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2013年10月3日(木)

『F1 2013』のクオリティの高さに中嶋悟も驚いた! “スピードの極限”を再現した本作の魅力がメディア体験会で明らかに!!

文:ヒビキタケル

■もう1度F1で戦いたい相手は? 中嶋悟氏にインタビュー!

 今回のメディア体験会には、元F1レーサーの中嶋悟氏も来場! この日は合同インタビューということで、ゲームメディアやクルマ雑誌などのさまざまなメディアによる質疑応答が行われた。

『F1 2013』
▲日本人初のF1フル参戦ドライバーとして知られている、中嶋悟氏。1987年にロータス・ホンダよりF1デビューし、1981年には雨のオーストラリア・グランプリで日本人初のファステストラップも記録した。1991年に引退して、現在はスーパーフォーミュラやスーパーGTに参戦中の“ナカジマレーシング”の代表を務めている。

――ゲームに関する質問の前に、中嶋さんが監督として率いているナカジマレーシングの活動について、お聞かせ願えますか?

 1991年に引退してからいろんなチームを作りまして、国内でフォーミュラレースとGTレースのオーナー兼監督として、もう20数年活動を続けております。ナカジマレーシングとしては、スポーツランドSUGOの全日本選手権スーパーフォーミュラシリーズ 第6戦(9月28・29日に開催)と、その翌週に開催されるオートポリスでのスーパーGTに参加して、ようやく日本グランプリがやってくる感じですね。

 日本グランプリでは、鈴鹿サーキットの25周年記念企画ということで、僕がかつてドライブした3台のF1マシンに、僕と長男の一貴、そして次男の大祐と3人で乗り込んで、デモンストレーション走行をすることになっています。

――ぜひ現地で、中嶋ファミリーがF1マシンに乗る姿を拝見したいと思います。

 たぶん2周くらいしかしないと思いますし、お昼休みですけれど、ぜひ(笑)。雨が降ると中止になることもありますので、晴れてくれればいいなと思ってます。

――それでは次に、『F1 2013』についてお話をうかがいます。まずは、本作のグラフィックをご覧になった率直な感想をお願いします。

 非常にリアルにできているなと思いました。先ほどチラッと見せていただいたのですが、なかなか細部までこだわっているなと感じましたね。

――コードマスターズのスタッフが中嶋さんのマシンで1位になった映像を、ご覧になったそうですね。

 それが一番すごかったですね(笑)。サーキットはスペインのヘレスだったんですけど、画面を見てすぐに「ヘレスだ!」とわかるくらいで。僕自身が先頭にいるというのも、感慨深かったです。当時は車載カメラからの映像しかありませんでしたが、ゲームでは車体の前にカメラがあったり、コクピット視点があったりと、いろいろな視点の映像があって驚きました。コクピット視点は、非常にリアリティがありましたね。

――ゲームで1980年代のマシンに乗ってみると、現代のマシンよりもちょっとコクピットが狭いような印象を受けましたが、実際はいかがでしたか?

 今のマシンに乗っていないものですから、「わからない」というのが率直な意見なんですけれど(笑)。簡単に言えば、F1もどんどん安全規定が変わってきていまして、コクピットのスペースが変化していたり、マクラ(首や背中を保護するマット)も見た目は昔と一緒でも、素材が変わっていたりということがあります。おそらく、今のマシンのほうが意外に広く感じるだろうなと思います。われわれの世代の場合は、レースを終えると手袋がこすれてボロボロになるくらい、狭いところに収まっていましたから。

――当時のほうが乗り心地が悪かったり、操作が難しかったといったことはありますか?

 レーシングカーというのは日々進化しているものなんです。もちろん、速く走るため、そしてドライバーの労力を減らしたりするためにオートマチックになったり、さらに1つ1つの部品の精度を高めたりと、どんどん進歩してますので、たぶん操作性は格段によくなっていますよね。当時は片手でギアチェンジを操作していましたけど、今ではパドルシフトになってハンドルから手を離さなくてもよくなっていますし。

――ゲームの中でも、視点によってはシフトチェンジをする様子が見ることができるんですが、時速300km/hの世界で、一瞬でもハンドルから手を離すというのは、相当大変なんだろうなと感じました。当時のドライバーたちは、ものすごい集中力で走っていたんじゃないでしょうか?

 そうですね。今のマシンはセミオートマチックになっていて、なおかつパワーステアリングもついてハンドルが軽くなっています。といっても、乗用車よりは重いとは思いますが……。われわれのころには、そういうものがありませんでしたから。

 ストレートでギアチェンジする分には、さほど問題ないのですが。鈴鹿サーキットでは、東コースから西コースに向かうダンロップコーナーというものがあるんですが、そこは200~230km/hで曲がりながら走るんです。かなり横Gの掛かった中で、さらに重たいハンドルを支えている最中にギアアップするというのは、すごく難しかった記憶があります。

『F1 2013』

――現役で走られた当時のF1で最も魅力的な部分と、今のF1で最も魅力的だと思う部分はどこですか?

 当時の、というか自分(=ドライバー)にとっての魅力は、やはり世界で一番速いレーシングカーに乗っている、ということ。なおかつ、そのマシンで競争できるということにつきますね。

 マシンは進化していると思いますが、今のF1も一定のレギュレーションの中で競争するわけですから、気持ちは一緒だと思います。でも25年前の僕に今の車両を与えてくれたら、全部勝てると思います(笑)。

 質問の答えとはちょっと違ってきてしまいますが……、過去の時代であっても、その時点でのレギュレーションの範囲で最大限の能力を引き出そうとするわけです。ただ、先ほども申し上げたように、今のマシンには乗っていませんから、比較は難しいですね。「挑戦してみたいな」とは思いますけれど。

――もし、中嶋さんが今のF1ドライバーと対戦できるとしたら、誰と戦ってみたいですか? また、現役当時を振り返って、もう1度対戦したいと思うドライバーを教えてください。

 今であればやっぱり、ベッテルを80年代のクルマに乗せて、今のクルマに僕が乗ってやったら、どうかなあと(笑)。ただし、2~3周の話です。それ以上になると、体がついていかないかな……(笑)。

 当時を振り返って、もう1度戦ってみたい相手となると、それはやはりアイルトン・セナですね。あらためて(レースの)準備をしながらやってもいいかな、という気がしますね。僕が当時の年齢に戻ってね、今彼が生きていれば……50代くらいですか。そのくらいで(バランス的には)ちょうどいいかなと(笑)。

――それでは、今シーズンのマシンで乗ってみたいのは?

 それはやはり、一番速いチーム(レッドブル)のマシンじゃないですか。うまく走っていきますもんね。走りやすいのかどうかはわかりませんが。

――『F1 2013』の中でも、今のマシンと1980年代のマシンの挙動、そして操作感が再現されているので、中嶋さんがもしゲームを遊ばれることがあれば、ベッテルとの対戦も実現できますね。

 ちょっとやっつけておきます(笑)。

→“雨のナカジマ”に、雨天の安全運転のコツを聞く!(3ページ目へ)

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