2009年12月7日(月)
押野:死者の蘇生という話が出たところで聞いてみたいのですが、「『ウィザードリィ』は死にやすいゲームだ」とよく言われますよね。実際にはどの程度死ぬゲームなんでしょうか?
YK3:死ぬね。特に低レベルのころは、よく死ぬ。戦闘で死ぬならともかく、戦闘に勝ったあとで出てくる宝箱の罠を解除しそこなって、毒針の毒を受けて死ぬとか、すごく多い。
not:ターンテーブル(踏むとランダムに進行方向を変更される床)とか、ダークゾーン(視界がゼロになるエリア)とか、迷宮固定の罠も凶悪。
アクティ:1歩ごとに、ものすごい緊張感があるゲームですよね。
not:でも序盤を抜けちゃうと、意外と死ななくなる。「やばい!」ってことは何度もあるし、緊張感も相変わらずだけど、なんとかなる。地下4階と、初めて地下10階に降りたころ、あとはラスボスのワードナとの戦闘あたりが主な死にどころじゃない? 7階とか8階とかの恐ろしさは、あえて語らない(笑)。
YK3:それさ、昔のPCって気楽に電源オフできたっていうのが大きいよ。
not:ああ、それはたしかに。
YK3:『ウィザードリィ』って基本的にはオートセーブなんだけど、ディスクに「死んだ」とかいうデータが書き込まれちゃう前にPCのリセットスイッチを押すのね。あと、フロッピーディスクそのものを抜いちゃうとか(笑)。
アクティ:ファミコン版では、まず無理なんですよね、それ。
not:うん、だから俺も初めてファミコン版をプレイした時、ディスクのアクセスがなくてスムーズだなと思ったのもあるけど、リセット不可っていう緊張感を感じたのを覚えてる(笑)。
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| ▲30代どもの『ウィザードリィ』談義はとどまる所を知らず。 |
押野:ちなみに、パーティが全滅するとどうなるんです?
YK3:他の大体のRPGと違って『ウィザードリィ』の場合、死んだら死体が迷宮に残るんだよね。その死体を、別パーティで救出部隊を作って拾いに行って、蘇生させないといけない。
not:救出部隊が全滅とか、しょっちゅうだったよね(笑)。
アクティ:典型的な2次遭難を起こしますよねー。
YK3:でもさ、さっきも言ったけど、やっぱりキャラクターへの愛着ってハンパじゃないから。リセットが間に合わなかった時とかさ、どんなに2次遭難しても救出に行くわけよ。
not:全滅したときの喪失感ってのはすごいよ。もうほんと、口もきけないくらい。
YK3:初めて地下10階に突入した時かな、全滅したんだよ。地下10階で。それで、とにかく落ち着かなきゃと思って、まずメシ食って、風呂に入って、気持ちを落ち着けてから、心の準備をして……「レスキュー1」、「レスキュー2」みたいな救出専用のキャラクタ作り始めた(笑)。
押野:そこまでショックが大きいと、ゲームを放り投げたりしませんか?
アクティ:難易度が絶妙なんですね、やっぱり。全滅して投げちゃうこともあるんだけど、気が付くとまたプレイしてる(笑)。
not:このシリーズのファンって、基本みんなマゾだよな(笑)。
YK3:マゾ……まあ、マゾだね(笑)。でもやっぱり、それだけのめり込めるのって自分で想像できるっていう要素が大きかったと思う。キャラクターもそうだし、迷宮の中とか戦闘の様子とかもね。それで、自分の中でストーリーとか絵とかが立ち上がってきて、死とか全滅とかも、その物語の一部になるんだよね。
アクティ:メッセージの翻訳(※1)もよかったですよね。「おおっと!」とか「いしのなかにいる!」とか、データの関係上ギリギリまで切り詰めた表現なんだけど、それだけで何が起こったかはわかりますし。
※1……1981年の元祖『ウィザードリィ』は、米国のSir-Tech社から発売された。
not:「祭壇がある」みたいな解説文も独特でよかった。全体に最小限の描写しかないんだけど、だからこそ妄想が膨らむよね。そういう突き放した感覚が、『ウィザードリィ』の雰囲気を作っていたと思う。
YK3:ゲーム全体で突き放してるよね。テレポート呪文を使うとマップの任意の位置の座標を入力するんだけど、間違えて壁があるところの座標なんか指定した日にゃ……「いしのなかにいる!」になったが最後、パーティは蘇生の余地もなく全滅だし。テレポートの罠もそう。
アクティ:そうやって突き放されるんだけど、気が付くとやっぱりまたプレイしてるんですよねえ。
not:だからマゾなんだって(笑)。まあ、それは冗談としても、それだけ魅力があるゲームってことだね。じゃなきゃ2000レベルとかやらない(笑)。
押野:なるほど。長く愛されるゲームには、それだけの理由があるということですね。
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