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2013年3月22日(金)

昆虫の強さと人間の非力さを実感した3DS『虫けら戦車』レビュー! 襲いかかる虫けらどもから生き残れるか!?

文:kbj

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■落ちたクッキーも3秒ならオッケー?

 体が小さくなった彼らに襲いかかるのは、虫だけではありません。雨という自然も、今の大きさからすると十分に驚異です。爆撃のようなものなんですよ。

『虫けら戦車』

 序盤のステージ中では、降りしきる雨から避難するというものがありました。ステージ中を移動していると、時折雨が降ってきます。雨粒に当たると戦車がダメージを受けてしまうので、草の下や倒木の中に入って、雨が止むまでしのぐ必要があります。

 中が空洞になった木を見つけてそこに逃げ込んだところ、何やら後ろから戦車を小突いてくる存在が。「別部隊の仲間か? でもこの避難所はもう満席だぜ!」と、3DSを握っているkbjが粋に返事をしたところ、相手は戦車を見つけて攻撃してきたアリでした。当然、戦車(を操縦しているkbj)はパニックに。砲塔をアリに向けようとしたのですが、遠慮ない攻撃が続きます。倒木から出て、体勢を立て直そうとしたら、今度は雨が襲ってきました。外に出られない! 前門の虎、後門の狼とはまさにこのことです。こんなのアリ~?

『虫けら戦車』

 さらに部隊を襲うのは……部隊を率いるクレメル少尉。この男が絵に描いたような嫌味な上官なんですよ。何もしない、できないくせに、「早くやれ」とか「自分でなんとかしろ」とか口だけはとにかく達者。どこにでもいますよね、実力も経験もないのに役職が上がっていき、下からまったく好かれても尊敬されてもいない上司って。部下の結束力が上がるというのが唯一のメリット。ゲーム中には、蜘蛛の巣に引っかかったクレメルを助けるというミッションがあったのですが、「このミッションを飛ばせないのかな?」と思ったのは、少尉には内緒です。

『虫けら戦車』 『虫けら戦車』
▲嫌味な上官・クレメルに振りまわされる我々、兵士たち。「(誠に残念ながら)ご無事でしたか、少尉殿」と言うセリフに気持ちがこもっています。

 食糧が尽きてしまったため、補充することになりました。まあいつものような、上官からの命令で出撃するわけです。そんなに都合よく食糧なんてないよ……と思っていたら、前を歩くアリがクッキーを運んでいるではアリませんか。

 kbjの子どものころには、“3秒ルール”というのがありました。落ちた食べ物も3秒以内に拾ってフーフーすれば食べられるというものですね。今考えると、とてもできないんですが、当時は当たり前にやっていたんですよ。

 アリが運んでいるのは3秒どころか、数日経過したかもしれないクッキー。「腹を壊すんじゃないか?」と思いつつ、背に腹は代えられない我々はアリを撃破して、食糧を調達するのです。くっそ―、小さくなってしまったせいでこんな屈辱的な目に!

『虫けら戦車』 『虫けら戦車』
▲部隊の物資不足を解消するため、朝つゆを集めたり、アリの運ぶクッキーを回収したりすることに。生き残るために、苦労が絶えません。

■大群で襲いかかる昆虫の群れに恐怖

 ダウンロードソフトで、射撃も自動で行ってくれるということで、そこまで難易度は高くないだろうと思っていたのですが、やはり虫けらどもは群れると危険でした。個体ではそこまでではないのですが、一度に襲いかかられるとかなりやっかいです。精神的にもあせります。

『虫けら戦車』 『虫けら戦車』 『虫けら戦車』

 本作をプレイするうえで、重要なのはレーダーと音。レーダーに敵が表示されたら、素早く砲塔を旋回。ギリギリの距離から射撃するや後退して、再度射撃。これをすることで、一方的に攻撃できます。味方のボイスやレーダーが消えることで撃破したことがわかるので、次に狙いを移しましょう。

 また、戦車の正面に敵がいた場合は、車体についている機銃がけん制。自動的に、敵の動きを抑えてくれるので、なるべく正面にとらえて攻撃するのもポイントです。こちらから攻撃する時だけでなく、逃げる時もかなり有効なので、マスターしておきましょう。

 あとは各個撃破もかなり重要。「囲まれた!」と報告を受けたら、すぐに安全を確保したいところ。ただ、先ほども言ったように、飛んでくる敵もいるので通路に逃げるのが安全とは限りません。

『虫けら戦車』

 それでも囲まれてしまったら“SOSボタン”をポチっとな! 生きてこそなので、援護射撃は積極的に活用していきましょう。あとはユーザー同士がすれちがい通信で通信すると、強力な援護爆撃が発生するようです。

 プレイしていて難関だったのは、陣地の防衛ミッション。次々と襲いかかってくる虫どもを撃破して、本陣を守るというものなんですが、何度も失敗しました。戦車が破壊されるわけではないのですが、味方の陣地が陥落してしまうのです。マップをチェックして、とにかく頭数を減らしていると、大きなアリに陣地が攻撃されてしまい、逆に大きなアリを攻撃していると、小さなアリや蚊によって陣地が落とされてしまう。

「お前ら、もうちょっと頑張れよ! あとクレメル少尉も寝てないで、銃を撃てよ!!」

 と私怨の入った悪態をつきながら、チャレンジすること十数回。途中、諦めようと思ったけど、なんとかクリア! 編集部のスタッフが周りで仕事していたにもかかわらず、声を出してしまいました。しばらくして、また防衛ミッションがあり、今後は逆の意味で声を上げたんですけどね(笑)。

『虫けら戦車』 『虫けら戦車』 『虫けら戦車』

 まあ、そんなこんなで、虫(と上官)との戦いは続いていきます。蜂やカマキリなどさまざまな虫が登場するうえに、物語もあるため、楽しんでプレイできる『虫けら戦車』。アクションが単調なので多少の飽きはありますが、テンポよく進んでいくためダレずにプレイできました。こういうシチュエーションに燃える人、虫好きな人、1人で敵軍を進んでいくような昔ながらのゲームが好きな人はプレイしてみては?(マルチプレイミッションもやってみたいkbj)

(C)2013 LEVEL-5 Inc./(C)2013 KI/comcept

データ

▼『虫けら戦車』
■メーカー:レベルファイブ
■対応機種:3DS(ダウンロード専用)
■ジャンル:ACT
■発売日:2013年3月19日
■価格:800円(税込)

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