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2012年8月27日(月)

『鉄拳タッグトーナメント2』の物語は、巌竜の夢オチの続きになっていた可能性も!? メディア体験会の模様をお届け

文:電撃オンライン

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■今作は特にオンライン周りに注力! 合同インタビューの模様をお届け

 最後に行われた合同インタビューでは、原田さんに加えてディレクターの米盛祐一さんも同席され、我々が質問した内容以上の興味深いお話まで聞くことができた。質問の内容は、主に今回のプレゼンについてや試遊体験で気になったことが中心になっている。

『鉄拳タッグトーナメント2』
▲ディレクターの米盛祐一さん(写真左)とプロジェクトリーダーの原田勝弘さん(写真右)。

――先ほどオンライン対戦を体験させていただいた時に、ネットワークのラグを感じることなく快適なプレイができたのですが、何をしてそうなったのでしょうか?

原田さん(以下、敬称略):ほとんどの格闘ゲームは、コマンドが完成してからキャラが技を出す仕組みになっていますが、『鉄拳』の場合は内部的な処理が少し違って、コマンドを作る際のスティックの入力時に、すでにキャラが技の動作が入るようになっているんです。オンラインには不向きな作りですが、ラグの解消に向けていろいろと工夫しました。

米盛さん(以下、敬称略):今回、そこは主幹に置いて作らせていただきました。実は、アーケード版を作っている段階から「ネットワークの処理分は絶対にあけよう」ということを課題に、ずっと意識して作っているところでもあったので、その計画が実ったのは大きいです。

――既存のプレイヤーも、やっぱりそこは気にしていると思うんですよ。

原田:一応、海外の回線でも試したんですが、それでもかなり良好でした。北米のプレイヤーも満足していたようです。ただ、地方によっては通るアクセスポイントが複雑になるので、若干厳しくなるかもしれません。それでも、スムーズに対戦ができるようになっています。

『鉄拳タッグトーナメント2』 『鉄拳タッグトーナメント2』

――オンライン機能にあったテキストチャットを見ると、『ソウルキャリバー』シリーズに近い印象がありますが、そちらの開発スタッフからの技術協力もあったのでしょうか?

原田:実は、『鉄拳5 DR』の後期ぐらいまでは、2つの開発チームはスゴイ仲が悪かったんです(笑)。それ以降は、同じフロアで一緒に仕事をするようになって変わりましたけどね。僕自身も『ソウルキャリバーIV』を担当したこともありますし。それで、お互いがシリーズを重ねるごとにいいところと悪いところを刺激し合ってきたので、そういう意味ではテキストチャットも1つのシナジー効果といえますね。

――ということは、オンライン対戦の部分も協力し合っていると。

米盛:もちろん、ノウハウや苦労したところなどは聞いて参考にしてますよ。デバックも手伝ってもらったりして、一緒に作っている感じですね。

原田:それでも、プログラムのソースはそれぞれ異なるものになるので、基本的に概念だけを共有する形になります。

――発売後のアップデートについてですが、更新していく頻度にどのように考えていますか?

『鉄拳タッグトーナメント2』

米盛:1回目は、プレイヤーの皆さんがひと通りのモードを遊び終わったころに出すことをイメージしています。その辺りは様子見ということで。2回目以降は、今のところ月に1回のペースで考えています。

原田:いろいろと調査してみてわかったんですが、ユーザーさんはボリュームは欲しがるけど、一気に出されると逆に困るという方が多かったんです。「あれもあります、これもあります」と、最初からあんまりたくさんのモードや機能を与えてしまうと、プレイヤーが分散しますしね。なので、そこを意識して今回は徐々に提供していこうかと思っています。

――ファイトラボをやってみましたが、チュートリアルをプレイしているという感覚がなく、すごく楽しめました。

原田:今後のナムコの格闘ゲームの指針としては、遊び方や仕組みこそ違いますが、ああいった形で基本がもっと自然に身に付くものを取り入れていこうと思っています。やはり、格闘ゲームは自分の知識や鍛錬によって勝った時に得られる快感が一番だと思うので、初心者にそこを味わってもらいたいという部分が大きいです。その域に到達するための窓口をめいっぱい広げたのが、ファイトラボになります。

米盛:“チュートリアルを作りました”ではなく、“ミニゲームを遊んだ結果として、基礎を学べるものを作りました”というのが理想だったので。

『鉄拳タッグトーナメント2』 『鉄拳タッグトーナメント2』

原田:今回のデバッカーさんは8割が『鉄拳』初心者なのですが、「ファイトラボのおかげで『鉄拳』ができるようになりました」という意見をいろんな人から聞けました。シリーズで初めてのことだったので、とてもうれしかったですね。

――ストーリーラインの柱は、どのキャラになるのでしょうか?

米盛:今作は物語というより、タッグトーナメントというお祭り感を強調したものにしています。世代も関係なしにとにかく大勢のキャラが登場するので、言ってしまえば全員が主役です。

原田:一応、前作の『鉄拳タッグトーナメント』のストーリーは、最終的に巌竜の夢オチというやってはいけないことをやってしまったわけですが(笑)。実は、今作のオープニングムービーは、本当は巌竜がガバッと起きて「スゴイ夢を見たでゴワス」みたいなところから始まる予定でした。でも、12年越しにそんなシーンを持ってこられてもわからないじゃないですか。まあ、そうは言っていますが、ココだけの話、本気でやろうとしてましたけど(笑)。

――各キャラのエンディングムービーは、新たに描き下ろしたものになるのでしょうか?

米盛:使いまわしは一切なく、どれも見たことのないものになっています。レンダリングも工夫していろんなパターンを使っていますし、知っている人も知らない人もおもしろいと思えるネタがいっぱい仕込んであります。

『鉄拳タッグトーナメント2』 『鉄拳タッグトーナメント2』

原田:とにかくキャラが多いし、それだけのムービーを用意すると費用がかかるので、いいかげんやめようかと思っているんですが(笑)。家庭用版の『鉄拳』でおなじみとなっているので、もう後には引けませんね。

――家庭用版のオリジナル要素として、キャラのカスタマイズパーツはどれほど増えていますか?

米盛:アーケード版で登場していなかったキャラの分は、もちろんゴッソリと増やしています。それ以外にも、全般的に“お遊び系アイテム”をたくさん盛り込みました。相手をペイントする銃だったり、使いきるとキャラの声が変わるステッキだったりと、遊びの幅を増やすためのアイテムに力を入れていますね。

原田:もう気付かれていることと思いますが、ステージのギミックやオブジェクトによってキャラの服が汚れるようになっています。そういった演出の延長で、アイテムの効果にも生かしてみることになったんです。相手をかなりメチャクチャにできるので、闘い終わったころにはどっちが勝者だかわからないほどヒドイ状態になりますよ(笑)。

――今年の東京ゲームショウではどういったことをやる予定ですか?

原田:具体的な内容は秘密です。今、いろいろと準備をしているところで、みなさんがアッと驚くようなことをやろうと思っています。乞うご期待! ということで。

(C)2012 NBGI

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