2010年11月18日(木)
トップバッターは『M10』の発売以降、環境のトップを走り続けているこのデッキです。《原始のタイタン》を筆頭とする各種マナ加速カードを使用して大量の土地を展開し《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》のための山をそろえます。《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》2枚、《山》4枚の状態から《原始のタイタン》や《砕土》などで《山》2枚を戦場に出され、12点のダメージを受けた経験は、最近のスタンダード大会に出ているプレイヤーなら少なからずあるのではないでしょうか。デッキレシピはこんな感じです。
28 土地 12《山》 5《森》 4《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》 1《怒り狂う山峡》 3《進化する未開地》 3《広漠なる変幻地》 11 クリーチャー 4《草茂る胸壁》 4《原始のタイタン》 3《ゼンディカーの報復者》 |
21 その他の呪文 3《稲妻》 2《槌のコス》 4《探検》 4《カルニの心臓の探検》 4《耕作》 4《砕土》 |
“ヴァラクート”デッキの強みは、何よりもまず土地という非常に対処しにくいダメージソースを活用しているところです。
《地盤の際》や《酸のスライム》のような土地破壊カードによってヴァラクートを破壊することは可能ですが、タイタンによって次々と供給されるヴァラクートを破壊しつくすことは不可能だと言っていいでしょう。
また、この大量に土地を供給するというコンセプトが、緑が得意とする大型のクリーチャーを生かせる構成になっているところもポイントです。ヴァラクートデッキと対戦する場合、ヴァラクートと大量の山が揃ってしまわないよう注意しながら、同時に早いターンに登場するタイタン、《ゼンディカーの報復者》、《ガイアの復讐者》といった高パワーのクリーチャーにも対処しなくてはなりません。
さらに『ミラディンの傷跡』からは《槌のコス》を獲得し、攻めのバリエーションを増やすこととなりました。2ターン目のマナ加速呪文から3ターン目に登場する《槌のコス》はコントロールデッキ相手には非常に強力で、そのまま忠誠値を5まで上げてしまえばコスの3つ目の能力により、ほぼ間違いなく勝利をおさめてしまうことができるでしょう。
もちろん、このデッキにも弱点がないわけではありません。それは『M10』と『M11』のローテーションで《不屈の自然》を失ってしまったことです。現在、2マナのマナ加速カードは《草茂る胸壁》を採用するのが主流となっていますが、《乱動への突入》などでこのクリーチャーが対処されてしまうと、一気にマナ加速のペースがダウンしてしまいます。《乱動への突入》は同様に《カルニの心臓の探検》にも有効なカードで、カウンターが2個乗った状態でバウンスされてしまうと、もう1回カウンターを乗せるには時間がかかりすぎてしまうことがあります。
このように、最序盤のマナ加速を妨害されてしまうと、十分な数の山を用意することや、マナ・コストの重いクリーチャーを展開することができなくなったりと、ヴァラクートデッキの攻撃力は大きく下がります。同様に《マナ漏出》《呪文貫き》といった打ち消し呪文も苦手で、これらを擁する青系のコントロールデッキには苦しい戦いを強いられるパターンが見受けられます。
(C)1995-2010 Wizards of the Coast LLC, a subsidiary of Hasbro, Inc. All Rights Reserved.
[Text by ねこひげ合同会社/ゆば]