2010年4月29日(木)
――サンプル版をプレイさせていただいたのですが、推理パートが非常に作り込まれているという印象を受けました。証拠・証言をカードとしてストックしていくアイデアや、そのカードを整理して謎を解いていく“推理アシストマップ”はどのようにして生まれたのでしょうか?
岡村:「『TRICK DS版』は、こういうゲームなんです」とちゃんと説明できるようなシステムを作りたかったんです。僕自身、推理ものがすごく苦手で、証拠や証言をいちいちを覚えていられないんですよ。そういう僕でも名探偵の気分になれる、そんなシステムを作りたいなと思いまして。いろいろカードの形で証拠品が集まっていって、それを使って「ああでもない、こうでもない」と言いながら推理を組み立てていくゲームにしたいと、最初にワークジャムさんにお伝えしたんです。
カードが少ないなら、少ないなりに推理ができる――プレイヤーがこれで犯人を追い詰められると思ったら、「お前のやったことはみんなお見通しだー」っていつでも言えるような形にしましょうと。だから、当然証拠が足りないなら足りないなりに解決できるし、時間を掛けて捜査するとカードが増えていくので、それにともない難度が下がっていく、そんな形にしたいと話をして。それをそのまま、思い描いていた通り以上の形でワークジャムさんに実現化していただきました。
西山:岡村さんが言われたように、証言や証拠って覚えていられないんですよね。人や場所の名前をカードという形で視覚化し、並べて一覧で見れるのは新しいシステムになると思いました。ですから、ここは一番力を入れたところです。逆に力を入れすぎてですね……岡村さんと何度もぶつかって(笑)。
岡村:しましたねえ。モメにモメて二転三転四転五転くらいしましたね(笑)。
西山:上から順番に選択していくと、なんとか先に進める“総当たり”というやり方があるじゃないですか。今回なるべくプレイヤーに「結構自分って頭がいいかも」と思わせるため、“考える”という要素を形にしたかったんです。ある程度でき上がっている部分ももうちょっとやり直してみようとか、おもしろくないから他のにしようとか、本当にいろいろありましたが、結果的にうまくできあがったと思います。
――カードがすべてそろっていなくても推理できるんですね! 気付きませんでした……。
岡村:ある程度正解すると、進められるようになっています。
▲基本的に奈緒子と上田の掛け合いでトリックを解いていく。捜査でカードを集め、解決パートでそのカードを使用しながら推理を展開。 |
――推理の難易度を高めた代わりに、間違えた時のヒントはかなり多かったように思ったのですが。
西山:ゲーム全体の難易度をどのくらいに落とし込むかというところも、結構悩みましたね。難易度を上げると当然プレイ時間が長くなったり、プレイヤーの調べることも増えたりするとは思うんですが、今回に限ってはプレイしやすさを重視しました。
――本作で、注目してほしいポイントはありますか?
西山:失敗を楽しんでほしいと思います。もちろん先に進むためには正解を見つけないといけないんですが、「ここはないだろう」というところにも“何か”があったりしますので、ぜひ教授に怒られながら試してほしいなと思います。
岡村:いきなりですが、裏技を1つ!
――えっ!?
岡村:カードには、“貧”、“巨”、“偽”など変なのが結構あるんですよ。そういうカードもただのコレクションじゃなくてどこかで使えるので、使えるところをぜひ探してください。
西山:あからさまにこれは全然関係ないだろうと思えるようなカードもあるんですが、実はどこかで使えるようになっています。
岡村:推理アドベンチャーとしては、1つの注目すべきシステムになっていると思います。ですから、そういう部分をぜひ体感していただければと。同時に『TRICK』の楽しさ、『TRICK』らしさがすごく出ていると思うので、そのあたりも楽しんでほしいですね。
▲カードの中には少々変わったモノも。どこで使うんだと思いきや、意外なところで効果を発揮するかも? |
――最後にひと言づつ、本作を楽しみにしている人にメッセージを!
西山:『神宮寺』の世界観とはまた違う、『TRICK』の世界観を感じることができるゲームを作れたと思います。ぜひプレイしてみてください!
岡村:ゲームとしては、「意外だったけどよくできてる!」と思っていただける作品になっていると思います。現在体験版も公開中ですので、まずは遊んでいただいて、『TRICK』の世界観を楽しむと同時に、推理ゲームとしての新しいシステムを体験してみてください。今後1~2カ月は、ゲームに限らず、映画、TVなど『TRICK』ファンにはたまらない期間になると思います。ぜひそれらを楽しんでいただければと思います。
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岡村さんと西山さんに、『TRICK DS版』についてたっぷり語っていただきました。ちなみにお2人に好きなキャラクターを伺ったところ、岡村さんが上田教授、西山さんが奈緒子とのこと。ゲーム中では、教授と奈緒子がドラマさながらのバトル(?)を繰り広げます。仲よくケンカしながら謎を解いていく2人を見ていると、なぜか心が和みますよね~。
ちなみにまり蔵は、ドラマの第1期で活躍した怪しい広島弁がステキな石原刑事が好きです! ……まあ、今回のゲームには出てきませんでしたが。でも、レギュラー陣総出演と言っていいくらいおなじみのキャラクターがたっくさん出てきますので、『TRICK』ファンはお楽しみに! そして、モメにモメて生まれたという推理システムにも注目ですよ!
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