“変わる世界”で『SDガンダム カプセルファイター オンライン』は新生SDGOとなる――大型アップデートの真相を主要スタッフに直撃！

文：黒田知道

　CJインターネットジャパンは、PC用オンラインACT『SDガンダム カプセルファイター オンライン（以下、SDGO）』において、5月29日に大型アップデート“変わる世界”を実装する。戦闘のセオリーが一新される変更内容について、開発者をはじめとした主な関係者にインタビューを行った。

　アップデート“変わる世界”の実装により、これまで戦闘のセオリーを形作ってきたグー・チョキ・パー属性による“3すくみ”、ユニットの育成要素であるオーバーカスタムが撤廃。すべてのユニットの性能がS・A・B・Cなどのユニットランクを基準に一新される。また、ダメージバランスなどが調整される他、カスタムパーツを使った自由度の高い育成が可能になるという。

　電撃オンラインでは、日本運営を担当するCJインターネットジャパンの統括プロデューサー・伴正史さんとプロデューサー・鳴海大助さん、開発会社であるソフトマックスの開発総括室長・ソン＝ギウォンさん、プロモーションを行うバンダイコリアのプロジェクトマネージャー・キム＝ハンナさんの4人を直撃。長年親しまれてきたシステムを廃止する真相や新システムの狙い、アップデート後の展開など情報盛りだくさんでお届けする。

▲写真左から鳴海大助さん、伴正史さん、ソン＝ギウォンさん、キム＝ハンナさん（インタビュー中は敬称略）。みなさん快くインタビューに応じてくれた。

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■3すくみの属性がなくなり、戦闘の自由度がアップ！■

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――最初に、大型アップデートで変更されるものを教えてください。

伴：大きな変更点は、グー・チョキ・パーの属性を撤廃してユニットのバランスを調整したことと、カスタマイズシステムをリニューアルしたことです。

鳴海：これまでは属性の3すくみによって機体相性がありましたが、アップデート後はダメージ補正や、ブースター量の補正などが平均化されます。

――属性による相性はバトルの根幹とも言えるシステムでしたが、なぜ撤廃しようと思ったのでしょうか？

伴：『SDGO』はサービス開始から韓国で6年、日本で3年を迎えるタイトルです。ともなると、ユーザーさんの中には多少のマンネリを感じていた方もいらっしゃったと思います。そこで今回のアップデートは、『SDGO』をよりよい方向に向けることをコンセプトに進めました。

ソン：じゃんけんによる3すくみは初心者が親しみやすく、戦略性を高める効果もあります。しかし、チームのバランスをそろえるために好きなユニットを自由に使えなかったりと、対戦ゲームとしてのハードルを上げていた一面もありました。属性を撤廃する主な意図は、そうした制限を解消することです。賛否両論があるとは思いますが、今回を大きな転換期ととらえて、既存ユーザーの皆様には「新しいプレイフィール（プレイ感覚）」を用意し、新規ユーザーの皆様には「間口の広い対戦ゲーム」として受け入れてもらおうと考えています。

――長年実装していたシステムだけに内部でも反対の声が挙がったのでは？

ソン：言い出したのはソフトマックスでして、確かに会社の中でも意見が分かれました。ですが、ダメージ補正やブースター補正を平均化までに留め、ユニットの特性を残すのであれば、「それほど大きな影響はないんじゃないか」という結論に至りました。その後、実際にテストプレイをしてみたところ、ユーザーの皆様によりよい遊びを提供できると確信し、開発を進めていきましたね。

▲アップデート後の画面にはじゃんけんアイコンの影もない。新要素以外の項目はさほど変わっていないので、ユニットの個性は残っているのだろう。

――ソフトマックスから属性を撤廃したいと提案された時、どう思いましたか。

伴：最初はスタッフ全員が驚愕しましたね（笑）。これまでの『SDGO』を一新するような内容でしたから。でも、企画書をじっくり読んでみると「これはおもしろい！」と思いまして、「日本でも早い段階で実装してほしい」と伝えました。

――結果的によかったということですが、最初はどんなところが不安でしたか？

伴：やはり「戦い方が大きく変わってしまうんじゃないか」という点でしたね。僕自身が長年『SDGO』をプレイしてきて、頭で考えなくても「グー機体を操作している時はチョキ機体を狙う」というくらい属性による相性がなじんでいるんです。

鳴海：それに、現在のバランスはダメージ補正やブースター補正を前提に考えられているものなので、平均化された時にきちんとバランスを取れるのかも不安でした。その本音をソフトマックスにきちんと伝え、開発段階からテストに参加して意見交換ができたので、結果的にいい形にまとまったんじゃないかと思います。

――実際にプレイされてみて、戦い方は大きく変わったんでしょうか？

伴：そうですね。これまではグーならチョキ、チョキならパーというように、有利な相手を攻撃するのがセオリーでしたが、アップデート後はどんな相手に対しても攻撃しやすくなりました。ただし、パー機体なら遠距離攻撃が得意といった、ユニットが持つ特性はそのまま残しているので、これまでと基本的な立ち回りは変わらないはずです。

――これまでと比べて、戦闘の自由度が高くなっているようですが、バランス調整はかなり大変だったのでは？

ソン：そうですね。韓国では現在600体以上のユニットが実装されていますが、初期に実装したユニットの中には、数値を調整するだけでは個性を出せないユニットもありました。そういった機体のために新たな機能を追加し、旧作のユニットと最新のユニットの格差をできるだけ埋めています。ユニット数が多いので完璧なバランス調整はできていませんが、調整が必要なユニットは順次手を加えていきます。

伴：ちなみに、日本で実装されているユニットは約400体あります。それでも数が多いので、最初に全体的な調整をしてから細かいところをチェックしていきました。まだ荒削りなユニットも残っていますので、その調整を進めていくのが今後の課題だと思います。

▲数えきれないほどのユニットが実装されているので、バランス調整が長期的になるのもうなずける。

――韓国ではすでに新システムが実装されているそうですが、ユーザーの反響は？

ソン：結論から言いますと、かなりの高評価をいただいて接続率も持続的に上がっています。ユニットの性能に関しては多くのご意見をいただきましたが、実装直後は週に1回のペースで皆様のご意見を取り入れたパッチを当てて対応し、今はある程度落ち着いてきています。

→カスタムパーツが今後の『SDGO』の核となる!?（2ページ目へ）

(C)創通・サンライズ (C)創通・サンライズ・MBS
Produced by BANDAI KOREA
Developed by SOFTMAX / Published by CJ Internet Japan.
※画面は開発中のものです

データ

関連サイト

• “変わる世界”特設サイト
• 『SDガンダム カプセルファイター オンライン』公式サイト