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2011年6月8日(水)

名越監督の新作『BINARY DOMAIN』は仲間と音声でコミュニケーションするTPS!!

文:電撃オンライン

 米国現地時間6月7日、ロサンゼルスで開催中のE3初日に行われた、PS3/Xbox 360『BINARY DOMAIN(バイナリー ドメイン)』のプレゼンテーション&デモプレイ。その様子をお伝えする。

 セガの『龍が如く』シリーズでおなじみの名越監督と開発チームが制作中の『BINARY DOMAIN』は、2080年の東京を舞台に、“命”をテーマにした熱い人間ドラマが展開する、3人称視点のアクションシューティング。今回は、開発チームのプログラマー・佐藤さんによるプレイ、そしてメインプランナーの坂本さんによる解説が行われた。また本作は、全6章で構成され、今回のデモプレイでは渋谷が舞台となる第2章が使われた。

『BINARY DOMAIN』 『BINARY DOMAIN』
▲上層と下層に分かれた東京で、人間とロボットの激戦が繰り広げられる。

 物語やバックグラウンドなどは2報3報をご覧いただくとして、ここでは本作に関する新情報をお伝えしたい。その新情報とは“音声認識”による仲間とのコミュニケーションプレイだ。

 本作の主人公、ダン・マーシャルは多国籍な傭兵部隊の一員となり、複数の味方と協力してロボットを相手に戦うことになる。そんな中、戦闘中などに味方への指示が音声で行えるとのこと。デモプレイでは、渋谷の街での銃撃戦が繰り広げられたのだが、基本的な画面構成などはよい意味で海外TPS作品に近く、そういったタイトルを日ごろからプレイしているユーザーにとっては非常に遊びやすそうな印象を持った。

 音声認識についてだが、基本的には市販の音声入力が可能なヘッドセットが使えるとのこと。Xbox 360なら純正のヘッドセットで問題ない。またPS3版では、デザインにもこだわったヘッドセット同梱版を制作する予定だ。

 音声認識では、まず音声による認識の基本となる単語“サンプルワード”が設定されている。その内容は、“撃て”や“援護しろ”、“集まれ”そして“助けろ”など、ごくごく一般的なものだ。これらを状況によって、“フェイ+助けろ”などのように“キャラ名+サンプルワード”の形で発声すると、対象のキャラクターがその行動を取る。

 これは、銃撃戦で忙しい状況では、非常に便利かつ簡単。何より実際にキャラクターとコミュニケーションをとっているような気分になれる。ちなみにサンプルワードはあくまでサンプルで、先ほど紹介したワード以外にも1つの単語に同一の意味を持つ言葉が数十種類登録されている辞書を持っているそうだ。またキャラクター名を言わない場合は、味方全員に対する命令となることも説明された。

 そしてデモプレイも進み、ロボットとの戦闘が繰り広げられる中、ロボットたちの激しい応戦に主人公が重症を負う場面に遭遇。その時、プレイを行っていた佐藤さんが“フェイ、助けろ!”と叫び、これで助かるかと思いきや……味方の女性兵士・フェイからまさかの「無理よ、何言ってるの」との答えが!

 どうやらこれは各NPCに設定された信頼度が関係しているらしく、戦闘中の行動や会話によって増減するらしい。つまり、信頼度が高ければ多少の無茶な命令も聞き入れてくれたり、低ければ拒否されることがあるようだ。ただし信頼度が高すぎると、無謀な命令も実行してしまうらしく、状況によっては逆にピンチになってしまうこともあるらしい。ちなみに他の味方に助けを求めた際は“がんばれ”と言われ、サラッと流されてしまうこともある模様。プレイ当初は、なかなか命令をきかせるのは大変そうだ。

『BINARY DOMAIN』
▲仲間からプレイヤーに対して援護要請などが出る場合もある。それに対応するか拒否するかも、プレイヤーが決定可能だ。

 他にも“愛してる”などのワードもあるのだが、これは戦闘中に使用すると怒られてしまい、信頼度を下げてしまうようだ。ではこういったワードはどこで使用するかというと、戦闘の合間の掛け合いなどで使われるらしく、つまりは“そういった展開”もあることの裏づけと言えるだろう。とはいえ、やはり音声認識のメインとなる使用場所は戦闘中。名前を呼ぶだけでも「何?」といった反応を示すなど、音声認識によるインタラクティブ性が非常に高い。

 また音声認識以外にも『BINARY DOMAIN』が持つ特徴が判明した。それは、敵ロボットのAIについてだ。敵ロボットは部位ごとの破壊が可能なのだが、破壊された部位に対応して、AIが変化する。たとえば“アサルトシューター”と呼ばれる敵は、頭部を破壊されると敵味方の認識が不可能になるため、無差別に同士討ちを始める。これを利用すれば、集団で襲い掛かられるシーンなどで敵の群れをかく乱することができるそうだ。

『BINARY DOMAIN』 『BINARY DOMAIN』
▲ボディの破壊でも敵を倒せるが、部位破壊によるAIの変化を利用して自分たちに有利な戦い方を行うのも、本作の攻略のポイントだ。

 ちなみにプレイヤーは、戦闘の途中で東京の街中にある端末を通じて、回復アイテムなどを購入可能だ。設定上、主人公は敵を倒すごとに自動的に傭兵としての報酬を得るため、その報酬を使用してアイテムを購入することになるらしい。デモプレイで回復アイテムを購入したところ、ジュースの自動販売機のような“当たり”が出て回復アイテムがもう1個獲得できたのは、さすが『龍が如く』開発チームの遊び心といったところか。

 こういった自動販売機の“当たり”の他にも、東京が舞台ということでコテコテの日本的な演出がずい所に挟まれるそうだ。主人公は外国人だが、町の人々は日本語を話すし、もちろん渋谷のスクランブル交差点やハチ公像など、おなじみの場所も出てくるとのこと。

 なお、同日行われた名越監督へのインタビューはもう1つの記事でお伝えする。そちらもぜひご覧いただきたい。

(C)SEGA
※画面は開発中のもの。

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