2011年1月27日(木)
■もっと新しい3Dダンジョンを目指して
YK3:3Dダンジョンは、作り手にとってもそれなりに魅力的なジャンルなのかなと思うこともあるね。ゲームシステムとしては枯れていて、ちゃんと作れば普通におもしろいゲームになる。
アクティ:DSiウェアとかPSPとか、そういう配信系のタイトルには3Dダンジョンを結構見るんですよね。さっくり遊べるんだけど、長く遊びこむこともできるタイトルです。それでいて、開発リソースもそこまで過大な要求はされないわけで。もっとも、最近ではそう考えるメーカーさんが増えてきたみたいではあるんですが(笑)。
――スマートフォン、具体的にはiPhone/iPodにも、『Wiz』のクローン作品がありますね。調べてませんが、Androidにもきっとあるんじゃないでしょうか。
YK3:実際、32KBとか64KBとかいうメモリで動いてたゲームなんだし、使うディスクも1枚だったんだよね。容量的には1M以下。いまならちょっとしたフラッシュゲームでも1Mなんて簡単に超えちゃう。
――そう考えると、3Dダンジョンは日本独自の進化をしてきたのかもしれませんね。
アクティ:『魔導物語』もそうですけど、『Wiz』をリスペクトした3Dダンジョンっていうくくりの中でも、いろんな工夫はなされてきたと思うんです。エンジンもギミックも、だいぶ枯れてきたような印象はありますが、それならばそれで、今度はかなり複雑な物語を乗せたり、その物語の中にプレイヤーが自然に入っていけるような演出をしたりといった工夫は、まだまだできるんじゃないですかね。そういうゲームを指して「またガラパゴス化している」って言われるかもしれませんが(笑)。
YK3:ゲームは、いろんな地域ごとに流行りとか傑作とかがあって、「こんなおもしろいゲームをもっと遊んでみたい」とか「こんなおもしろいゲームを自分も作ってみたい」とかいう形で広がっていくから、地域によって作られるゲームにかたよりが出るのは当然だと思うんだけどね。あとは制作コストと利益のバランスの問題というだけのことで。
――むしろ、3Dダンジョンっていうエンジンを使って、もっといろんなゲームが作られてもいいのかもしれません。どんなゲームがあり得るのか、今すぐには想像できない部分はありますけど。
YK3:そういう新しいゲームが登場するためにも、『囚われし亡霊の街』みたいな3Dダンジョンゲームが、これからもたくさん世に出てくるといいよね。作品が作られて、遊ばれてこそ、そこから新しい傑作が生まれてくる可能性も上がるんだから。
アクティ:ああ、なんか上手くまとめにきた(笑)。でも、確かに今日遊んでみてそう感じはしましたね。だって単純に楽しかったですもん。知らない場所を冒険して、未知の敵と戦って、手に入れた財宝の中身に一喜一憂する――そんな、シンプルな“冒険の楽しさ”。3Dダンジョンを楽しく感じるコアの部分はきっちりと押さえていますよね。だって、対談のために用意した3時間のうち、2時間近くはプレイで消費しちゃいましたから(笑)。
――そのエピソードだけ取ってみても、本作の楽しさの一端がわかる気がしますよね。それではここで、今回の対談はお開きとしたいかと思います。長丁場、どうもありがとうございました!
YK3&アクティ:ありがとうございました!
▲「ありがとうございました!」と言ったそばからプレイを再開するYK3とアクティ。ちゃんと商品を購入してから遊ぶように! |
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