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2011年6月29日(水)

複数で戦う『MTG』の魅力を味わおう! 『統率者』の試遊レポートをお届け!

文:電撃オンライン

■“統率者戦”で遊んでみる!■

 それではここから、試遊会の模様をライター・ゆばがレポートしていきます。用意された5種類のデッキのうち、ゆばが選んだデッキは青+赤緑で組まれた“鏡の秘術”デッキです。統率者は、この商品のためにデザインされた新カード《二つ反射のリクー》をチョイスしてみました。

『統率者』 『統率者』
▲“統率者戦”用のデッキには、他のプレイヤーに自分の統率者がわかりやすくなるように、大判カードが数枚封入されています。

 この《二つ反射のリクー》、3色マルチカラーの5マナで伝説のクリーチャーではあるもののパワー/タフネスは2/2と非常に小粒……。戦場に出たとたんすぐに消されるんじゃないかとビクビクせざるをえないレベルです。それだけに、イケメ……もとい、能力が非常にイカしています。なんと、自分がクリーチャーを戦場に出したり呪文を唱えたりした時に、追加でマナを払うことでそれをコピーできるのです! しかも、デッキにはマナ加速カードとパワフルな大型クリーチャーが大量に搭載されていて、ブン回った時の圧倒的(であろう)強さになんとも夢が広がります。

『統率者』 『統率者』 『統率者』
▲ちなみに、1つのデッキには3枚の統率者候補となる伝説のクリーチャーが投入されています。“鏡の秘術”デッキにはリクーの他に《夢見るものインテット》と《精霊の魂、アニマ―》が入っています。

 “統率者戦”では、マリガン(最初の手札を交換して新しくする)ルールも通常と異なっています。最初の1回はフリーマリガンで、手札の枚数を減らさずマリガン。それでも手札がよくなかった場合はパリスマリガンという方法でマリガンします。これは、ポーカーのように残したいカードを手元に残して、交換したいカードをデッキに戻して引き直すというもの。カードを引く際は、元の手札より1枚少なくなるようにして引きます。手札が7枚の状態で3枚を残す場合は、4枚をデッキに戻し、3枚を引き直すことになります。

 また、“統率者戦”は公式フォーマットではないため、遊ぶプレイヤーによって細かい部分は変更してしまっていいようです。自分のお気に入りの伝説クリーチャーを統率者にして、とにかく楽しんでほしいという商品なので、マリガンなどについてはあえて厳密なルールを定めていないようですね。最初はてけおん、カネキング、そして来場者のSさんとプレイ。

『統率者』
▲お互いの統率者が確認しやすいよう、統率者カードとその大判カードはテーブルの中央に置くのがよさそう。大判カードをそのまま“コマンド領域”にしてしまえば、わかりやすさはさらにアップ!

 序盤は勝手がわからないようで、あまり攻撃的なアクションをする人はいませんでした。いわゆる様子見ですね。土地を伸ばす、壁となるクリーチャーを展開するなど「ボクは無害ですよ。だから狙わないでね♪」とアピールする静かな立ち上がりです。……ですが、4ターン目に早くもてけおんが統率者を召喚しました! 現れたのは、新カード《巨大なるカーリア》っ!!

『統率者』
▲空気を読まないてけおんがいきなり爆弾カードを戦場に投入! この暴挙により、それまで和やかだったテーブルの空気が一変……。

 4マナ2/2飛行と、そこまではいたって普通のスペックですが、持っている能力がマジ理不尽!! なんと、攻撃するだけで手札から天使かドラゴンかデーモンのクリーチャーカードを戦場に攻撃に参加した状態で出せるという意味のわからない強さ!

 「通るか……っ! そんなもん……っ!!」と内心ブチ切れつつ、「誰か除去してくれませんかねぇ」と周囲をうかがうも、他のプレイヤーの手には除去がない、もしくは持っているけど静観する模様です。そうこうするうちに《巨大なるカーリア》に攻撃の機会が訪れてしまいます!! ニヤニヤと上機嫌のてけおんが戦場に出したのは《砕けた天使》。他にも激ヤバなクリーチャーがいる中で、意外とおとなしめなカードの登場です。「さては、集中攻撃を恐れやがったか……あるある」と胸をなでおろしましたが、すぐにそれが間違いだったことに気付かされます。

『統率者』

 この《砕けた天使》、3/3飛行とゲームを決められるほどのサイズではありませんが、持っている能力が地味にイイのです。他のプレイヤーが土地を出すたびに3点のライフを得るという能力で、多人数戦だとターンが一巡する間に平気で6点、多ければ9点も回復されてしまうのです! 一周したところでカネキングも「誰か《砕けた天使》落とそうぜ!!(笑)」と笑いまじりに言いましたが、誰も具体的な行動は起こしません……。私も、そしておそらくSさんも「お前が落とせよ……」と思っていたからです。

 確かにいい仕事をするけれど、わざわざ破壊しなくても負けはしない……。そんなカードを投入し、ドヤッっと言わんばかりのてけおんが静観する中、Sさんも戦場をざわつかせる一手――統率者《胞子の教祖、ゲイブ》を戦場に送り出しました!!

『統率者』

 《胞子の教祖、ゲイブ》は+1/+1カウンターを乗せた状態で戦場に現れ、それを取り除くことで1/1のトークンを出せます。また、クリーチャーを生け贄に捧げることで自身の+1/+1カウンターに変換するという、ちょっぴりややこしい能力を持つクリーチャーですが、ぶっちゃけ強いってことです。

 ならば自分も、とばかりに《二つ反射のリクー》を戦場に出してみます。すると、てけおんからおもむろに《破滅の刃》が飛んできて、リクーはコマンド領域に速攻リターン……。ま、マジかよ! 「えっ!? 何で俺!?」と涙ながらに抗議すると「いや、あからさまにマナ伸びてるし、《破滅の刃》じゃ《胞子の教祖、ゲイブ》とか殺せないじゃん?」とのこと。他の2人も「ですよねー」と言わんばかりの表情。悔しいけれど、理屈は通っている……っ。

 “統率者戦”では目立った動きをすると、“出る杭は打たれる”のことわざよろしく他のプレイヤーたちに叩かれてしまいます。こちらも泣きながら抗議しましたが、リクーに続いて唱えたカードは《シミックの空呑み》に《雑食のハイドラ》とパワフルきわまりない連中。「これコピーできたらほぼ勝ちじゃん?」というたくらみは、見透かされていたようです。

『統率者』 『統率者』
▲《シミックの空呑み》も《雑食のハイドラ》もゲームエンド級のメチャ凶悪なクリーチャーです。これがコピーできていればなぁ……。

 1対1のデュエルと違い、複数戦ではプレイスキルや運に加えて、場の雰囲気をどうにかする政治力が必要になります。先ほどのてけおんのセリフのように、理屈で周囲を納得させることも政治力と言えるでしょう。空気も何も読まずに強力なクリーチャーを出していては、周囲からフルボッコにされること請け合いです。

 それを象徴するかのように、デッキによっては“すべてのプレイヤーがカードを引く”“あなたと、特定のプレイヤーだけがカードを引く”などの呪文も投入されています。交渉能力ってマジで大事。

→いよいよ決着!! はたして勝ったのは……?(3ページ目へ)

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[Text by ねこひげ合同会社/ゆば]

データ

▼『マジック:ザ・ギャザリング 統率者 日本語版 BOX』(5種類入り)
■メーカー:タカラトミー
■発売日:2011年6月17日
■価格:18,900円(税込)
 
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