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2013年4月15日(月)

【第10回】電撃おすすめアプリ 毎日レビュー『NOeSIS-嘘を吐いた記憶の物語-』――連続死亡事件の謎を追う美少女ホラーAVG

文:滑川けいと

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■ホラー好きにはもってこいのノベルゲーム

 最近少し暇な時間が増えてきたので、以前から気になっていたノベルゲーム『NOeSIS-嘘を吐いた記憶の物語-』をプレイしてみようと思い立った私。サクサクと本作を検索すると、ありました。ゲームのあらすじには、

・瞳を見つめるだけで、相手の記憶を捉えることのできる少女
・赤く塗られた不気味な2体の人形を、両親と思い込んで暮らしている幼なじみ
・微笑むだけで人を操る、病弱な妹

 と、なにやらサイコチックなことが書かれております。いいですね。非常にいいです。ホラーが大好きな私は、そのあらすじを読んで早速ダウンロードすることに。

『NOeSIS-嘘を吐いた記憶の物語-』
▲少し悲しいような、切ないような音楽が流れ、雰囲気はバッチリ。

 ゲームをスタートすると、時計を持った少女が映し出されます。話を聞いてみると、何やら“眠るために目覚ましを使う”とのこと。どうやら、自分の命を絶とうとしているようです。止めたくても、これはノベルゲーム。私の意志ではどうすることもできず、読み進めることしかできません。少女は私の目の前で、その瞳を閉じたのでした……。

『NOeSIS-嘘を吐いた記憶の物語-』
▲時計からは数本の線が伸びている。目覚まし時計は、どうやら爆破のための時限装置だったようだ。

 画面は切り替わり、視点も少女のものから男性のものに変わります。この視点の男性こそが主人公です。主人公がいる場所は、学校の屋上でした。彼は貯水槽の点検を引き受け、登ってきたようです。そこで聞こえた少女の声。

『NOeSIS-嘘を吐いた記憶の物語-』
▲周囲を見渡してみると、そこにはひとりの少女がいた。

 どうやらこの少女、人の気持ちがわかるというのです。しかもそれが死者であったとしても。なんとも不思議な少女に出会ってしまった主人公。不吉な予感がしますね……。

 時雨も何かを感じたのか、自宅に帰るやいなや、頼れる妹の憂姫に相談します。するとさすがは頼れる妹、相手が口を開かずとも気持ちが読み取れるのは、表情を読んでいたにすぎないと、答えを出してくれました。その答えに対し、冗談半分で、コミュ力があれば死人とも会話できるのだろうかと問う時雨。それに対し、憂姫は死人と対話できる存在“幽霊”であった場合はできるかもしれない、と意味深な発言をします。屋上で会った少女の雰囲気や憂姫の意見から、屋上の少女は幽霊かも……という思いがよぎる時雨。

『NOeSIS-嘘を吐いた記憶の物語-』
▲本当にその少女が幽霊であるなら、自分が幽霊であることをそんな回りくどい方法で伝えないと、憂姫はさらりと流す。確かにその通り。

 翌日になり、昨日までの物々しい雰囲気とは一変、さわやかな音楽が私の耳を包みます。どうやら幼なじみが、時雨たちの両親が不在の間、お世話をしにきてくれているそうです。まるで漫才のようなやりとりが交わされ、顔もニヤけます。

『NOeSIS-嘘を吐いた記憶の物語-』
▲幼なじみ・こよみちゃんの登場。起こしてもらったり、朝食を食べさせてもらったりと、至れり尽くせりの時雨がうらやましい。

 朝の時雨とこよりのやりとりがあまりにほのぼのしすぎて、あれ……これってサスペンスホラーじゃなかったっけ? と感じる私。しかし、そう思ったのもつかの間、彼らが学校へ到着したと同時に音楽は物々しいものに変化。私はホラー臭ただよう世界へと引き戻されました。

 原因は時雨たちの発見した、花壇の上に敷かれたビニールシート。この高校では、“1週間に1人、誰かが死んでしまう”という連続死事件が噂になっているそうです。恐ろしい……。つまり、ビニールシートがあるってことは、そこに死体があったということで、それに時雨たちは気付いたんですね。それは物々しい音楽が流れますよね。

『NOeSIS-嘘を吐いた記憶の物語-』
▲死体は、屋上から飛び降りたものである可能性があることから、事件当日屋上へ清掃に行っていた時雨は、職員室に呼び出される。

 教室に戻った時雨は、こよみと事件について話し合います。どうやら連続死事件の死因は、いずれも自殺ばかりの様子。ただこの事件、こよみいわく「この事件を調べると死んでしまう」のだそうで……。

 こよみが注意しているにもかかわらず、時雨は事件のことを聞いてきます。この時点で事件に一層かかわってしまうフラグがバッチリ立っちゃってますね。時雨のこの先が心配です。

 ちなみに、私としてはこの事件、自殺する日が必ずこの日だって決まっていたり、首を突っ込みすぎると死んでしまうので、何かの呪いなんじゃないかと勘ぐっております。

『NOeSIS-嘘を吐いた記憶の物語-』
▲その日の帰り道、屋上で出会った少女と再会する時雨。少女は帰り際時雨に、あまり自分とかかわらない方がいいと言い、立ち去っていく。その後、少女が誰なのかその正体を知ろうとする時雨は、案の定事件に巻き込まれていくのだった……。

 本作はこの場面以降、特にホラー要素が強くなり、イラストも多少過激なものが登場します。いくらキャラクターがかわいいからと言っても、ホラーの耐性がないプレイヤーは、少々気を付けたほうがいいかもしれません。ただ、このジャンルが好きなプレイヤーには、ぜひプレイしてもらいたい名作ですよ!

『NOeSIS-嘘を吐いた記憶の物語-』
▲本当はもっと手前で一旦休止しようと思ったものの、少女の正体と事件の真相が気になって、一気に読み進めてしまった私。物語はいくつかの章に分かれており、通して読むことですべての真相が明らかになる。中毒性の高い作品なので、読む時は夜更かしに注意してほしい。

(C)cutlass

データ

▼『NOeSIS-嘘を吐いた記憶の物語-』
■メーカー:cutlass
■対応機種:iOS/Android
■ジャンル:AVG
■配信日:iOS 2012年3月10日/Android 2011年10月30日
■価格:無料(アプリ内課金)
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