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2012年12月1日(土)

『シークレットゲーム』最新作『リベリオンズ』がPSPで2013年3月に登場! 中澤工氏&寺月恭一氏の最速インタビューをお届け!!

文:カワチごえモン

■『リベリオンズ』ではあのキャラが主役級に変貌!?

――今回の『リベリオンズ』はどういった経緯で制作されることになったのでしょうか?

『リベリオンズ Secret Game 2nd stage』

中澤:イエティさんとも話し合い、『キラークイーン』を『シークレットゲーム』にアレンジしたのと同じように、『CODE:Revise』に大幅なリメイクを施して、より多くのプレイヤーに遊んでもらおうと企画がスタートしました。

寺月:完成度を高めるために、シナリオの追加だけではなく全体から見直すことにしたんですよ。

中澤:シナリオの改訂と追加はお任せ頂けることになったので、肝心のライターは誰にしようかと思案していたら、“『ルートダブル』の陣営でやってみるのはどうだろう?”という案が出まして、よしそれでいこう、とチーム月島に依頼しました。内容を見直すうえでは、やはり『CODE:Revise』をプレイしてくださったユーザーの意見を反映するのが一番だろうと思い、その部分を強く意識しました。

 月島さんとも、ユーザーの意見を踏まえたうえでミーティングをしたんです。どの辺りを見直すか、新たに何ができるのか、『CODE:Revise』をプレイしたユーザーにも驚きを与えるにはどうしたらいいのか。長い時間、話し合って意思疎通を図りました。また、宿題を持ち帰っていただいて検討してもらい、チーム月島の他のメンバーからも様々な提案をいただきました。結果として、ユーザーの要求を満たせる改良だけでなく、あまりスポットが当たらなかったキャラクターには新たな魅力を引き出すようにできましたし、“本作と『シークレットゲーム』のつながりも、より一層色濃く描く”ことが可能になりました。物語の精度を高めつつ、エンターテインメント性も高め、キャラクターの魅力をも高める。チーム月島の面々が、これらの課題を達成するために、それはそれは頑張ってくれました。

寺月:原作側がやれなかったことを、中澤さんとチーム月島にはすべて盛り込んでいただきました。詳細なプロットを見せてもらった時に、「そうそう、これがやりたかったんだよ!」と、あまりの完成度に感心しました。もちろん、前作をプレイしていないユーザーでも100%楽しめる作りにしていただいています。どちらからプレイしても大丈夫だと思いますよ。

『リベリオンズ Secret Game 2nd stage』 『リベリオンズ Secret Game 2nd stage』

――具体的に、ストーリーはどのように改変されたのでしょうか?

中澤:Aルートは元々完成度の高いシナリオでしたので、大きな変更はありません。ただ、2つ目のルートからは大きく変えていますので、原作をプレイされた方も新鮮な感動を味わえると思います。

寺月:“アレ”とか“アレ”の整合性の部分とか(笑)、細かい部分も修正していただいています。原作と見比べてみるとおもしろいと思います。

――原作のAルートでは、せっかく特異な能力を持つPDAを所持しているのに、そのキャラクターが早期退場してしまってもったいない印象がありました(笑)。

中澤:あるルートではすぐに死んでしまうキャラクターが、他のルートでは主役級に活躍するとおもしろいですよね。今回の『リベリオンズ』では、すべてのキャラクターに新たな活躍の場を与えています。

寺月:移植版には、いわゆる“ザコキャラ”はいませんね。

――お2人が、『リベリオンズ』で特に注目してほしいキャラクターはいますか?

寺月:これを言ってしまうとネタバレになってしまうのですが、○○(※キャラクター名は伏字にしています)は大出世しています。『リベリオンズ』は、もはや○○のゲームと言ってもいいぐらいです(笑)。

中澤:もう1人の主人公と言えるぐらい見せ場がありますね。なぜなら○○は、チーム月島のお気に入りのキャラクターだったんですよ。チームをとりまとめている月島総記さんから「○○は前作に登場した○○のプロトタイプと呼べるような人物なので、単なる悪役ではなくダークヒーローにしたい」という提案がありました。

寺月:元々、『CODE:Revise』は群像劇と言っても修平と司の2人が主人公格でした。でも、2人とも頭脳派タイプだったんですよ。なので、“その対極に位置するパワータイプのキャラクターが欲しかった”という意図を聞いて納得がいったので、OKを出しました。

――なるほど。あと、ファンとしては瞳の境遇も気になるところだと思うのですが……?

寺月:なんと言っても一番人気のキャラクターですからね。

中澤:『CODE:Revise』での彼女は味わいのあるキャラクターであるものの、不遇な運命を辿ることになってしまいました。本作ではそんな彼女の魅力を損なうことなく、違った意味でも好きになってもらえるようなエピソードを盛り込んでいます。ご期待ください。

寺月:まさか、修平以外のキャラクターを○○にするとは……。原作をプレイした人は驚くと思います。

『リベリオンズ Secret Game 2nd stage』 『リベリオンズ Secret Game 2nd stage』

――他にも、原作で不幸な結末を辿ったキャラクターに救済はあったりするのでしょうか?

中澤:追加のシナリオに関しては、『CODE:Revise』をプレイしたユーザーの想像をいい意味で裏切るような内容を目指しているので、そのような展開ももちろんあります。今回はA→B→Cと順番にシナリオをプレイしていただく形になっていますが、次のシナリオを読むごとに前のシナリオのイメージは覆ると思いますよ。

寺月:同じ世界観、同じキャラクターのストーリーなので「途中で飽きるのではないか?」と思うユーザーもいらっしゃるかと思いますが、そんなことはありません。「次はどうなるだろう」とハラハラしながらプレイできると思います。

――ストーリーは違っても、行われるゲームのルールやキャラクターの所持するPDA自体はどのシナリオでも変わらないんですね。

寺月:実は同人作品の『キラークイーン』から『シークレットゲーム』にリメイクする時、ルートごとに持っているPDAを変えよう、という構想がありました。でも、それだと“なんでもあり”になってしまって、おもしろくないんですよ。

中澤:先ほどもお伝えした通り、“制約”があるからおもしろいんですよね。いかに与えられた制約の中で話を変えるのか。同じ設定で描くからこそ、ユーザーも「こう来たのか!」という感動を覚えてくれると思うんです。

寺月:ただし、ゲームの主催者側が悪趣味な人間なので“よりデスゲームがおもしろくなるだろう”と思ったことを実行することはあります。コイツとコイツが最初に出会ったら……とかですね。ルールは同じでも、状況によってまったく違うドラマが生まれるはずなんです。

――わかりました。ちなみにAルートの大筋は変えていないということですが、Bルートはいかがでしょうか?

中澤:具体的なストーリーの内容は今後明かしていきますが、「原作とは全然違うぞ!」という驚きを与えられると思います。

寺月:結末もまったく読めないですね。本当に、改変されたBルートや新規ルートは『CODE:Revise』で盛り込めなかったものがすべて込められていると思います。

中澤:僕にはFLATさんの考える『CODE:Revise』の“理想の完成系”に近づける責任がありました。それに自分自身、ファンとして「ここはこうしたらもっとおもしろくなるのに!」と思っていた部分があったので、そこはすべて詰めさせていただきました。チーム月島の面々にも、『シークレットゲーム』と『CODE:Revise』をまずは遊んでもらい、ファンになってもらったうえで作業に入ってもらいましたので、彼らも同じ思いで取り組んでくれたと思いますよ。

寺月:はい。まさにシリーズのファンが考える理想の形になったと思います。

中澤:ちなみに、移植する際に自分の中にも制約を設けました。それは“原作を否定しない”ということでした。そのため、キャラクターの性格が変わっていたり、ゲームのルールが変更されているということは決してありませんので、ご安心ください。

――『ルートダブル』の時には、物語の整合性をとるために登場キャラクター全員の行動表を分単位で作られていましたよね? 今回は特殊なルールが存在する作品なので、整合性の部分でかなり苦労されたのではないでしょうか。

中澤:『ルートダブル』の時も矛盾つぶしは大変でしたが、『リベリオンズ』でも同じくらい……ものによっては、今作のほうが神経を尖らせてチェックしています。というのは、内容的に矛盾が発生しやすいからです。キャラクターの心情や行動、人物設定、舞台設定、周辺環境などから発生する矛盾はもちろん、本作ならではの“ゲーム”のルールが矛盾を誘発してくるからなんです。

 特にやっかいなのがPDAに備えられた特殊機能で、僕もライター陣もうっかり存在を忘れてしまいがちで、 あとから冷静に読み返すと「あれ? このシーン、なんでこの機能が発動していないんだ?」といった矛盾が起きたり、「この機能を使えば、別の回避策もあったはずなのに……」みたいに展開が不自然に見えてしまったり。なので、マスターアップぎりぎりまで油断することなく、精査を続けるつもりです。デバッガーにも特に気をつけるように指示しています。

→『リベリオンズ』には後半の回想ラッシュはない?(3ページ目)

(C)FLAT/イエティ/Regista

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