2012年2月13日(月)
――第2巻の発売を楽しみに待つとして、今度は聴猫先生自身のことについてお聞かせください。いつから小説を書こうと思ったんですか? キッカケなどもありましたら教えてください。
書き始めたのは5年くらい前ですね。まだ大学生の時。書こうと思ったキッカケは……すみません、忘れてしまいました(笑)。
――小説自体は昔から読んでいたんですか?
ええ。中高生の時からずっと読んでいました。中でも、鈴木鈴先生の『吸血鬼のおしごと』にはかなり影響を受けていると思います。考えてみたら、これが小説を書こうと思ったキッカケかもしれません。
――どんなところに影響を受けましたか?
作品の終わり方に衝撃を受けたんです。きれいな終わり方をするための要素をさまざまなところに撒いておいて、でも読者の予想をさらに裏切って終わる……という展開がすごく衝撃的で、引きつけられてしまいました。
――他にはどんな作品を読んでいたんですか?
うえお久光先生の『悪魔のミカタ』シリーズが好きですね。あんなにキャラクターが生きている小説は見たことがないです。
――電撃文庫の作品がお好きなんですね。
そうですね。ただし、住んでいるところにあまり大きな本屋がなかったんですよ。本屋の棚もスペース的に電撃文庫が多くなっていたんだと思います。そのせいもあるんじゃないかと。
――読んでいるうちに、自身で書くようになったと。最初に書いた作品はどんな作品なのですか?
最初はある作品の二次創作でした。
――オリジナルの作品はもっと後ですか?
いえ、そんなに時間は開いていません。二次創作のほうが少し早かったくらいです。自分が読みたいものを一番書けるのは、自分だと思うんですよ。自分で書いて自分で満足するような感じでした。
――作品のストックはかなりあるということですか?
最初のほうで“読者によろこばれる作品を書こう”と言いましたが、そういう作品ではありませんので、世に出せるかどうかは別ですね。
――それらの作品は、あくまで聴猫先生自身が読みたい作品だということですね。
ええ。以前、Webで小説を連載していたことがあったんですが、その時にいただいた評価が「おもしろいけれど、主人公とヒロインがウザい」というものが多かったんですよ。自分でも個性が強すぎるキャラクターだとは思いながら書いていたんですけどね。
――その時の感想が、今の執筆スタイルに影響していると。
そうですね。受け入れられないとわかって書いていたので、それがわかっているのであれば逆にしてみようと。やはり、読んでくれる人によろこんでもらいたいという思いが一番強いです。
――そこがこだわっているポイントなのでしょうか?
キャラクターや展開、ストーリーなど、いつも読む人を意識して作っています。自分だけが読む作品とは正反対ですよね。
――Webで作品を掲載していたということですが、まわりの人に読んでもらうこともあるんですか?
ネタについてある知人に相談することはありますが……小説を書いていることは、周囲の人間にほとんど言っていないんですよ。この作品も、投稿してしまった後に話をしたので、読ませることもできませんでしたし。
――その知り合いの方にはどんな話をするんですか?
作品についても相談しますが、他には「次はこんなのが流行するのでは?」なんて話をしていますね。
――次はどんな流行が来るんでしょうか?
内緒です!!(笑)
――今回、初めての改稿作業だったと思うのですが、そちらはいかがでしたか?
かなりスムーズでしたね。ここだけの話、お会いするまでの一般的なイメージとして、担当さんって、もっと怖い方だと思っていたんですよ。それが実際にお会いしたら本当にいい人で。作品に対するイメージがほとんど一緒でしたので。
――改稿もとてもスムーズだったと。
ええ。こちらの思っていることをしっかりと読み取ってくださるので、ビックリしましたね。結構直しは入れましたが、期間的には1カ月もかかっていないと思います。強いて言えば……「もっとゆっくり書いてくださっていいですよ」と言われて、反省しました。これは「もっとしっかりと直せ」ということなんだろうな、と。
――どのあたりを修正したんですか?
設定について矛盾しているところのつじつま合わせだったり、各キャラクターのシーンをもっと増やしたり……といった感じです。
――アイデアが浮かぶのはどういう時ですか?
歩いている時ですね。『あなたの街の都市伝鬼!』も歩いている時にアイデアを思いついた作品です。音楽を聴きながら、頭の中でいろいろと考えているといろいろなアイデアが思い浮かんでくるんですよ。
――ネタに詰まった時なんかにも散歩するんですか?
しますします。夜中に1人で歩いて警官さんに職質を受けたこともあります(笑)。
――職務質問されたんですか(笑)。なんて説明したんですか?
正直に「小説のネタ出しに困って散歩してました」と答えました。そしたら「小説が出たら買うからペンネームを教えてくれ!」と言われましたが……初老の方でしたので、さすがに電撃文庫の売り場を探させるのは申し訳ないと思って丁重にお断りしました。
――話は変わりますが、今注目している作品はありますか?
伏見つかさ先生の『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』ですね。ずっと読んでいます。あれだけたくさん女の子が出てくるのに、みんなとてもカワイイんですよね。
――お気に入りのキャラクターはいますか?
あやせが好きです。ヤンでほしいです。サキもヤンデレっぽいところがあるので。
――えっ? サキってそんなにヤンでいましたっけ?
自覚はしていないでしょうけど、実はそういうキャラなんです。学校で出雲のピンチにすぐ出てくるじゃないですか。あれはストーカーチックに鏡から出雲のことを見ているからなんです。
――なるほど。言われてみれば確かに……。
書こうと思えばもっとヤンでいるようにも書けるのですが、かなり抑えて書いています。サキが自覚したら、もっとそういう部分が出てくると思います。話がそれましたが、他には峰守ひろかず先生の『ほうかご百物語』も好きです。とにかくイタチさんがカワイイんですよ!
――小説以外にはどういうものが好きだったんですか?
そうですね……。高校生くらいの時にはネットゲームを遊んでいましたね。『ラグナロクオンライン』は今でもたまにやっています。他にも『ファイナルファンタジーXI』も遊んでいました。
――ネットゲームがお好きなんですね。他にはどんなゲームを遊んでいるんですか?
TRPGは好きですね。作家志望の人間は結構好きなのではないかと思います。他には『サモンナイト』シリーズも好きです。あれもキャラクターがかなりしっかりとしていますし。それだけに、フライト・プランが業務終了してしまったのはとても残念ですね……。
――それでは最後に、電撃オンラインの読者にメッセージをお願いします。
まずはこのインタビューを読んでくださってありがとうございます。手に取ってくださる方は、表紙に描かれている女の子がカワイイと思って手にしてくれると思うんです。もちろんこの女の子もカワイイですし、他にもいっぱいカワイイ女の子が出てきて、主人公を怖がらせようとします。皆さんも一緒に怖がってくださったら何よりです。
(C)KINEKO SHIBAI / ASCII MEDIA WORKS
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