News

2010年8月3日(火)

【洋鯨亭 第22回】ゼニマックス・アジア、ローカライズへの心意気(後編)

文:電撃オンライン

■海外ゲームと国内ゲームについて

──海外ゲームと国内のゲームを比べてみて、どんなところに違いを感じますか?

 ローカライズ的な視点ではないのですが、単純に国内のゲームはシリーズものが多いなと感じます。特にナンバリングに高い数字がついたタイトルが多いなと。あとはストーリー的な部分で言うと、一本道のタイトルが多いですね。これは、日本人が一本道のストーリーだけを好んでいるのではなくて、それ以外のゲームがあまりなかったからだと思うんです。いろいろなタイトルが提供されてくれば、自由度の高いシナリオのゲームでも遊んでいただけると思っています。そういう意味では、まだまだ日本は新しいものが出にくい環境にあるのかなと感じています。

──最近日本でも何十万本も売れるFPSが出てきました。何か市場の変化のようなものは感じられますか?

 そうですね、PS2が全盛のころは日本のメーカーも元気でいろんなタイトルが発売されていましたよね。それがPS3を含む次世代機に移行してからは、海外製のゲームが増えてきました。お店の棚を見てもわかりますが、タイトルの半分ぐらいは海外メーカーが開発したソフトです。そんな状況でユーザーさんが実際に海外ゲームに触れてみて、海外ゲームを見直していただいているのではないかと思っています。今のように海外ゲームが浸透したのは、Xbox 360とPS3がネット接続を前提としたハードになって、オンライン対応ゲームが増えたことも理由の1つだと思っています。FPSはシングルプレイよりもマルチプレイのほうが圧倒的に楽しいですから、FPSが浸透したのはこの点が大きいと思いますね。

■気になるゼニマックス・アジアさんの新作ソフトについて

【洋鯨亭 第22回】ゼニマックス・アジア、ローカライズへの心意気(後編)

──ところで、注目の新作『Fallout: New Vegas(フォールアウト:ニューベガス)』のローカライズ状況はいかがですか?

 当然ですが、ローカライズはしっかりと始まっています(笑)。今回はセリフの分量でいうと『Fallout3』の20%増しになっていますね。

──『Fallout 3』もかなり多かったですが、それ以上ですか!

 でも、実際にゲームをやるとそんなに多いとは感じないかもしれませんね。ローカライズのボリュームは確かに前作以上なんですが、マップの数やイベント数的には前作と同じくらいの規模になっていますから。つまり、今回もかなり遊べます(笑)。

【洋鯨亭 第22回】ゼニマックス・アジア、ローカライズへの心意気(後編) 【洋鯨亭 第22回】ゼニマックス・アジア、ローカライズへの心意気(後編) 【洋鯨亭 第22回】ゼニマックス・アジア、ローカライズへの心意気(後編)

──北米が2010年10月19日、日本が2010年11月4日と、発売日も決まりましたね。

 はい。国内の発売日をなるべく近づけようと頑張って、なんとか2週間遅れで済みそうです。

──それでも海外版を買っちゃう人もいるんでしょうね。

 そうですね。日本発売までの2週間が待てないという方は……それでも、メーカーとしてはありがとうございます、ですが(笑)。

──今回も国内版と海外版では内容に大きな差はないですか?

 身体の部位欠損については前作同様ですが、僕がざっと見た感じでは他の変更点はなさそうですね。

──『Fallout: New Vegas』で注目してほしい点はどこですか?

 前作を遊んだ方にはおなじみですが、あの自由度の高さですね。他にも武器のカスタマイズであったり、ハードコアモードが追加されているといった要素でしょうか。物語的なことで言うと、前作は2つの大きな勢力の抗争を描いていたのが、今作では3つの勢力が争う世界になり、物語の深みが増しているところですね。もう1つ経験者向けに言うと、チュートリアルに該当する部分(前作のVaultから外に出るまで)がかなり短縮されたので、テンポよくゲームが遊べるようになった点ですね。

──それらの改良は、やはりユーザーの意見によるものなのでしょうか?

 そうですね。特に初心者の方からの意見を参考にしています。『The Elder Scrolls IV : オブリビオン』のチュートリアルでは、キャラクタークリエイトに悩んでチュートリアルを終わらせられない方もいらっしゃったので。それと、このゲームはストーリーも独立していますし『Fallout: New Vegas』で初めて『Fallout』に触る方でも問題なく遊べますよ。

──では最後に、今後ローカライズを行うにあたって、ゼニマックス・アジアとしてこうありたいといった理想はありますか?

 我々の仕事は最終的にはお客さんの望むものを、なるべくそれに近い形で提供することだと思っています。そういった意味で、なるべく海外タイトルの鮮度が落ちないうちに日本のユーザーさんにお届けしたいのが1つ。あとはユーザーさんのご意見に随時耳を傾けながら、海外版ソフトの持つ雰囲気を崩さないようローカライズできればいいなと考えています。

──ありがとうございました。

 インタビューの最後は、ゼニマックス・アジアの最新作『Fallout: New Vegas』日本語版にも触れさせていただきました。ちなみに、8月5日からは本作の予約もスタートします。全国のゲームショップなどにポスターが掲示されますので、そちらで予約特典や初回特典などもしっかりチェックしてみてくださいね。

→いつものご意見募集です(3ページ目へ)

Fallout(R): New Vegas(C) 2010 Bethesda Softworks LLC, a ZeniMax Media company. Bethesda Softworks, ZeniMax and related logos are trademarks or registered trademarks of ZeniMax Media Inc. in the U.S. and/or other countries. Fallout, Fallout: New Vegas, and related logos are trademarks or registered trademarks of Bethesda Softworks LLC in the U.S. and/or other countries. Developed in association with Obsidian Entertainment Inc. Obsidian and related logos are trademarks or registered trademarks of Obsidian Entertainment Inc. All Rights Reserved.

データ

関連サイト