2012年10月6日(土)
スクウェア・エニックスが放つ3DS用大作RPG『ブレイブリーデフォルト』の発売(10月11日)まで、あと数日となりました。はたして、本当に『ブレイブリーデフォルト』はおもしろいのか? 電撃オンラインでこのゲームの記事を担当してきた電撃の編集者・そみんによる本音のプレイレポートをお届けします。
さて、プレイレポートを始める前に大前提のご報告をば。記事を書こうと遊んでいるうちにプレイが止まらなくなってしまい、一気にエンディングまで見ちゃいました。ストーリー的なネタバレを書く気はありませんが、新鮮な感覚で『ブレイブリーデフォルト』を楽しみたい方は、情報をとことんシャットアウトして遊ぶのがオススメです。ぶっちゃけ、クリアした後に公式サイトを見直すと、「こっそり、こんなに重要な伏線や裏設定まで紹介されていたとは!」と驚かされますからね。
▲ネタバレになるのでクリアレベルは伏せますが、約40時間かけてクリアしました。 |
ちなみに、自分のクリアタイムは約40時間。時間に追われて後半のサブイベントはかなりすっとばして、隠しジョブ(おおっと!)も断念して、ストーリークリアだけを目指してのクリアタイムとなる点にご了承ください。
自慢じゃありませんが、自分はそれなりにRPG慣れしていますし、経験値稼ぎはかなり効率的にやったうえでの40時間です。もちろん、最速クリアを目指せばもっと短時間でクリアできると思いますけど、普通の人が遊んだら軽く50時間以上はかかるんじゃないかと思います。
うーむ、いきなりネタバレっぽいスタートで恐縮ですが、久々に会社で徹夜してまでプレイしたゲームなので、そのおもしろさを少しでも伝えられるようにがんばりまーす。
少し前になりますが、『ブレイブリーデフォルト』が本格始動したころ、自分は“ソースが男の子の味であるように『ブレイブリーデフォルト』はスクウェアのRPGの匂いがする”というコラムを書きました。この時はまだ情報が少なかったので本当に直感にすぎませんでしたが、やがて往年の名作『ファイナルファンタジーV』を思わせるジョブチェンジ&アビリティのシステムが搭載されることが判明して、一気に期待が高まりました。
ジョブとアビリティを組み合わせる楽しさは、ニンテンドーeショップでダウンロードできる体験版でも味わえますが、実際に最終の開発ロムを遊ぶとかなり異なる印象を受けます。1つは、徐々にジョブに種類が増えていく楽しさがあること。もう1つは、ジョブレベルを上げるのがかなり大変なことです。特に後者は、体験版の感覚でプレイすると大変なことになります。
▲ジョブチェンジした際のグラフィックの変化にも注目。隊列で先頭にしたキャラはフィールドでの操作キャラになるので、自分はイデアを先頭にすることが多かったです。 |
体験版では比較的短時間で全キャラの全ジョブをマスターできましたが、実際は1種類のジョブをマスターするだけでもひと苦労。ある程度のレベルまではスムーズに上がるんですけど、とにかく後半のレベル上げが大変です。下手をすると、ジョブを1つもマスターできずにエンディングを迎えてしまう人も出るかもしれません。
裏を返せば、それだけジョブの育成に対する計画性が重要になるということ。自分は早い段階で物理攻撃要員2人、サポート要員1人、回復役を兼ねた魔法攻撃要員1人、というバランスで育成することを心掛けたので、効率的なジョブ育成ができました。正直なところ、体験版でジョブの特徴をある程度把握できていたのが大きかったですね。
それからもう1点、思ったよりも重要になったのが“ともだち”とのアビリンクです。前述したように1人で全キャラの全ジョブを極めるのはとてつもなくしんどいので、別のプレイヤーと相談して、育てるジョブをばらけさせておくと楽になります。
▲友人とジョブレベルを共有できるアビリンク。ちなみに9月に配信された体験版と製品版でも、アビリンクを行うことができます。 |
『ブレイブリーデフォルト』を遊んでいて、ちょっと斬新に感じた部分があります。実は本作には、いくつかバランスブレイカー的な要素が用意されています。
具体的には、フレンド召喚で強いキャラを召喚してボスをあっさり倒すことや、早い段階で村の復興を進めまくって強力な武具や必殺技を入手することができます。個人的なプレイ感覚として、『ブレイブリーデフォルト』のゲームバランスはフレンド召喚や村の復興なしで遊ぶのがベスト=ほどよく苦戦するぐらいのバランスでチューニングされていると感じました。フレンド召喚や村の復興は、RPG初心者へのお助け要素のようなイメージですね。
そのため自分は、あえて後半までフレンド召喚と村の復興に頼らずにプレイしました。でも、それらを使えばもっと楽にプレイできるという誘惑に打ち勝つのは大変でした(笑)。この感覚は人それぞれだと思いますが、おそらくゲーム好きの人ほど、あえてフレンド召喚と村の復興を封印してプレイしちゃうような気がします。
▲フレンド召喚は、思ったよりもバランスブレイカーにはならなかった印象。ただ、さすがに序盤は確実にバランスを壊します(笑)。ちなみにゲーム中ではNPCが力を貸してくれるので、擬似的にフレンド召喚やアビリンクを活用することができます。 |
ちなみに、フレンド召喚は強力ですが、それだけでボスを倒せるのは序盤だけなのでご安心を。中盤以降、特に終盤はフレンド召喚なしでもボス敵に一撃で9,999ダメージを与えられる場面が増えるので、あくまでフレンド召喚は序盤の初心者救済用といった感じです。
まあ、最終的にフレンド召喚はダメージを与える手段と言うより、必殺技の音楽を途切れさせないようにつなぐための役割がメインになるのですが、これについてはのちほど説明します。
こんな感じでシステム的に“自分で自分を律する感覚”を味わったわけですが、もっと強力な誘惑となるのが“Dの手帳”の存在です。正直なところ、『ブレイブリーデフォルト』をプレイして一番「これはゲーム業界で初めてかも!?」と驚いた演出だったと言っても過言ではありません。
この“Dの手帳”は記憶喪失の青年・リングアベルが持っていた謎の手帳で、そこには未来を予知するような日記的文章が書かれています。そしてその内容は、なんとゲーム開始直後から見ることができるのです! うかつにも自分は、「どうせ謎のポエムみたいな感じで、見ても意味不明になってるんでしょ」と後半を見てしまったのですが……マジで大後悔(涙)。まさか、挿絵付きであんなネタバレシーンを見せられるとは……。もっとも、これはエンディングまで見た今だからこそ言えることかもしれません。そこまで直接的なネタバレは少ないです。
▲100ページ以上にわたって展開される、壮大なネタバレ!? まさかゲーム開始直後からほぼ全部読めるとはね……。 |
これだけは皆さんに大きな声で忠告したい! よほどの決心がない限り、“Dの手帳” は当分の間、封印しておきましょう。もしくは、ゲームのプレイに応じて、少しずつ読んでいくかですね。
でも、もしかしたら、あえて先に“Dの手帳”で未来を知ったうえでゲームを進めることが、思いも寄らない効果につながるかもしれません……。自分を律して未来を知らずに進むのがいいのか、あえて未来を知って行動するほうがいいのか……。
ゲームを遊ぶ時にこんな形で悩んだのは、これが初めてでした。ゲームをクリアしてから攻略本を読むか、攻略本を読みがらゲームを遊ぶか、なんて二択にも似た感じで、ちょっと不思議な気分を味わえました。
→本作独自の“ブレイブ&デフォルト”の感覚は?(2ページ目へ)
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MAIN CHARACTER DESIGN:Akihiko Yoshida.
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