2012年12月1日(土)
――本作は『シークレットゲーム』シリーズの2作目となりますが、前作と本作のどちらからプレイするのがオススメでしょうか。
中澤:実は、それがユーザーにとって一番重要な選択肢かもしれませんね。『ルートダブル』ではAルートとBルートのどちらを先にプレイするかによって、キャラクターや物語の見え方がまったく違うものになる、という仕掛けを用意していました。今回はそれと同じことが言えるかもしれませんね。前作と『リベリオンズ』、どちらを先にプレイするかによって、印象はまったく違うと思います。
寺月:個人的には前作からプレイしてもらいたいですね。やっぱり前作のユーザーを驚かせたくて作った作品ですので。
中澤:そうですね。ただ自分は、本作から初めて『シークレットゲーム』をプレイしたユーザーの感想も聞いてみたいんですよね。
寺月:一番いいのは、前作をプレイした後に本作をプレイし、もう一度前作と本作をループプレイしてもらうことでしょうか(笑)。
中澤:はい(笑)。自分は常に再プレイに耐えられる作品作りを心がけていますので、二度目のプレイではまた違った発見をしていただけるのではないかと思います。
寺月:前作と本作の比較にも注目してもらいたいですね。前作の主人公は絶対に人を殺さない人物でしたが、本作の修平はそこも違いますから。前作からプレイした人はビックリすると思います。
――今回も複数のルートがあるとのことですが、選択肢のようなシステムを使って分岐させるのでしょうか?
中澤:本作は1本道の物語です。選択肢も分岐もなく、キャラクターたちの動向を“客観的に見守り”ながら、結末に向かってお話を進めていくことになります。『CODE:Revise』にはルート分岐の選択肢が1カ所ありましたが、『リベリオンズ』では完全になくしました。前作『シークレットゲーム』と同じようにゲーム開始時にシナリオを選択する方式を採用しています。選んだシナリオによって展開や結末が大きく様変わりするわけですので、シナリオ選択こそが唯一の選択肢と言えますが、シナリオが増えていく順番もA→B→Cと固定ですので、これさえ一本道ですね。
これは分岐やエンディングが数多く用意されていた『ルートダブル』とは、完全に正反対の位置づけですよね。アンチテーゼです。しかしながら、これも1つのゲームの形なんです。最後まで物語を終えた時、なぜ選択肢を完全排除する仕様にしたのか、なぜゲームという媒体でリリースされたのか、その意味が感じられると思います。
さらには、前作にも触れてもらうことで、今作の位置づけがもっとよくわかると思います。自分の内なるところに、目に見えない選択肢の存在を感じてもらえるのではないかな、と。『リベリオンズ』と『シークレットゲーム』は、互いが互いを補完する関係なんです。物語的にもですし、ゲーム的にもそうです。いわゆる“シークレットゲーム・サーガ”は、両方を終えることで、真の意味で完結します。
――ちなみに本作のプレイ時間はどの程度を予定しているのでしょうか?
中澤:Aルートが一番長くて10時間ぐらいで、全体では27~28時間ぐらいだと思います。人によってはもう少しかかるかもしれません。『ルートダブル』は作品の構成上、どうしても長大にならざるを得なかったので、その制約のない今作では丁度いい長さを目指しました。
――『リベリオンズ』では後半の回想ラッシュはないと(笑)。
中澤:そうですね(苦笑)。『ルートダブル』は、作品の性質上……といいますか、あの表現方法を用いることで描きたかった要素があったので、ああいった構成を取らざるを得なかったのですが、『リベリオンズ』は別のコンセプトで作っていますから、異なるアプローチをとっています。
よって、今まで以上に疾走感や緊迫感、テンポのよさを重視していて、回想が続いてしまいそうになったら、そこはチーム月島に描き方や構成を調整してもらっています。AルートやBルートは生きるか死ぬかがわからないジェットコースターのような展開ですし、Cルートも次の展開がまったく予想ができない内容になっています。
寺月:Cルートはミステリー的な謎もあります。“誰が殺したのかわからない”という未知の恐怖が描かれますね。
中澤:あとは原作通りのカップリングはもちろん、思いがけない新たなカップリングが発生するルートもあります。恋愛要素や人間ドラマにも注目してもらいたいです。
――まだストーリーの全容は明かされていない本作ですが、今回公開されたファーストビジュアルには、言ってしまえば原作ではそこまで重要なキャラではなかった悠奈が描かれていますね。これは彼女の活躍を示唆しているのでしょうか?
▲本作のファーストビジュアル |
中澤:登場する14人全員が主人公と言っても過言ではない作品にリメイクしましたが、特に悠奈は作品のキーとなる人物になっているんですよ。
寺月:ゲームをプレイしていただければ、なぜ彼女がファーストビジュアルに選ばれたのかがわかってもらえると思います。
中澤:その他にも、ファーストビジュアルにはいろいろな意味が込められているので、プレイが終わった後にもう一度見てみてもらいたいですね。
――これはパッケージビジュアルではないのでしょうか?
中澤:あくまでファーストビジュアルで、パッケージは別にあります。
――メタファーはパっと見て3つぐらい思いついたのですが、どの辺りがポイントなんでしょう?
寺月:(ファーストビジュアルを指しながら)トランプとか背景とか、悠奈の姿とかですね。あんまり言ってしまうとネタバレになってしまうので、これ以上は言いませんが(笑)。
中澤:メタファーは10個以上あります。何気ない小物や表情の機微にも注目してもらいたいです。悠奈はあんな険しい表情で“何を”しようとしているのか、とか。
寺月:ビジュアルに秘められた謎の他、『リベリオンズ』というタイトルもトリプルミーニングぐらいの意味がありますね。
中澤:そうですね。“Rebellion(リベリオン)”には“反乱”や“反抗”という意味がありますが、似たような意味の単語に“Revolution(レボリューション)”があります。“Revolution”の正確な意味は“革命”で、もっと前向きでいい意味なのに、なぜ、あえて“Revolution”ではなく、“Rebellion”の単語をチョイスしたのか。これは本作をすべて終えたうえで、前作をも含めて見直すと、その意図は伝わってくると思います。もちろん、サブタイトルの『Secret Game 2nd Stage』にも意味が隠されています。表向きは“『シークレットゲーム』の2作目”という意味ですが、プレイすることで意味を紐解くことができると思います。
――原作をプレイした人はわかると思いますが、そこはナイショですね(笑)。ちなみに、体験版の配信は予定されているのでしょうか?
中澤:残念ながら、制作スケジュールの都合上、体験版はありません。そのかわり、今回はデータインストールに対応しているので、システム的にもご満足いただけると思います。
寺月:物語が気になる人で18歳以上の方は、ぜひ『CODE:Revise』の体験版をプレイしてみてください(笑)。体験版まではあまり変わっていませんので、体験版までの展開を楽しめたなら、間違いなく最後まで楽しめると思います。
――なるほど! では、最後に発売を楽しみにしているユーザーにひと言お願いします。
中澤:前作をプレイした人やしていない人、『CODE:Revise』をプレイした人やしていない人、それぞれがまったく違う楽しみ方ができるようになっています。ぜひいろいろな方にプレイしていただきたいなと思います。よろしくお願いします。
寺月:R18ならではの要素を削ったからには、それ以上のクオリティのものを追加しなければならない……。口で言うのは簡単でもなかなか実行できるものではありません。しかし中澤さんたちには“これがコンシューマ移植だ!”というものを見せていただきました。“『ルートダブル』がオリジナルの本気”なら、こちらは“移植の本気”だと感じています。ぜひプレイしてみてください!
(C)FLAT/イエティ/Regista
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