2012年6月21日(木)
▲左さん。 |
キャラクターデザインを左さんに依頼した理由は、売り出し中の絵師であることと、本作のシックな世界観にマッチしていたためだという。ゲストとして登場した左さんは、『アトリエ』初期シリーズを学生時代に遊んでいたため依頼をもらってうれしかったが、同時に迷いもあったと告白。最終的には、好きだったシリーズにかかわれるならと、OKを出したという。
話題は、キャラデザインを行う過程についてに移行。妹のニオを例に挙げ、説明された。ニオのデザインは、アーシャができる前から動き出したため、探りながらの作業だったという。姉妹ということで、共通項に“花”をデザインに組み込むことが決まる。
いろいろなチャレンジをしつつ、デザインのやり取りは行われた。3回目のデザイン提出時くらいから、アーシャのデザインが決まり始めたため、それを反映しつつ、ニオのデザインは再度変更される。左さんとやり取りをしていたチーフディレクターとの会話から、ニオがショートカットになることが決まる。
4、5回目のデザインでは、ニオやアーシャに本採用されているような衣装の片鱗が見える。最終的に、アーシャが肌を露出していたため、ニオは肌を見せないというコンセプトとなった。
▲7回目のイラストが映し出されると左さんは「自分で思っていたより、(何回も)描いていますね」と笑いながら、当時を振り返った。 |
「左さんといえば、キャラクターの動きを感じるようなイラストが魅力」と語る岡村ディレクター。デザインだけでなく、表情も多数書いてもらったそうだ。これによって左さんだけでなく、開発スタッフもキャラクターについてより深く理解できたとのこと。
▲高津さん。 |
『アトリエ』シリーズといえば、美麗なオープニングムービーも注目要素の1つ。本作でOP映像を手掛けているのは、これまでのシリーズのOPを手掛けてきたポイント・ピクチャーズ。岡村ディレクターは、これまでのようなキャラクターを前に出したものではなく、世界観やアーシャとニオをフィーチャーしたストーリー性のあるものにしてほしいと、映像ディレクターの高津幸央さんに依頼したという。
高津さんが世界観とともに気に入ったのは、OPテーマ曲の『花標』。しっとりとしていて淡い楽曲が、左さんのイラストにマッチすると考えたという。これまでにない雰囲気のオープニングを見た左さんは、「色遣いや雰囲気がすごくキレイです。色の淡さもこれまでと違っていますね」と感動していた様子だった。
左さんは、“アーランド”シリーズが好評であることを知りつつ、依頼を引き受けたという。「迷いもあったし、今でも継続してプレッシャーはあります」とした上で、「もし次のチャンスをいただけるなら、今回いただいた意見を真摯に受け止めて、やっていきたいです」とコメント。続けて高津さんも「『アトリエ』シリーズの世界観を皆に伝えられればと考えて作りました。また機会があれば、よろしくお願いします」と、次回作への意欲を示した。
▲左から、岡村ディレクター、井上さん、伊瀬さん。 |
続いて、アーシャ役の井上麻里奈さんと、ニオ役の伊瀬茉莉也さんが登壇。井上さんは自身が演じたアーシャについて、普段は薬師として薬を作っているが、行方不明になったニオを探して旅していくと説明した。また、「カワイイのにすごくシスコンで、ニオのことだと突っ走っていく」と加えた。
普段は、元気な女の子を演じることが多い井上さん。今回の話をもらった際に井上さん自身も「なぜ私?」と戸惑ったそうだ。岡村ディレクターも、井上さんがアーシャのようなフワフワした子を演じているイメージがなかったようだが、いつもとは違ったいい演技を見て「出てもらってよかった」と感想を述べていた。
伊瀬さんは、自身が演じた妹のニオについて、しっかり者なのに姉に似て少し抜けた一面もあると感じたという。他にも共通項として「お姉ちゃんとの再開を夢見る、お姉ちゃん同様のシスコン」と笑いながら話した。岡村ディレクターは、伊瀨さんの演技について「ニオはしっかりとした性格で天真爛漫な女の子なので、伊瀬さんの演技とマッチしていた」と、井上さんと同様に太鼓判を押していた。
アフレコについては、井上さんが主役ということでセリフ量がすごかったとコメント。しかしセリフをただ読んでいくのではなく、自分が好きなようなセリフをアレンジしたり、アドリブをはさんだりできたため、すごく演じやすかったという。岡村ディレクターは、このやり方はガストの作品だとよく行われているやり方で、演じている声優がキャラをつかんでセリフをアレンジしながらアフレコしたほうが、いい形になるためだと説明した。
一方の伊瀬さんは、途中まで行方不明であるためそこまでセリフ量は多くなかったという。しかし、見つかる前と後では心情が変化するため、「その表現が少し難しかったですね」と当時を振り返った。伊瀬さんが話したように、ニオが見つかった後も物語は続いていく。岡村ディレクターによると、ニオには大事なシーンが多く用意されているそうなので、伊瀬さんの演技に注目してみては?
以前の情報で掲載したように、本作には多くのアーティストが参加している。ここでゲストとして、バトルテーマ『Stargazer』を歌う紗也さんが姿を見せた。自分自身の曲がゲーム中で流れることについて紗也さんは、「すごくうれしかったです!」と笑顔で語った。
『Stargaze』は、これまでにない曲で不安もあったようだが、無事に収録を終えた。「パワーがある力強く曲で、歌詞には大切な人を助けたいという思いがこもっています」と説明。最後の「あなたのもとへ」という歌詞は、歌うというよりはセリフを言うようなつもりで臨んだという。この曲は、ユーリスが最高潮にカッコいいシーンで流れるとのことなので、楽しみにしておこう。
▲7月1日には、大宮ソニックシティで同社初となるイベント“ガスト・ガーラ ~アトリエ&シェルノサージュ~”が開催される。当日は、井上さんと紗也さんもイベントに参加。その他にも豪華ゲストによるトークやグッズ販売が予定されている。 |
最後に4人からメッセージが贈られたので、以下に掲載する。
井上さん:『アーシャのアトリエ』は独特の世界観を持つ素晴らしい作品になっています。まだ知られていないキャラもいますが、すべてのキャラクターが個性的で魅力的。たくさんの方にプレイしていただき、アーシャを愛してもらえればうれしいです。
伊瀬さん:物語のキーワードになっている“約束”。“約束”は日ごろから大切だと思います。その大切さを、改めて感じてもらえるような物語になっているので、たくさんの人にプレイしてもらいたいです。
紗也さん:私のことを初めて知ったという方も多いと思います。プレイする際に、楽曲にも注目してもらえればと思います。
岡村ディレクター:完成発表会で、魅力が少しでも伝わればうれしいです。これからもよりいいタイトルを作るために邁進(まいしん)していきます。『アーシャのアトリエ』をよろしくお願いします!
▲本日の登壇者一同。左から襟川氏、岡村ディレクター、紗也さん、伊瀬さん、井上さん、河野氏、左さん、高津さん。 |
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