2011年8月25日(木)
レースカテゴリーの部分でちょっと触れましたが、本作から新しく追加された要素の1つに“ジムカーナ”があります。ジムカーナとは、本作で監修を務めているレースドライバー、ケン・ブロック氏の得意競技で、スピードではなくドリフトやターンといったテクニックの美しさを競い合う点が大きな特徴。普通は駐車場のような広いスペースを使って行われ、与えられた時間内にどれだけアクロバティックなアクションを決められたかで勝敗が決まります。
通常のレースとはまったくルールが異なるため、最初はちょっと面食らったものの、慣れてくるとこれが楽しい! ジムカーナでポイントを獲得する方法はいくつかあり、例を挙げると、
●コース中のターゲットを破壊する(スマッシュ)
●ジャンプ台でジャンプを決める(エアー)
●ドリフトを決める(ドリフト)
●決められたエリア内で車体をスピンさせる(スピン)
●決められたオブジェクトの周りをドリフトしながら回転する(ドーナツ)
――といった具合。レースというよりはフィギュアスケートのような趣があり、スピンやドーナツといった難易度の高いアクションがきれいに決まったときの気持ちよさはひとしお。「うまくできない!」という人は、トリックステアというアシストをONにすると、ドリフトコントロールがしやすくなるので活用してみるといいかもしれません。
▲普段のレースとはまったく違ったドライビングテクニックが求められるジムカーナ。慣れるまでは「誰も見てなくてよかったな」とか、ケン・ブロックにぶちぶち文句を言われます……。 |
▲ゲームが進むと練習用のフリーエリアが解放に。ここでは時間を気にせずジムカーナの練習ができる他、“隠されたターゲットを破壊する”“ポールのまわりでドーナツを決める”といった課題リストを埋めていく要素も。これが意外に楽しく、本編そっちのけで熱中してしまうこともしばしば。 |
――とまあ、ご覧いただいたとおり、とにかくモータースポーツのおいしいところ、全部乗っけてみましたといった感のある本作。新要素のジムカーナに至ってはもはやダートレースですらなく、“おもしろければなんでもいいんだ!”というスタッフの欲張りっぷりが透けて見えますね。でもこの欲張りっぷりが『ダート』シリーズの『ダート』シリーズたるゆえんなんだろうなあ。
そしてもう1つ感動したのは、随所に盛り込まれた敷居を下げる工夫。リアルさと引き替えに、初心者をバッサリ切り捨ててしまうレースゲームも多いなか、本作はアシストとフラッシュバックという、ゲームならではの要素をうまく取り入れることで、リアルさを損なうことなく、初心者への間口を広げることに成功しています。おいしいところは盛り込みまくる一方で、「おいしくないところは避けて食べてもいいんだよ」と言ってくれる心配りがなんともニクいじゃないですか!
もちろん本作を指名買いするような人のほとんどは、最初からレースゲームが得意な人なんだと思います。でも個人的には「レースゲームは好きだけど、最近のレースゲームはちょっと難しくて……」という人にこそ本作はオススメしたい。アクセルを踏み込むのが楽しい。コーナーを曲がるのが楽しい。見たことのない場所を走るのが楽しい――。『ダート3』はきっと、そんなレースゲーム本来の楽しさを思い出させてくれるはずです。
▲グラフィックの美しさは今世代のレースゲームではおそらく最高峰。見たことのない外国の道をただ走るだけでも楽しい。 |
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