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2012年10月3日(水)

『バイオハザード6』リレーインタビュー第3弾でプランナーチームが語ったシナリオを軸とした作り方――ユーザーごとのスタイルを楽しんでほしい

文:電撃オンライン

■攻撃もスキルも自由なスタイルで楽しんでほしい

『バイオハザード6』

――本作では、射撃しなくても体術を使えるようになっています。こちらについての導入経緯を説明してもらえますか?

佐々木:プレイヤーができるアクションの幅を広げることで、さまざまなホラーシチュエーションを見せたかったというのが理由です。あとは、ルール付けをやめようと思っていたんです。例えば“弾がなくなったから格闘しよう”とか“弾を拾ったから射撃にしよう”というのではなく、“弾を持っているけど格闘をしよう”としたかった。『5』では狙うべき場所を狙うと、テクニックとして有効的に格闘攻撃をできたのですが、弾がないと体術できなかったので、その縛りをあえて外しました。プレイヤーの好きなスタイルで戦ってほしいと思っています。

――ただ、本作でも体術は強力ですね?

佐々木:敵に近づかないと当たらないので、リスクとしてダメージを高くしています。ただ体術だけでプレイできてもバランスが悪いので、フィジカルコンバットゲージを設けて、新しいリソースコントロールを与えています。ここについては、うまく新たな要素に落とし込めたと思います。

田岡:体力はあるけど弾がなくて、近づいて攻撃していたらフィジカルコンバットゲージがなくなって、体力が減っていないけどタブレットを使おうとか、選択の幅は広がっていると思います。敵に近づかれたら格闘ではなくて、クイックショットでもいい。まさにユーザー次第だと思います。

――ジェイクはシリーズ初となる、素手の攻撃ができるキャラ。開発中にはどんなことがありましたか?

田岡:ジェイクを担当してくれたゲームデザイナーが、ロックオンの仕組みや新しい攻撃方法を作ってくれました。あとはモーションを担当したアニメーターが、カッコいいモーションを作ってくれたので、操作していて気持ちイイんです。ウェスカーの息子なので彼らしさも出ていて、プレイヤーが操作できるウェスカーにうまいこと落としてこんでくれたと思いますね。ゲームとしてそれだけで成り立つのかというと、ウスタナクをロックオンして「いけるかな?」と思って突っ込むと、普通にやられてしまう。「そりゃそうだよね(笑)」っていう、納得の出来になっています。

『バイオハザード6』

――素手による攻撃はウェスカーの息子だから入れたのでしょうか? それともナイフに代わる攻撃方法ということで入れたのでしょうか?

佐々木:まずはキャラクター性ですね。傭兵時代の彼は、戦いの現場で弾がなくなった場合、何を使っても生き延びなくてはいけない。さらには武器がなくても、素手で生き延びようとしていた。

 そのような設定の上で、各シナリオごとでデザイナーが違う遊びをさまざま用意してくれました。同じ格闘でも、ジェイクはナイフにはないダッシュ攻撃があり、ある程度の距離を一気に詰めて攻撃できる。操作感だけでなく、攻略的にも影響することを用意できました。

田岡:「攻撃にもキャラ性をつけてほしい」と言われて、7人とも専用の武器を用意したのがきっかけですね。ヘレナのハイドラ(ショットガン)のクイックショット連発もだいぶカッコいいです。

モワンヌ:あれは、他のキャラクターにはできないアクション。敵に囲まれた時、ヘレナなりの状況の返し方を武器のおかげでできるようにしています。同じようにレオンなら2丁拳銃で敵を止めたり、ピアーズのスコープだったりも、各キャラでしかできないアクション。だからこそ、すべてのシナリオをやる価値があると思います。それを生かす場所も用意されているので、1つの物語を進んでいても、キャラクター次第で遊び方も変わってきます。

『バイオハザード6』

――『5』のシェバはシェバでよさがあったのですが、本作のヘレナはヘレナでいいと思いますね。

佐々木:レオンは女に振り回される男。本作でも「パートナーは絶対に女!」というところから始まりました。しばらくは何もわからないまま、ヘレナに引っ張られていきます。

モワンヌ:本当によく耐えれるなあって思いますね(笑)。

佐々木:「この先で教えるわ」「もうちょっとでわかる」って。

(一同笑)

『バイオハザード6』

モワンヌ:デボラ戦は、レオン以外の3人が女性ですからね。

――“狙って撃つ”という要素は『6』ではどのようになっていますか?

佐々木:いいことを聞いてくれました。『4』から受け継がれている“狙って撃つ”というゲーム性は、今回でより深くしています。

――具体的には?

佐々木:ぜひいろいろなところを狙って撃ってください。敵のリアクションはいっぱい用意していますし、それによって攻略がすごく広がるようになっています。狙って撃つと言われると、頭を思いがちですが……それはそれとして、この時にはこっちの方がいいというのもあります。例えば、ここを撃つと敵が背後を見せて、そこから出せる格闘がこのキャラだと周りを巻き込める。頭を狙って攻撃するのか、あえて背後を振り向かせて、周りを巻き込みつつ格闘にするのか。ぜひいろいろなことを試してほしいですね。

――どのアクションをチョイスするのか、プレイヤーによって違いが出そうですね。

『バイオハザード6』

田岡:スキルも人によって、異なると思います。3つしか選べないので、どれを伸ばすのか、今の状況だと何がいいのかを考えて選んでほしいです。8種類セットできるので、キャラごとに用意したり、誰かがパートナーとして入ってきた時にセットし直したり、自由に遊んでもらえます。いろいろ試して、いろいろ使ってほしいですね。

 開発の終わり際にスキルを試している時も、銃のクリティカルを上げて、クリティカル率を上げるのが強いという人もいれば、防御力を上げて回復してもらうのがいいっていう人もいました。好みに左右されるのを実感しましたね。

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