2012年10月26日(金)
――ユーザーからの声で、印象に残っているものはありますか?
先ほどもお話したように、一番うれしかったのは「心が折れるほど樹海が広い。でも、おもしろくて止め時が見つからない」という声ですね。あとは新規のユーザーさんの声も多くて、まだこんなに『イース』シリーズを遊んだことがないユーザーさんがいたんだと、驚きつつもうれしく思いました。実際、『イース SEVEN』のダウンロード版の販売数が、『セルセタの樹海』発売後にものすごく伸びています。
『イース SEVEN』の体験版は5~6時間遊べるうえに、製品版にデータを引き継げるので、まずは体験版をダウンロードして、そのまま製品版をダウンロードするユーザーさんが多いですね。
――シリーズ25周年の記念として、今後はどんな展開を予定されていますか?
さまざまな作家さんによるショートストーリーを楽しめる『イーストリビュート』が動いていて、そろそろイラストやプロットが上がってくるので、とても楽しみにしています。作家さんのコメントを見せていただくと、人によっていろいろな『イース』の見方があるんだなと思いますね。年をとって冒険家として熟練したアドルを書きたいという方もいらっしゃいますし、『イースI・II』の思い入れがあって、その近辺を書きたいという方もいらっしゃいます。
――年老いた後のアドルや、北極点を目指すエピソードとかは見てみたいですね。最後の冒険に近いので、ゲームで見られる日が来るのかは疑問ですけど。
老アドルを描くというのは、毎回『イース』の企画会議の時に必ず出てくる案なんですよね。赤毛だからヒゲも赤ヒゲにしようとか、声優さんは大塚明夫さんがいいんじゃないかとか(笑)。老人になっても、やっぱりキラキラした少年のような瞳でいいのかななんて話もしますね。
それから、北極点のエピソードも毎回会議には出ます(笑)。ただ、アドルもずっと目をきらきらした少年のような瞳を持ったままでいいのかなという部分はあるけれど、どこかで大きく挫折があったとしたら、それはそれで嫌な気もしますし。
『イース』シリーズで挑戦したいことは、それこそたくさんあって、エウロペ地方以外の部分も描きたいとは思います。ヨーロッパ大陸で言ったら、バルト三国のあたりはまだ描いてませんし、イギリスやスコットランドのあたりも詳しく描いていません。舞台設定を広げることでも、いろいろな挑戦ができると思います。
システム的には、最近の『イース』では切っているジャンプアクションを復活させたいという声があります。ジャンプの要素を入れると、どうしてもテクニカルな操作が必要になってしまうので、バランスが難しいんですけど、そこを初心者でも楽しめるような作りにして実現させたいですね。
――ジャンプアクションの要素があってパーティプレイもできる『イース』を見てみたいですね。
パーティ要素とジャンプアクションも、あわせて考えると難しいんですよね。昔の『ソーサリアン』みたいになってしまいます(笑)。でも、やりようはあると思うので、いろいろと試してみたいですね。
▲今後の『イース』シリーズでも、シンプルでありながらも、より楽しいアクション性を目指していきたいとのこと。 |
――最後に、これから本作を遊ぼうと考えている読者に向けてメッセージをお願いします。
すでにプレイしてるユーザーさんからアクション部分について好評をいただいています。非常に広大なマップを飽きずにずっと突き進める楽しさについては、間違いなく『イース』シリーズの中でも屈指の出来として成功していると思いますので、ぜひ触って遊んでみてほしいですね。
また、シリーズ作品ではありますが、ある意味で『イースI』と同じくらい、予備知識なしで初めて遊んでも問題がない設定になっていますので、初めてシリーズをプレイする方もどうぞお楽しみください。もちろん、シリーズファンが楽しめる要素も盛り込んでいますので、そちらもご期待ください。
――では、すでに本作を遊んだ読者に向けてメッセージをお願いします。
お買い上げいただきまして、ありがとうございます。なかなか好意的な意見をいただいていまして、僕らにとっても大きな励みになっています。次の『イース』も動き始めてますので、ぜひいろいろなご意見をいただければと思います。
PS Vitaは、ソフトを起動する画面からすぐにアンケートにアクセスできるようになっているので、要望などがあれば、ぜひそちらからお送りください。スタッフ一同、すべてに目を通してますので。
――PS VitaはWebにつなぎやすいので、そういうアンケートに答えやすいですね。
PS Vitaの大きな特徴ですね。本作の発売から10日ほどで、メールマガジンの登録が数千人増えましたからね。その中に、初めて『イース』を遊んだ方がたくさんいらっしゃって、遊んだ後におもしろいと言ってくださっているのは、僕らとしても大きな驚きであり、収穫でした。次の25年も頑張って、50周年を目指して頑張ります。
あとはそろそろ、ギネスを目指したいですね。同じキャラクターが主人公を務めるゲームのシリーズ作品は、意外と少ないと思いますので。
――たしかに、同一人物が主人公となるゲームシリーズは少ないですね。『ゼルダの伝説』のリンクみたいに、同じ名前のキャラクターでも、設定は作品ごとに異なるケースが多いですからね。
ある意味でのライバルは『メタルギア』シリーズのソリッド・スネークですね(笑)。ソリッド・スネークも本人が主人公となるシリーズ作品がたくさん出ていますから。
『イース』はアドル・クリスティンの冒険日誌なので、彼が主人公であることは『イース』のアイデンティティでもあります。これからも主人公であり続けて、ギネス登録を目指したいですね(笑)。
▲無数に存在すると言われるアドルの冒険日誌。彼の次なる冒険を早く遊びたいところだ。 |
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