2013年2月18日(月)
――『ダークサマナー』で注目されるのは、なんといってもモンスターという題材です。リアルなテイストのモンスターをメインに使っているソーシャルゲームは、他では見かけません。これに決めたのはどういう経緯からですか?
最初から北米で出そうという予定でスタートしていたためです。あくまで海外展開ありきで、それから日本でも出そう、という順番でした。基本的に海外の方が好むようなテイストを調査し、選んだ結果、こういった形のものになりました。日本のゲームはとてもデフォルメされたかわいらしいものが多いのですが、海外の方、特にゲームファンは、リアルな描写が好きな方が多いですから。
――ゾンビものはずっと大人気ですからね。
そういうところを外すわけにはいかないので、リアルテイストのダークファンタジーになりました。また、これを日本に持ってきたとしても、これはこれで他のタイトルとの差別化ができていて、ユニークな存在になれると考えました。
――海外のプレイヤーからの反応はいかがですか?
反響はかなり大きかったです。「モンスターのイラストを描いたTシャツを作ってほしい」といった問い合わせは何度もいただきました。また、国内ではメジャーだったバトルシステムの仕組みが、当時海外ではあまり浸透していなかったのも注目される一因でした。当時はまだ『Mafia Wars』などが全盛だった時代で、自分のモンスターを組み合わせてバトルするというものはなかったので、新鮮に受け取ってもらえました。
▲リアルなモンスターを集めるという内容で、北米でも大ヒット。 |
――それに対して日本での反応はいかがですか?
国内市場でメジャーになってきたシステムではあったのですが、“合成”ではなく“生贄”で残酷な描写があったり、召喚のムービーがあったりというのが好評でした。特に生贄や召喚でムービーが流れるのが目新しかったようです。当時はフィーチャーフォンのソーシャルゲームをスマートフォンに移植し、ブラウザでリンクをタッチするだけのものが多い中、携帯端末で動画が流れるものは少なかったのです。「スマートフォンではこういうクオリティのゲームが出せるんだ」といった形で反響をいただきました。
――そこはスマートフォンアプリの強みが出ていますね。やはりヒットの要因はその辺りですか。
でも、まあ……運がよかったですね(笑)。今でこそApp Storeのトップ10の中にいろいろなソーシャルゲームが入っていますが、当時はランキングの下のほうにしかありませんでした。端末もスマートフォンとフィーチャーフォンが半々くらいでしたから、他社はいきなりスマートフォンで出すのではなく、フィーチャーフォンで出しておくという戦略を取っていました。その中、スマートフォンに特化した形で出せたというのがよかったです。タイミングがよかったですね。
――でもそれは、早く取り組めたという結果の表れですね。最初の伸びはすごかったのですか?
App Storeでは、公開から4日後に無料アプリで2位になりました。その時の1位が某駄菓子のアプリで、「これがなければ1位だったのに」というタイミングでした(笑)。
――そこは運ですね(笑)。
あとは市場に対して、特に北米に関しては最適なモチーフで出せたと感じています。北米で出すなら、第二次世界大戦かギャングかグロテスクモンスターかという感じですが、こういったバトル系のシステムと相性がよさそうなダークファンタジーをうまく選定できました。ローカライズ・カルチャライズが北米でうまくできたというのがヒットの要因かなと思います。
――ゲーム内容は日本と北米で同じものなのですか?
言語を除けばまったく同じですね。日本語と英語の2つで全世界に展開しています。時々、アフリカから問い合わせが来たり、アラビア語で問い合わせメールが来たりもします。さすがに読めないのですが、本当に全世界の方に遊んでいただけているんだなと感じます。
――全世界で500万ダウンロードを突破しましたが、地域別に見るとやはり北米が多いのでしょうか?
はい。海外では北米が多く、次いでヨーロッパ圏、その他という感じです。
▲デッキを組んで戦うバトルシステムは日本ではおなじみとなったが、リアルなモンスターを使う点は今でも異色。 |
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