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2012年3月17日(土)

フェイトがクロノア衣装になった理由とは!? 『魔法少女リリカルなのはA’s PORTABLE GOD』開発スタッフインタビューでさまざまな謎に迫る

文:電撃オンライン

■より自由度の増したシステムを目指して

――開発する上で、掲げた方針があればお願いします。

國本:前作はルールを作ろうという方針がありました。今回は、前作を遊んだプレイヤーがやりたいと思ったことを拾おうというのがありました。方向性はまったく変わっていますが、これは前作がないとできなかったことです。

――MPが自動回復しなくなり、アクセルダッシュもMP依存になり、ロングレンジでの立ち回りが厳しくなったように思えますが、接近戦をやらせようという意図があったのでしょうか?

『魔法少女リリカルなのはA’s PORTABLE -THE GEARS OF DESTINY-』

國本:はい。前作の時点から、クロスレンジとロングレンジを行ったりきたりしてほしいという意図がありました。そのため、クロスレンジとロングレンジを行き来できるような橋渡しとして、バインド中に“EXアクセルダッシュ”で接近したり、クロスレンジで相手を吹っ飛ばしたりできるようにしました。ただ、それをやりづらいキャラは“接近戦を無理にやらなくてもいい”というバランスは今作でも考慮しています。

金子:全体的に駆け引きを重要視し、コンボゲーではなく読み合いを楽しんでもらえることを意図してシステム構築しています。頑張って考えたシステムですので納得しているのですが、先ほど収録したプレイ動画の内容にはいろいろと納得ができていません(笑)。

――前作から引き続き登場するキャラクターのコンボが変化したのはなぜですか?

國本:前作のシステムはルール作りをメインにしたため、こちらが意図した範囲内で遊んでもらうゲームになっていました。そこを越えて、ユーザーが好きに組み立てられる自由度と、それをゲームとして抑えるシステムを作ることを念頭に置いて、今の形に落ち着きました。

――技をアクセルダッシュやガードでキャンセルできるポイントが大幅に増え、立ち回りの自由度が増したと思うのですが、これもその自由度を踏まえてでしょうか?

國本:はい。先ほど話した自由度に加えて、スピード感を表現したいという狙いがあります。ダッシュの後にもう一度ダッシュしたいとか、攻撃につなげたいとか、そういった“ユーザーがやりたいと思うこと”を想定して組みこんでいます。このため、すばやく動いてほしいキャラはキャンセルポイントを長めに設定していますし、重めに動いてほしいキャラは短くしています。

――大振りの攻撃は技が出る前にキャンセルポイントが用意されていますが、これはなぜ入れたのでしょう?

國本:キャンセルしてもMPは消費しますし、アクセルダッシュにもMPが必要です。そういったリスクもあり、フェイント用途で入れています。やれることは多いに越したことがないだろうというところです。

――フェイトはたとえばハーケンセイバーやハーケンスライサーを撃った後にキャンセルができ、かなり隙を消せますね。

國本:前作から技の終わりにキャンセルポイントはあったのですが、今回は極端になっていますね。

『魔法少女リリカルなのはA’s PORTABLE -THE GEARS OF DESTINY-』 『魔法少女リリカルなのはA’s PORTABLE -THE GEARS OF DESTINY-』
▲ハーケンセイバーやハーケンスライサーなどをはじめ、あらゆる技にキャンセルポイントが用意されているフェイト。隙を消して別の技を出したり、移動したりできる。

――なのはとフェイトは、アッパー調整なキャラと感じたのですが……。

國本:なのははバランスキャラからロングレンジキャラへと再調整したのですが、強いロングレンジ攻撃は対応しづらいために、強く感じられるのだと思います。ただ、他のキャラも最高難易度のCPUなのはにきちんと対応して勝てるよう調整をしています。フェイトの強化に関しては、別の意図がある……のかもしれません。

金子:水樹さん(※フェイト&雷刃(レヴィ)役の声優・水樹奈々さん)から直々にフェイトを強くしてくださいとお願いされちゃいました。こうなっちゃうと抗う術が俺にはありません。

(一同笑)

國本:あと、なのははクロスレンジでは少し重たくしているので、スピードキャラよりは接近戦が扱いづらくなっていると思います。

――ちなみに、調整に苦労したキャラはどれですか?

國本:正直、どのキャラもすべて手をかけています。期間的な長さだとなのはですね。あとは、フェイトはスピードキャラが強くなりにくいのと、強さを実感しにくいため、何度か再調整しました。マテリアルズの差別化にも手をかけています。

――他に調整面で気になるのはプレシアですね。非常にピーキーなキャラになっていますよね。

『魔法少女リリカルなのはA’s PORTABLE -THE GEARS OF DESTINY-』

國本:プレシアの調整は、攻撃をかわしにくくした上で、飛び道具には他の飛び道具をかき消す、“強魔法判定”を付けました。ものすごく強い魔法使いというイメージと、ラスボスを作るようなイメージで開発しています。まあ、後者はストーリー的には違うのですが(笑)。攻撃が強くて、固めることができるけど、防御力がとにかく低い。皆さんは「病弱なキャラだから」と考えているようですが、そこは考えずにバランス取っていましたね(笑)。

――個人的に、ヴィヴィオとアインハルトは強いと感じました。

國本:クロスレンジキャラを強くするのが難しかったので、ロングレンジ対策を入れた結果だと思います。

金子:ヴィヴィオは天性のカウンターヒッターという設定があります。「天性というのは、ゲーム中では難しいんだよなあ(苦笑)」ということで、カウンターに近いブロックを強くしています。

『魔法少女リリカルなのはA’s PORTABLE -THE GEARS OF DESTINY-』 『魔法少女リリカルなのはA’s PORTABLE -THE GEARS OF DESTINY-』
『魔法少女リリカルなのはA’s PORTABLE -THE GEARS OF DESTINY-』 『魔法少女リリカルなのはA’s PORTABLE -THE GEARS OF DESTINY-』
▲ブロックが強いヴィヴィオ。バインド技のレストリクトロックの性能もいい。

――シャマルは、フルドライブバーストのダメージは抑えめになりましたが、その分全体として強くなったのでしょうか?

『魔法少女リリカルなのはA’s PORTABLE -THE GEARS OF DESTINY-』

金子:つねに風(※風の足枷)を出して、ねちっこくなりましたね。

國本:前作は、視界の外から飛んでくる攻撃に抵抗があったので、ブレーキをかけていたのですが、今作ではそのブレーキを外したので、いろいろなことをやれるようになりました。

3ページ目で受け身について質問!

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