
松原:今回は5pb.がシステムを担当しているのですが、プレイヤーが触った感触というのを一番大事にしています。スキップの速さだったり、ボタンを押してからメニューが表示されるまでのタイミングだったりですね。0.1秒単位で調整して、プレイヤーが一番気持ちよく操作できるようなシステム作りを心がけていました。
――ゲーム中に挿入されるムービーも、非常に動作が軽かったイメージがあるのですが。
松原:ムービーに入る前に、ラグがないかどうかなど非常にこだわって作ってもらっています。ですので、ムービー前の読み込みはほとんどないと思います。データの読み込み関係では苦労していますね。
――ケータイのグラフィックで1点気になったところがあるのですが、ケータイを開いた時の画面左下にある“e”アイコンは何か意味があるのですか?
松原:正直に言うと、あの部分だけアイコンがないとさびしいから入れました(笑)。今後、何かあるかもしれないし、ないかもしれないというレベルです。
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→“エル・プサイ・コングルゥ”の元ネタはアレ!(4ページ目)
(C)2009 5pb. Inc./Nitroplus
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