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2011年1月27日(木)

【『Wiz』好きガチ対談】3Dダンジョンの歴史から『Wiz』の楽しさをひも解く!

文:電撃オンライン

■『ダンジョンマスター』と『ウルティマ・アンダーワールド』

YK3海外のあのリアル路線モノって、まず最初に『ダンジョンマスター』(1987年)が大きかった気がするね。実際にはもうちょっと前にもあったと思うんだけど、『ダンマス』のインパクトはものすごかった。

――完全にリアルタイムで動く、ダンジョンRPGですね。

アクティ当時の技術的に言えば、リアルタイムで動くというだけでも十分におもしろかったし、衝撃的でしたね。

YK3本当に、今までにないリアリティがあったし、ひとつひとつが新鮮だった。りんごを敵に投げつけるとか、そんなことでさえおもしろかったもの(笑)。

――サウンドにも気が配られていた作品でしたね。普通のモンスターは足音がするから近づいてくるのが音でわかるんですが、幽霊みたいなモンスターだと足音がしないから、背後から殴られてはじめて気がつくとか。

YK3あとハマったのが、『ウルティマ・アンダーワールド』(1992年)。あれもすごくおもしろかった。もちろん、今まで見下ろし型のマップがメインだった『ウルティマ』で、ダンジョンがメインになったっていうのも衝撃だったんだけど、それだけじゃないんだよね。『ダンマス』って、まだマップは『Wiz』と同じ形式だったんですよ。要するに、“前進”ってコマンドを入れると、決められた1歩の距離を前に出る。でも『ウルティマ・アンダーワールド』は完全にポリゴンだったから、「穴の縁までもうちょっと近づこう」とかできたのね。

アクティ今の洋ゲーRPGと完全に同じですね。

――現代的な海外型RPGは、『ウルティマ・アンダーワールド』がベースになっているという説は、結構強いですね。

YK3『オブリビオン』とかは、ハイエンドのFPSに負けないくらいグラフィックが緻密になっていったけど、根っこにあるのは『ウルティマ・アンダーワールド』なんじゃないかな。今でもその傾向はあるけど、昔はFPSって言えば「ものすごいグラフィック能力を要求するゲーム」の代名詞だったからね。そこが融合していったんじゃないか、と。

■3Dダンジョンに物語とキャラクターを乗せる

アクティなるほど。その時期の話だと、僕はコンパイルの『魔導物語』を思い出しますね。初出が1988年で、だいたい1990年の作品です。ぷよぷよのキャラクターで、3Dダンジョンでというタイプのゲームなんですが。

――カワイイキャラクターで3Dダンジョンっていうスタイルのはしりというわけですね。

アクティそれもあるんですが、『魔導物語』って、それなりにしっかりした物語があるんですよ。キャラクター同士の会話だとかがあって、今から見れば簡単だけれども物語もあって。戦闘でキャラクターが喋ったり、能力値の表示がすごくファジーな感じだったり、とにかく新しいことをしようっていう意欲がはっきりしていた作品だったと思います。

――ストーリーという点では『女神転生』もそうですね。小説とのマルチメディア展開で始まったというのもありますが、3DダンジョンRPGに、物語性を重たく乗せています。

アクティあの頃の日本のメーカーは、そのあたりを強く意識していたんじゃないかと思いますね。結局その路線は、今回のWizardryにも自然に組み込まれているし、『世界樹の迷宮』なんかも毎回それなりにしっかりした物語がついてくる。

――カワイイ女の子が必ず出てくるあたりも引き継がれてますね(笑)。

アクティですね(笑)。『魔導物語』は本当にキャラクターの魅力が大きいゲームでしたし、『女神転生』シリーズにしても『デビルサマナー』『ペルソナ』とかではそのあたりがいかんなく発揮されてると思います。

【『Wiz』好きガチ対談】 【『Wiz』好きガチ対談】
▲そうしたグラフィック面などでのトレンドの変化は、『囚われし亡霊の街』にも見て取ることができる。

→今なぜ『Wiz』なのか? その楽しさの秘密は……?(3ページ目へ)

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データ

▼『Wizardry 囚われし亡霊の街』
■メーカー:アクワイア
■対応機種:PS3(ダウンロード専用)
■ジャンル:RPG
■発売日:2011年1月27日
■価格:2,000円(税込)

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