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2012年11月13日(火)

“ジョージ・ワシントン”なら知ってる──『アサシン クリードIII』の劇中で出会えるアメリカ独立戦争で活躍した偉人たちのお話

文:イトヤン

■ポール・リヴィア
~“真夜中の騎行”の英雄は意外と商売上手!?~

『アサシン クリードIII』

 日本ではあまり知られていませんが、“ポール・リヴィアの騎行”は独立戦争のエピソードとして、アメリカでは非常に有名なものとなっています。現在のボストンでは、リヴィアの自宅が史跡として街の観光名所になっているほどです。

 ポール・リヴィアはボストンで銀細工職人として暮らしていましたが、サミュエル・アダムズが率いた“自由の息子たち”に加わり、独立運動に参加するようになります。1770年に発生した“ボストン虐殺事件”の直後、リヴィアは色鮮やかな銅版画でこの事件の様子を描き、イギリス兵の“悪事”を全米に強く印象づけました。

 “レキシントン・コンコードの戦い”の前夜、民兵たちにイギリス軍の動きを知らせる“真夜中の騎行”は、実際にはポール・リヴィアだけでなく、ウィリアム・ドーズも別ルートで行っており、さらに途中でサミュエル・プレスコットも加わっています。しかもリヴィアたちはコンコードへ向かう途中でイギリス軍に見つかり、コンコードまで辿り着いたのはプレスコット1人でした。

『アサシン クリードIII』

 ところが、実際の騎行から100年近く経って、ボストン在住の詩人ロングフェローと、その友人の作家ホーソーンが、ポール・リヴィア(だけ)の業績を讃えた詩や小説を発表し、リヴィアは独立戦争の英雄として全米にその名を知られるようになったのです。

 ちなみにポール・リヴィアは独立戦争の後、銀細工の加工から銅製品の製造へと職を移して大きな成功を収めます。アメリカ海軍で今なお現役の帆船軍艦、USSコンスティチューション号が1797年に建造された際には、リヴィアの製造したボルトや銅板が使用されました。

→アメリカとフランスの英雄“ラファイエット”(5ページ目)

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