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2011年9月29日(木)

【レゲーの花道】懐かしのゲームを語る連載企画! 第3回は『カラテカ』!!

文:まっつ

★☆★ 昔を思い出しながらプレイしてみた ★☆★

【屋外ステージ】

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これまた数十年ぶりのプレイ。ゲームスタート直後、主人公は崖を背にして突っ立っている。
パソコン版『カラテカ』では、なんとこの崖をよじ登るシーンを見ることができるらしい。
一人で登ってくるなんてリポビタンCも真っ青だ。

そんなこんなでゲームスタート!

とりあえず即効で後ろに下がって崖に落ちる。
「デーレデッテーデレレレー」。暗いBGMが流れてゲームオーバー。よし。
これは『カラテカ』をプレイするための儀式だからしょうがない。
いつも思うが、崖から落ちてから「ドッ!」っと地面に落ちる音がするまで少し間があるところが、地味にリアル。

そしてもう1つの儀式が、最初の敵とのオジギ合戦。
 

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▲「あ、どうも」「あ、どうも」「あ、どうも」「あ、どうも」。

お互い、オジギしている間も敵から目線を外さないのがポイント。
たぶん、映画“燃えよドラゴン”でブルース・リーが少年に教えたオジギの仕方が元ネタだと思われる。
っていうかこのゲームって、孤島に乗り込むっていう舞台設定とか黄色い道着とか、どことなく“燃えよドラゴン”の匂いを感じるなぁ。

ひとしきりオジギをしたら、戦闘に入る。敵がファイティングポーズをとり、勇ましいBGMが流れ始める。
パンチやキックなど一連のアクションはは、今見ても動きがとても滑らか! 
調べてみたらこのゲームのメーカーは、『プリンス・オブ・ペルシャ』も作っていると知り、妙に納得してしまった。

1人目の敵を倒して門をくぐる。子供の頃、この門の柱がウエハースに見えて仕方がなかった。
生協とかで売ってたヤツ。

門の先を走っていくと、自分の姿と指図された手下が走ってくる様子が交互に切り替わる。
2人の距離がどんどん縮まってくるのを表現した斬新な選出!
「サチコぉ!」「ツトム君!」
高鳴る鼓動! 今2人は1つに……! 的な演出だが、敵はツノ付きヘルメット被ってますから。
ちなみに初プレイ時は突っ込みすぎて立ったまま敵に当たって一撃死なんてのが、よくあったなぁ。

友だちの樋口君や山崎君、元気かな。
そんなことを考えつつ、アジトへ侵入成功。
 

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▲スタート直後は、とりあえず下がって崖に落ちるのがマナー。さざなみの音も相まって、もはや“わび・さび”の世界。 ▲門をくぐると、ボスのアクマ将軍が手下に指図するイベントシーンが流れる。指図されて深々とオジギする手下がかわいい。オジギの使い方がどこかズレてる気がするのは、いかにも海外のゲームっぽい。“ジャパニーズ オジギ”を表現したくて仕方なかったんだろう。SUSHI! TENPURA! HENTAI! みたいな。

【アジト内部(廊下)】

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アジトに入ると、ピンク色のファンキーな道着に身を包んだ手下たちが待っていた。
その道着、ドン・キ●ーテあたりで売ってそう。

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▲「あ、どうも」「あ、どうも」「あ、どうも」「あ、どうも」

ちなみに、あの歌のせいでドンキ・●ーテだと思ってるヤツがたまにいるけど、
正式名はドン・キ●ーテである。注意が必要だ。

さて、このピンク色の空手バカをなぎ倒しながら進んでいくと、
突然「ギュギュギュ!」というヘンな音とともにワシさんが登場する。

ワシはパンチとキックで迎撃できるのだが、そのタイミングがかなりムズい。
そのシビアさはアーケードゲームの『空手道』の“さあ牛だ”に勝るとも劣らない。
ミスすると「ギャギャギャ」と笑いながら去っていくのもムカツク。

苦い顔をしながら先に進むと、このゲーム最大の難関である“白い門”が現われる。
この門を不用意に通過しようとすると、尖った鉄柵が「ガシャン!」と落ちてきて一撃死となる。
初めてのプレイだと、まず間違いなくここでゲームオーバーになる、地獄の門だ。
初見殺しどころか、通り方を知らないとここで一生行き詰ることになる。
子供の頃、「門をくぐらずに脇を歩けばいいじゃん」と思ったが、今見てもそう思う。
当時、俺は偶然通り方を発見できたおかげで1日でクリアできたけど、貸した友だちは、みんなことごとくこの門に挟まれ続けた。
おかげで俺は、友だちから“白い門の通り方を知っている現人神”という扱いを受けることができた。
特にイイコトが起きたわけではないけど(笑)。

ちなみに通り方は、下の写真のとおり。 

mon1 mon2 mon3
【門突破の手順1】構えたまま、門の陰の少し手前に足が来るように位置を調整。 【門突破の手順2】構えで位置を調整したら、そのまま直立状態になる。 【門突破の手順3】そのまま前方に走ると目の前で門の柵が落ちる。あとは柵が上がるのを待ってから通過すればOK。

【武の部屋】

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白い門を通過すると、いよいよ終盤。見どころは壁に掛かった“武”の文字。
海外開発者の「漢字かっけー」的なテンションを感じる……。(妄想)
きっと腕に「無双」とか「武蔵」とか「平成維振軍」とか彫っている人に違いない。

さて、ここからはジム・ケリーばりの黄色の道着を来た手下たちが相手。
手数が増えて、体力も多いため油断するとKOされるので注意が必要だ。
このステージは基本的に個室でのタイマン勝負が続くのが特徴。
密室で闘うというと難易度が高そうなイメージがあるが、密室ならではの必殺テクニックが存在するため、実は難易度は低い。
そのテクニックとは「北斗百烈拳」!

いや、「南斗再試拳」の使い手なので「南斗百烈拳」か。
とにかく世紀末救世主な伝説を感じるカッコイイテクニックなのである。

やり方は簡単で、相手を壁まで追い詰めてから密着し、パンチを連打するだけ。
相手は身動きができないままKOされるまでパンチを食らい続けるので、かなり気持ちいい。

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▲敵は蹴りを4発連続で出してくるので、その4発目の終わり際の隙を見計らって一気に接近。その後パンチを連打すればOK。上・中・下段すべてのパンチがヒットするので、連打中に自由に変えて百烈拳を楽しもう。ヒャッハー。

なお、このテクニックは後ろに壁があることが条件なので、
最初の敵とボスであるアクマ将軍には実行できないことを覚えておこう。
ちなみに、当時俺の周りで最初にこのテクニックを発見したのは、友だちの関口君である。
元気ですか?

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▲黄色の手下を次々と倒したら、今度はワシとの決戦。調子が悪いとここで死ねるので、個人的にはラスボスだと思っている。なお、このワシはKOされるとまるで包丁で八つ裂きにされたかのように、バラバラになってしまう。さすがは“南斗”の空手使いである。

そして最後に待つのは、アクマ将軍。
指令を出していた部屋には姿はなく、その奥のマリコ姫がいる部屋で主人公を待ち構えている。
初プレイの場合、マリコ姫の部屋に入ったところを不意打ちの正拳突きを食らいゲームオーバーになるのが普通。
十数年ぶりにプレイした今回は、小学生当時ブチ切れした記憶がよみがえり、奇襲を食らうことなくクリアできた。

アクマ将軍を倒し、奥の部屋にいるマリコ姫に近づくと2人はヒシと抱き合い、そして「I LOVE YOU」の一言。シュール。
『クレイジークライマー』の風船に捕まったときのような曲が流れてエンディング! やったー。

という感じで、何度かワシに殺されたものの、普通にクリアできました。
敵のアルゴリズムは単純なので、割と簡単にパターンにはめることできる。
とにかく白い門の謎さえ解きさえすれば、クリアは楽なゲームだと思う。

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▲奇襲するアクマ将軍の図。マリコ姫が黒幕のように見えるのは、たぶん気のせい。
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▲マリコ姫にパンチしてみるのも当時のお約束。「ボインタッチ!」と叫びながらやるのがベストだが、大の大人が叫ぶとただの痛い人になってしまう。やるときは周囲に人がいないかどうか確認しよう。 ▲抱き合っているように見えるが、突っ立った二人のグラフィックを強引にくっ付けているだけなのがミソ。 当時のゲームは、こういった開発者の創意工夫が垣間見れたりして楽しい。

●書いている人:まっつ

 電撃SEGA EX、電撃セガサターン、電撃ドリームキャスト、電撃ゲームスなどで主に読者ページを中心に細々と働いていてきた、昭和50年生まれのライター兼編集者。ファミコン全盛期の1983~1988年ごろは、埼玉県浦和市(現さいたま市緑区)に住んでいた。頭はだいぶよくない。好きな動物は“もぐら”。最近、きんぴらごぼうで前歯が折れた。折れっぱなし。

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