2013年3月21日(木)
2月14日に、ブースターパック第5弾のパックの価格と仕様の変更が発表された『三国志大戦TCG』。こぼれ話として、価格変更の経緯などをうかがってきたので、興味のある人はぜひチェックしてみてほしい。
――第5弾ブースターパックの発売延期の発表と同時に、第5弾以降のパックの値下げなどが発表されましたが、この値下げに踏み切った経緯とは?
パックを値下げすることにしたのは、パックが売れていないからというわけじゃないんです(笑)。僕らとしては330円で9枚入りというのは、商品品質からすれば頑張っている価格だと思っていたんですが、200円以下でブースターパックを売っているカードゲームが市場の大半を占めています。
中学生くらいというのは、“三国志”という題材に興味を持つ年ごろだと思うのですが、その年齢のユーザーにとっては、330円のブースターパックって1,000円では3パックしか買えないんですよ。
――確かに、低年齢向けのカードゲームだと、1パックが200円以下で売っているものが多いですよね。
そうなんです。そういうカードゲームなら、1,000円で5パックとか買えちゃうんですよ。しかも、これまでの『三国志大戦TCG』のカードの封入率ですと、3パック買ってもキラ(SR)のカードが出てくるとは限らなくて……。
せっかくお小遣いでパックを買っていただいても、それが出ないというのは申し訳ないなと。それならと値段、封入率、生産ラインなどすべて見直して、値段を下げてSRや天下無双レアの封入率を上げるようにしました。またボックスも店頭で配置しやすいよう、ヨコ型のものに変更しています。
――改めて低年齢層にも目を向けるということは、『三国志大戦TCG』自体のターゲット層は最初は違っていたということでしょうか?
いいえ。僕らが最初に思っていたユーザーの年齢層は、アーケードで『三国志大戦』をプレイしていたユーザーや、他のTCGをプレイされていて三国志が好きな20歳後半のユーザーをイメージしていたんです。
でも、先日まで開催されていた公式全国大会“覇業への道”店舗予選の通過者の平均年齢を見てみると、22歳くらいだったんですよ。「あれ、僕らが想定していた年齢層よりもちょっと低めなんじゃないか」と。
昨年末に開催した“TCGの宴 in 東京”では、中学生くらいのユーザーや、親子でプレイしているユーザーを見かけたりしたので、これはもっと低年齢層にも受け入れてもらえるような仕様に変えなければいけないと思いました。とはいっても、『三国志大戦TCG』ってカード自体の単価が実は結構高いんですけどね(笑)。
――高いというのは、カード1枚あたりの製造費のようなものがでしょうか。
そうなんです。『三国志大戦TCG』で使っているのは88mm×63mmサイズの紙で、これは他のカードゲームでも多く使われているサイズです。ですが、僕らは310という斤量(紙の厚さの目安)の紙を使っているので、かなり厚めのカードになっているんです。このサイズでこの厚さというのは、他のカードゲームではあまりない厚さなんですよ。ちなみに試作品だと、360という斤量で作ったものもあるんです。この厚さのカードって、角度がついていない平らな場所なら、立たせることができたんですよ(笑)。
――カードが立つってスゴイ厚さですね(笑)。
社内でのテストプレイもこの厚さのカードで行っていて、これはいいと思ったんです。でもパック詰めする工場から、この厚さだとピロー(ブースターパックの袋のこと)に入らないって言われてしまい……。本当はカードというよりもプレートのようなものを作りたかったんですけど、『三国志大戦TCG』では実現が難しかったですね(笑)。
他に印刷にもかなりの工程をかけていて、多いものだと10版以上の工程をはさむものがあるんです。カードの表は見ていただけるとわかると思いますが、天下無双レアなら、まず最初に白版をひいて、カードイラストを重ねて、その上にフレームを重ねて……。そこからさらに表面加工の版も重ねてと、とにかく多数の工程を経ています。
カードの裏面も凝っていて、まず最初にブラックのテクスチャパターンを印刷するんです。その上にニスを引いて、さらにその上に別のニスを載せていきます。このニスは先に引いたニスとは乾く速度が違っていて、それによって透かしのように模様が浮かび上がってくるんですよ。
このように、『三国志大戦TCG』はカードの印刷自体にもかなり手を加えているので、正直に言うと値段を下げると利益が出なくなっちゃうんですよ(笑)。
――確かに(笑)。けれど第5弾からは価格が安くなってRやSRが手に入りやすくなりますし、かなり遊びやすい環境になりそうですね。
新しいスターター3種と、限定SPブースターパックを3月28日に発売しますし、『三国志大戦TCG』をまだプレイしたことがないという方も、これを機会にぜひプレイしてもらえればなと思っています。
――本日はありがとうございました。
(C)SEGA
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