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2010年4月29日(木)

【まり探】プロデューサーが裏技を披露!? 『TRICK DS版』開発者インタビュー

文:電撃オンライン

●『TRICK』のお約束が満載!? あんなマニアックな人物まで……

――人気ドラマをゲーム化するということで、プレッシャーを感じたことはありますか?

西山:あります。それはもう、とても!

岡村:なんといっても、世界の堤監督の演出をゲーム上でどうするんだ! というのがありましたね(笑)。

西山:こっちはさらに、KONAMIさんというプレッシャーもありましたよ(笑)。

――制作していて苦労されたことも?

西山:やはり、“『TRICK』ならではのお約束”の部分をどうやってゲームに落とし込むかは悩みましたね。1つのエピソードを丸々入れ込むという気持ちでいましたので、TVドラマシリーズのビデオを全部見て研究しました。

岡村:シナリオのボリュームがすごかったので、テレビ朝日さんの監修が大変だったと思います。「この量をするのか~。テレビ朝日さんにどうやって言おう」って(笑)。メインシナリオだけでも映画2本分くらいのボリュームで、それに分岐が入るという。

西山:TV業界からしてみると、すごいボリュームだと言われました。ウチはすみずみまで作り込むタイプなので、「こんなところにまでセリフが用意されているのか」とはよく言われます。ただ『TRICK』のお客さんと『神宮寺』のお客さんは基本的にゲームの楽しみ方も違うと思いますので、今回は重要なところはちゃんと押さえて、あとは絞った形になりました。『神宮寺』では、こんなところ絶対に見ないだろう、という部分まで用意しているんですけどね(笑)。

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▲『TRICK』の1つのエピソードが丸々楽しめる本作。ドラマの冒頭で必ず流れるマジックの話から始まり、奈緒子がアルバイト先の店長にクビを言い渡されるといった細かいところまで再現されている。

――特に『TRICK』は個性的なキャラクターばかり登場しますが、キャラクターを動かすのもやはり大変でしたか?

西山:原作のキャラを壊さないことは大前提なんですが、その枠の中で収まってしまうと普通のゲーム化で終わってしまいます。オリジナルキャラを入れるとか、シナリオで膨らませるとか、その兼ね合いに苦労しました。

――実写ではなくイラストを採用された理由は?

岡村:先ほども言いましたが、ゲームとしてちゃんと作りたかったというのが理由です。雰囲気を重視して実写でいくやり方も考えたのですが、それをやるとビジュアルに引っ張られすぎてしまうと思いまして。やはりゲームとして成立する形の絵面を考えた時に、イラストにしようと決めました。絵は今まで『神宮寺』で描かれていた方にお願いしました。

西山:たまたま原画家さんが『TRICK』の大ファンで、とにかく「奈緒子! 奈緒子!」って。もういいよって言うのに、奈緒子を描いてきたり(笑)。『神宮寺』は無表情のキャラクターが多くて、動きもあまりないんですよね。だから今回オーバーやクションなキャラクターたちをたくさん描けたのは、楽しかったようです。力の入れ具合は奈緒子がダントツで、ここに一番力を注いでいたようですね。

――キャラクターはかなり俳優さんに似てらっしゃいますよね。

岡村:サンプル画像を描いていただき、テレビ朝日さんや事務所さんに確認していただいたんですが、ほぼ一発OKでした。すごく喜んでいただいて。

西山:レギュラーキャラクターはほぼ出てくるので、楽しみにしていてください。

岡村:“照喜名”まで出すとは思わなかったよ(笑)。

西山:隠し的ではありますが、原作のパロディを盛り込んでいるところもあります。コアなファンにも、そういうところでクスっと笑ってもらえるのではないかと思っています。

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▲サブキャラクターとして、おなじみのレギュラー陣が総出演。奈緒子おっかけ“照喜名”まで登場したのには、岡村さんも苦笑い。

――制作中のトラブルやハプニングなどがありましたら教えてください。

岡村:トラブルと言いますか、シナリオは一部最後まで悩んでいた部分があって。何というと、『TRICK』では絶対出てくる冒頭のマジックの話、あのネタがまったく決まらなかったんです。

西山:実は、あそこのイラストは実際のドラマのイラストレーターさんに描いていただいたんです。

――えっ、そうなんですか!

西山:ええ、あのセピアのイラストは同じ方に描いていただいています。

岡村:BGMも全部ドラマと同じものを使っていますしね。本当にドラマスタッフの方には、いろいろと協力していただきました。

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▲ドラマでおなじみ、冒頭のマジックのエピソード。このシーンのイラストは、実際にドラマのイラストを手掛ける絵師に描いてもらったそう。

→次のページでは、気になる推理システムについて質問!(3ページ目へ)

(C)テレビ朝日・東宝 (C)2010 Konami Digital Entertainment

データ

▼『TRICK DS版 ~隠し神の棲む館~』
■メーカー:KONAMI
■対応機種:DS
■ジャンル:AVG
■発売日:2010年5月13日
■価格:5,250円(税込)
 
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