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2012年11月21日(水)

ケンシロウを演じた小西克幸さん×鯉沼久史プロデューサーによる『真・北斗無双』の“あたた対談”を掲載

文:電撃オンライン

■『北斗』世界を飾る個性的な登場キャラクター

――ラオウ編から修羅の国編までに登場するキャラを実装するのは、そうとう大変だったのでは?

鯉沼:どこまでユーザーさんの期待に応えられるのかという部分もありますが、やはり原作のイメージになるようにということで頑張りました。『無双』シリーズでは同じような操作感で誰でもプレイできるという部分を大事にしてきましたが、それだとちょっとやりきれなかったので、ある程度は流派に分けて、流派ごとに操作性を変えていこうと。そうすることで、原作キャラのイメージが出るようにしています。今までの『無双』シリーズよりは、そういった意味ではアクションのバリエーションが出せていると思います。

――お二人がもし『北斗の拳』に登場する何かしらの技を使えるとしたら、どの流派を使ってみたいですか?

鯉沼:流派とかは別として、ジャギがいいですね。いろいろな武器を持っていて楽しそうです(笑)。

小西:南斗系の技は気持ちよさそうですよね。

鯉沼:空気を斬るっていう感覚は引かれますね。

小西:あの感覚はちょっと知りたいです。あ、あと魔闘気もまとってみたいです(笑)。

鯉沼:空間を捻じ曲げたり、時空を捻じ曲げたり。

小西:今回、梵字みたいなセリフもしゃべりました。もう忘れてしまいましたけど(笑)。台本を見て、これ言えるかなと思って家でものすごい練習したんですよ。収録中もドキドキで、「これあっていますか?」って鯉沼さんに聞きながら収録したのを覚えています(笑)。

――『北斗の拳』に登場するキャラのなかで、コイツとだけは戦いたくないという相手は誰でしょう?

小西:フドウとは戦いたくないですね。あの体で抱きつかれるのはちょっとイヤです(笑)。

鯉沼:ラオウですら退いた男ですから。

『真・北斗無双』

小西:ラオウを退かせた男は、他にはファルコくらいですからね。

鯉沼:もし実際に対峙できるのなら、サウザーです。彼の心臓の位置が本当に逆なのかなって、彼の体を触ってみたいですね(笑)。

――アミバとかはどうでしょう?

小西:アミバといえば、前作の“幻闘編”ではアミバ(関智一さん)とジャギ(高木渉さん)の掛け合いがおもしろかったですよね。2人のシナリオは本当におもしろかったです。

鯉沼:版権元さんはけっこうチェックが厳しいんですけれど、あれは許してくれたので(笑)。

小西:あれはみんなで一緒に収録したからできたおもしろさですよね。普通、ゲームの収録ではセリフも決まっていますし、掛け合いのセリフもかぶらないようにしないといけないじゃないですか。でもあの時は、そういったことは関係なしに、収録時に2人で「ここは2人で笑おう」とか「ああしよう、こうしよう」と相談していたみたいです(笑)。

鯉沼:2人のセリフからモーションを作り直したりもしました(笑)。

小西:「これ、おもしろいからそのまま使います」みたいな。でもそれは、一緒に収録したからこそ生まれたおもしろさですもんね。

鯉沼:ノリノリで演じていましたよね(笑)。

小西:実はあの2人、収録当初は『北斗の拳』のことをあまり知らなかったんですよ。

鯉沼:えーーー!

小西:もちろんタイトルは知っていたそうですが、ちゃんと全部を見たことがないというレベルだったみたいで。そんな状態にもかかわらず、キャラにピッタリとあった演技をしたんですから、素晴らしですよね。

――お互いに相手を『北斗の拳』の登場キャラに当てはめると誰でしょう?

小西:鯉沼さんはケンシロウですね。苦難を開拓していくような。これまでいろいろなゲームを開発してきた時、けっこう苦しいこと、悲しいことがいっぱいあったと思うんですが、それを1つ1つで乗り越えてきたと思うんです。ゲームの制作チーム内にもレイやトキといった頼れる仲間もいて、支えてもらいつつも、さらなる苦難に挑むといった意味で、やっぱりケンシロウが一番近いかなと思いますけどね。

鯉沼:小西さんはちょっと雲のジュウザっぽいイメージがありますよね。

小西:わりといい加減なんで、たぶん合っていると思いますよ(笑)。

鯉沼:忙しいはずなのに、ちょこちょこ遊びに行っちゃうみたいな話も聞いていますので。でも、やる時はやる男といったイメージも強いですよ。あと、色男ですし。

小西:ジュウザはカッコイイですよね。男から見てもあこがれるキャラです。こういう人になれたらいいよなぁみたいな。「オレは雲のコニシ、ゆえに今日はアフレコには行かぬ」とか言ってみたいです。

『真・北斗無双』

――いきなりですが、もしジャギがお兄さんだったら?

小西:ジャギと言うと、炎の中から「俺の名前を言ってみろ」と言って出てくるシーンが好きなんですよ。

鯉沼:けっこうかわいそうですよね、ジャギって。

小西:セコイことばっかりやってるからしょうがないのかもしれませんが。そういうことをしていたら弟であるケンシロウの堪忍袋の尾が切れて、「いい加減にしろ」と言われ、秘孔を突かれちゃう。

鯉沼:後継者が決まった時にも、真っ先に兄者たちに告げ口しに行ったり(笑)。

小西:よく北斗四兄弟の1人になれましたよね、ジャギって。そのきっかけがなんだったのか知りたいです。

――『北斗の拳』でお気に入りのシーンは?

小西:どこか1つを切り出すのは難しいですね。今回収録するにあたって、文庫版の原作を再び頭から読ませていただき、台本と見比べて全部どんなシーンなのかもイメージしました。このシーンではケンシロウがどうなっているのか、そしてその周りはどうなっているのかというのも全部チェックしたので、どんなシーンも思い入れがあるんですよね。ジャギとの対戦シーンも好きですし、ザコのような相手と闘うシーンも好きですし、当然ラオウやカイオウといった強敵(とも)と戦うシーンも好きです。端々まで好きですね。

――ケンシロウのどんなところが好きですか?

小西:個人的には人間味にあふれているところが好きです。でも彼は、いつも感情を押し殺している人ですので。演じる側から言わせていただくと、シーンごとにどこまで感情を出していいのかなっていう、そのさじ加減がけっこう難しかったです。主人公で一番最初に皆さんが触るキャラだと思いますし。冷たい感じで演じてしまうと、「うわっ、コイツ、冷たい」って思われちゃうと原作のイメージも崩れてしまいます。ゲームとの距離もできてしまうと思ったので、演じるうえではやっぱりそこが一番難しかったですね。まぁ物語が進めば進むほど、彼の人柄というか魅力は理解していただけると思うんですけれど。基本的に、原作を読んでいても今回のゲームを収録していても思ったのが、ケンシロウは“哀”でできているんだなって。“哀”と“愛”をものすごく強く持っている人なんだなということをすごく感じました。

鯉沼:作り手側としても、そこまでキャラを理解して演じていただけるというのはありがたいです。『北斗の拳』という作品は、見た目こそ暴力的なところも目立ちますが、ストーリー的には感動できる部分がものすごいいろいろなところに散りばめられていますから。

 登場キャラが魅力的ということもありますが、現在でも読まれ続けるという理由は、そんなところにもあるのかなと思っています。あと、必ずどこかに「救われる」エピソードが入っているのもストーリー的にいいですよね。

小西:サウザーもそうでしたね。「愛などいらぬ」と言っていましたが、最後には「お師さん、昔のように、もう一度ぬくもりを」と。

→最後は読者へのメッセージを!(5ページ目へ)

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データ

▼『PlayStation 3 真・北斗無双 LEGEND EDITION』
■メーカー:SCE
■品番:CEJH-10024
■発売日:2012年12月20日
■価格:33,170円(税込)
 
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