2013年4月26日(金)
――開発の中でこだわったカードはありますか?
橋本:ニシダとかですかね?
(一同納得)
しももん:確かにニシダはやけに気合が入っているというか。ギミックがすごいというか。
後藤:そうですねー、ニシダはなんだろう。後にも先にもここまでニシダにこだわった商品はないのではないでしょうか(笑)。あと、僕は作中でキリト君が悔しい思いをしたアイテムをぜひ使ってたみたいという思いがあり、還魂の聖晶石はこだわりましたね。
しももん:あの、死んだプレイヤーを蘇らせるやつですね。
後藤:そう、蘇らせるタイミングが重要になります。そもそもこのゲームってテストプレイ段階では、1人が死んでも、そのまま継続っていう話だったのですが、最終的には1人でもプレイヤーが死んだらゲームオーバーになりました。そういった厳しい状況の中で、仲間を救う機会が発生するか、ゲームデザイナーとして結構楽しみだったりします。
――このアイテムを1枚持っているだけで、みんなの安心感が違いますよね。
後藤:そうですね。これがあるから安心して未開のフロアに突撃できる! 大丈夫だっていう感じはありますね。
――橋本さんは、ニシダの他に何かこだわったカードはありますか?
橋本:Poh(プー)のバランスですかね。レッドギルド、オレンジギルドのキャラクターは難しくさせたかったし、運の要素も増やしたかった。ギリギリのところを攻めたテキストになりました。
しももん:確かにクラディールを引いちゃった時の腹立たしさはもう……。
――僕のアスナが……ってなりますよね。
(一同笑)
――8種類の職業があるアバタープレートで、こだわったところはどこでしょうか。
後藤:初めから、プレイヤーの皆さんがキリト君とかになるという遊びは成立しないと考えていました。それがアバタープレートを用意した理由です。
しももん:スリリングではなくなってしまうんですよね。
後藤:そうなんです。アニメに登場するキャラクターは強いので、強くて当たり前になっちゃうんですよね。さらに自分がキリト君だから、他の人がキリト君を使えなくなっちゃう。なので、できれば自分もゲームの一登場人物になれるような、アインクラッドに捕らわれた1万分の1になれるような。そういう思いを込めて、このアバタープレートを設定しています。
▲自分の分身となるアバタープレート。武器やアイテムを装備したり、HPを管理したりします。 |
橋本:このゲームでは、実際の自分の性別が、ゲーム内の性別に反映されるっていうところも原作に忠実ですね。
――アニメの第1話で、みんなが手鏡を渡された時ですね。
橋本:そうです。このゲームは女性が装備すると強くなる装備がありますが、ご購入される方の多くは恐らく男性だと思います。ぜひ女性を誘って遊んで欲しいですね。
▲女性が装備すると強くなるイーボンダガー。ぜひ女性をパーティに誘いましょう(笑)。 |
しももん:女性がいると本当に強いですよね。
後藤:そう。すごく強くなるんです。だからそれを理由にぜひ女性を誘って……つり橋効果とかも使って親睦とかも深められたらなと(笑)。
(一同笑)
――間違っても、その女性の次の手番の男性はスイッチを出せないとか、あってはならないことですね。
後藤:絶対にスイッチを切らせてはいけないですよね。
しももん:もしもの時、味方のダメージを肩代わりできる“職業:タンク”とかは、そういう場面で活躍できるんですよね。そのダメージ僕が代わってあげるから、みたいなね。
後藤:そうですねー。8種類の職業を作る中で、1つ1つに個性が出るようにしたかったので、それぞれが必ず活躍できる、ヒーローになれる瞬間があります。
――雑貨屋なんてすごく重要ですもんね。
後藤:雑貨屋は超重要になっちゃいましたね。
――雑貨屋がいるかいないかで、皆さんの生存率が全然違いますよね。
後藤:そうですね、雑貨屋は特にヒーローになりやすいですね。いつだって一番輝いてます。
▲みんなのヒーロー・雑貨屋。全体回復ができる超重要な職業です。 |
――他に、この商品の魅力を教えてもらえますか?
後藤:そうですね、いっぱいびっくり箱的な要素も詰め込んでいるので、そこで毎度毎度違った楽しみができるのではないかなと思います。
橋本:次のフロアに挑む時、ランダムにシャッフルされた裏向きのカードの束の上から一枚をめくる仕組みは、どのフロアが出てくるかわからないおもしろい要素なのかなと。
しももん:原作でも、ボスエリアには偵察部隊を送って敵の様子を見るという行為がありますが、それをそのまま遊びとして表現できているのはおもしろくできたと思っています。
後藤:フロアの攻略には階層の前後が生じますが、アニメでもキリト君が上がったり下がったりしていましたので、それもある意味アニメ通りなのかなとは思います。次にどのフロアが出てくるかわからない、そういうドキドキ感が楽しいですね。
――では最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。
後藤:これはゲームであっても、遊びではない。とてもとても、やりごたえはあります。間違いなく。そしておもしろい。自信を持って言えます!! ぜひ、クリア目指して頑張っていただきたい! 最上階で待っています(笑)。
(C)川原礫/アスキー・メディアワークス/SAO Project
※写真内の商品は開発中のもの。
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