『ドラッグ オン ドラグーン』シリーズ座談会でヨコオタロウから飛び出す過去作の衝撃的真実…『DOD1』のアレは神様じゃない!?

文：タダツグ

■だったら『DOD2』のカイムとアンヘルはどうなるの？

松下：さてさて、先ほどから質問攻めのヨコオさんの横でニヤニヤ見ているだけの安井さんにおうかがいします。

安井：え、マジですか。

松下：『DOD2』では安井さんが、いわゆるカイムとアンヘルの結末を描かれているじゃないですか。あのエピソードって、男女として見て描かれてます？　それとも……。

安井：いや、完全に男女の仲として見ていますよ。『DOD1』を遊んだ人が納得する結末はなんだろうって考えると、ああいう形になるのかなって。

松下：なるほどやはり……。ちなみにヨコオさん、『DOD1』のAエンディングって、最後にカイムが泣くじゃないですか。覚えてます？

ヨコオ：もちろん覚えてますよ。泣きますね。

松下：あれって、何で泣いたんですかね、あそこで。

ヨコオ：あのー……こう言ったら怒られるかもしれないけど、「さすがにエンディングだからちょっと盛り上げとかないとな」って気持ちが、僕に働いた気がします。ある種、ヨコシマな考えが。

松下：うわー、それはいやらしい（笑）。

ヨコオ：いや、違う。きっとカイムの中で、こみ上げてくる何かがあったんじゃないかな。きっとそうです。……というか正直、あのシーンで覚えているのは、「いい感じに青空的なエンディングにしよう」ってことになって、最後に無理やり空を見上げさせたっていうことくらいしか覚えてないんですよね。

▲どんよりと曇った空で始まり、青空で終わる『DOD』の物語。もちろん、それくらいで気分も晴れ晴れした!!　ってことにはならない。絶対に。

松下：そうなると、解釈をぶん投げられたわけですよね、安井さんは。

安井：そうですね。そうですねっていうか、そうですね（笑）。解釈しました。

ヨコオ：（関係なさそうな顔でビールをあおる）

松下：僕、『DOD2』で一番好きなシーンって、あそこなんですよ。カイムとアンヘルのラストシーン。

安井：そういう人、たくさんいらっしゃいますね。

▲『DOD2』における、カイムとアンヘルのラストシーン。この後、2人は……。とても美しい、シリーズ屈指の名シーンである（断言）。

松下：やっぱり男女のアレだったんですかね？

安井：突き詰めて言うと、男女のそれも含みつつ、一番大きいのは戦友みたいな気持ちだったとは解釈しているんですけどね。そもそも『DOD1』のエンディングでも、そういう感じがあったから、そこを突き詰めつつ完結させてあげたほうがいいのかなと思って。

松下：戦友としての……って感じですか？

安井：ええ。最終的には、ただの男女というよりも、より深いところで通じ合っているというか、一緒に生きてきた者同士の結末みたいな感じで。

ヨコオ：君はあいかわらず、優等生な意見ばかりを垂れ流すね（笑）。今の流れ、僕的にすごくおもしろかったんで、そのまま記事にしてください。安井さんが「男女の関係が～」うんたらかんたらって部分。このインタラクティブな感じを、ぜひそのままで。

松下：ライブ感を出しておきますよ、ここは。でもまあ、さっきのヨコオさんの言葉を借りるなら、アンヘルはカイムに対して、愛を感じているのはもう間違いないんでしょうね。だって、ホストに狂ってるわけでしょ？

ヨコオ：そうですね。アンヘルは『DOD1』の時、カイムのことが好きだった。『DOD2』の時は……まあ、安井さんに聞いてください。

安井：もちろん、好きだったと思いますよ。

松下：まぁ、『DOD2』での描写はわかりやすかったですもんね。『DOD1』の土壌があったし、カイムもアンヘルを助けにいこうとしてましたから。でも、『DOD1』のカイムに対して、アンヘルがいつ恋愛感情を抱いたのかっていうのは、やっぱりよくわからないんですよねぇ……。

ヨコオ：じゃあ、名取さんに聞くのがいいんじゃないですか。すごいぶん投げっぷりですけど。

松下：『DOD1』ではシナリオを名取さんが書かれてるんですけど、プロットはどれくらい出されてたんですか？　最初の段階で。

ヨコオ：実は僕、ほとんど出してないんですね。こうなってそうなってああなるっていう大雑把な流れと、ここでこういうイベントが起きてっていうのだけを作って、話の中身にはほぼ触ってないんです。そういう意味では、女性がシナリオを書かれたからこそ、そういうドラマ的な何かが生まれたのかもしれませんね。

松下：なるほどー。ちょっと名取さんに聞いてみたいですね。「忘れてるわ！」って言われるかもしれないですけど。

ヨコオ：いや、名取さんは大人の女性なので、なんだかこう、いい感じに答えてくれるかも（笑）。

松下：なるほど。大人だから。

ヨコオ：うん、大人だから。知らないとは言わないと思いますね。

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